上 下
37 / 41

34話 襲撃

しおりを挟む

「あらっ!?もうこんな時間、ノアもメアリーちゃんもアルカ君も帰りなさい。後もう外は暗いから気をつけて」
とソフィア様に言われ、僕達は学園長室から出て、学生寮へ向かった。


「って事は明日からは一緒に登校出来るね、お兄ちゃん」
メリーに嬉しそうに聞かれ
「うん。その時に僕の友達も紹介するよ」
と言うと、横からノアが僕の腕にくっつきながら
「あらっ?師匠明日も、、登校しますよね?」
と圧をかけられながら、聞かれ僕はその圧に負けてしまい
「う、うん」
と言ってしまうと、そこからまた学生寮までメリーとノアは喧嘩を始めてしまう。


「はぁ~、そろそろ、落ち着いた?2人とも」
ため息を吐き言うと、2人は

「全然」

「まだですッ!」

と息ぴったりに言う
(やっぱりこの2人仲良いな………でも気づいてないな)
「メアリーお嬢様……少し宜しいでしょうか?」
と僕が言うと、内容までは分からなかったと思うが何かあるという事には分かってくたらしく、ノアは静かにだが決して周りに悟られないように辺りを見渡すと
「はい。何でしょうか?アル」
とメリーが乗ってきてくれ
「これをどうぞ」
と言い、僕は自分の持っていたダガーの一刀を渡すと、流石のメリーも
「でもっ、これっ………これはどういう意味ですか?」
一瞬取り乱したが、直ぐに落ち着きを取り戻し、冷静に聞いてくる
「はい。寮に行っては私では護衛出来ませんので万が一の為にこれをと思いまして」
と僕が敢えて、ダガーを渡す
「でも、そろそろ女子寮に着きますので私はこれで。メアリーお嬢様、ノア様、おやすみなさい」
と言い、僕が言うと2人は

「ええ、貴方もおやすみアル」

「はい。おやすみなさいアル君」

と返し、女子寮へと行った





「はぁ~、やっと1人になれたぁ」
と言い、背伸びをして肩を鳴らし
「………で、そろそろ出てきても良いんじゃ無いかな?」
と僕が言うと、前方と後方の木の影から複数の学生が出てきた。その先頭に居るのは
「また、会ったな落ちこぼれ」
と言い、ニヤニヤと笑い出すアルベルト エンベリックだった。


アルベルトが出てきた瞬間、スイッチを切り替え僕は少し強めの口調で
「また、お前かよ負け犬」
と軽く挑発すると馬鹿みたいに乗ってきてくれ
「何だと!!この落ちこぼれがぁ!!」
と言い、ざっと15人位のクズがナイフを持って襲ってくる


「はぁ~、まぁ殺さない程度で殺るか」
俺は肩を回し、手首を解していると

「お兄ちゃんっ!!」

「師匠っ!!」

メリーもノアの2人が慌てて戻って来てアルベルトを見て
「これはいったいどういう事ですか?アルベルト君?」
とノアが聞くと、アルベルトは
「い、いやっ、こ、これは………この落ちこぼれが私たちに襲ってきたんです。それに必死に抵抗していたら」
と苦し紛れの言い訳をするが
「では何故、アル君は素手に対して君達はナイフを手に持っているのですか?」
と言うと、アルベルトは何も言わずにその場で黙り込んだ
「この事は当然学園長と君のお父様にもご報告させて頂きます」
と言うと、焦りを感じたアルベルトは徐ろに手に持っていたナイフをノアに突き立て
「ノア様は何も見なかったって事にはなりませんか?」
と自分が優勢だと思い込んで、やたら強気でノアに言ってくる
「そのような事が出来るとお思いですか?君は!?」
とノアが冷静に言うが、その言葉はアルベルトの耳には届かず
「良いから、僕の言うことに従っとけよっ!!」
と言い、アルベルトはノアをナイフで刺そうとするがそれを俺が見逃すわけもなく
「おいっ!!人の弟子に勝手に手出してんじゃねぇっ!!」
アルベルトのナイフをダガーで弾き、ダガーをアルベルトの首に添え耳元で小さな声で
「次やったら殺す」
と言うと、アンベルトはその場に座り込み、下半身にシミを作りながら泣き出す。
それを見て、他の取り巻き達は一目散に逃げていった


「それにしても、彼どうします?」
さっきまでとは打って変わってまるで汚物を見るかのような目でアルベルトを見てノアが聞いてくる
「う~ん、さっきノアが言った通り取り敢えずソフィア様に報告した方が良いよ」
と僕が言うと、何故か、、、ノアが僕の腕にくっついてきた
「え?ノ、ノアさん?これは?いったい?どゆこと?」
動揺しながらもノアに聞くと、ノアはただニコッと笑いながら
「行きましょ?」
としか言われ、仕方なく
「はい。行けば良いんでしょ」
と言い、アルベルトを木にくくりつけノアと学園長室へと向かおうとした
「ちょっと待ってよぉ~」
当然、メリーも付いてくる



コンッコンッ


「どうぞ」
と言われ、僕とノアとメリーはまた学園長室へと帰ってきてしまった。これには流石のソフィア様も驚き
「いったいどうしたの?ノアだけなら分かるけどまさかアルカ君とメアリーちゃんまで何て」
と言う
(あれっ?ノアだけなら分かる?どういう意味だろ?………まさかっ)
ノアを方を見ると、ノアは顔を真っ赤にして黙り込んでいる
(取り敢えず黙っとこ)
ここでやっと僕達はソフィア様にアルベルトに襲われた事を話した。


「なるほど、そういう事ね……ちょっといいかしら?」
と言い、ソフィア様は引き出しから何やら魔道具を取り出し
「え~、ディーン先生、ディーン アンバーン先生今すぐ学園長室に来てください」
と言うとそれが学園放送で流れ出した。これには僕達は驚き
「……学園長?今のはいったい?」
と聞くが、ソフィア様は
「これの事はまた今度説明するから、皆は取り敢えず、私の部屋に行ってなさい。ノア案内してあげて」
と言われ、僕とメリーはノアに案内されソフィア様専用の部屋へと向かった
しおりを挟む

処理中です...