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35話 話し合い

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コンッコンッ


「入ってきて」
と言うと、ディーンが
「失礼します」
と言って入ってきた。そして
「ソフィアさんどうかしたんですか?」
とさっそく用件を聞かれ私はアルカ君達から聞いた話をそのままディーンに話した
「……なるほど、では俺は男子寮の方にいるアルベルト君を連れてくれば良いですか?」
と聞かれ
「えぇ、でもアルベルト君が怪我をしていたら傷の手当だけはしといて」
と言うと、ディーンは苦笑いをして
「了解しました」
と言い、学園長室出た。


「さてと、次は」
私はまた引き出しから魔道具を取り出し
「オーデン先生、オーデン メイスフォード先生至急学園長室まで来てください」
と私は放送をかけた。



「やっと来たわね……どうぞ」
そう言うと
「失礼します」
やっとオーデンは来た
「こんばんは、オーデン先生」
私が挨拶をすると
「これは珍しいですね学園長が私に挨拶するなんて」
と嫌味を言われたがグッと堪え
「そんな事はありませんのよ?」
とは言うが
(そこは普通貴方の方から挨拶するべきでしょ!!)
と胸の中だけで叫びながら
「今回呼んだのはアルベルト君の件についてです。」
と私が言うと、オーデン先生の顔が目に見えて一瞬引き攣り
「な、何かあったのですか?」
とさっきまでの余裕派既になくただただ焦っていた
(へぇ~、一人の生徒にはここまで執着できるのに、あの子には出来なかったのね)
と胸の中で思いながら笑い
「はい。実は先ほどアルベルト君がメアリー メイソンさんとその従者アルと私の娘を複数の生徒で襲ったそうなのですよ?」
と言葉に怒気を込めて言うと、オーデン先生は珍しく崩れ
「そ、そんなの嘘に決まってます。」
とあくまで事実を否定するオーデン
(はぁ、そろそろ来ないかな……ディーン)
と思っていたら

コンッコンッ

とドアがノックされ
「ディーン アンバーンです。例の生徒を連れてきました。」
と言い、入ってきた
(ナイスタイミングよディーン!!)
アルベルト君が入ってくるとすぐにオーデンはアルベルト君に近寄り
「アルベルト、ほんとにメアリーさんとノア様に襲ったのか!!」
と聞き出して
(何でそこにアルカ君の名前が無いのよ!!)
と胸の中で怒りの炎を燃やしながらも必死にポーカーフェイスを保ちつつ話を聞いていると
「…………僕はメアリーさんの従者のアルは襲いましたが……メアリーさんとノア様は襲ってません」
とほざき出し、ここでディーンも分かったらしく苦笑いをしていたがそんなのもう関係ない
「今なんと言いましたか?」
と私がアルベルト君に聞き直す
「ですから私はメアリーさんとノア様は狙ってません!!」
とメアリーちゃんとノアには危害を加えてないとまたほざく
「おかしいですね?私は君がノアにナイフを突きつけそれを助けたのがアル君だと聞いていますが?それはいったいどういう事ですか?」
とアルベルト君に聞くと
「それは……そのっ……」
と言葉を濁すとオーデン先生が
「学園長、アルベルトも疲れていので今日の所はこの辺ではどうでしょう?」
と逃げ道を作った。私としてはここで逃がしたくは無く
「でも今回の件につきましては、私の娘つまりは王女が狙われた可能性があるので、、、、国王が近衛を出すかもしれませんがそれでも宜しいですか?」
と私が脅しであの人の名前を出すと、流石にこれでは逃げられないと判断したのかオーデン先生は
「いえっ、ここで終わられましょう」
とは言うが
「ですが、ここに居るアルベルトはメアリーさんとノア様を襲ってはいないと言っていますので、本当に襲っていないのではありませんか?」
と言ってくる
(連れてくる?連れてきましょうか?)
胸の中に渦巻く色々な感情を必死に押さえ込み
「分かりました。今回の件につきましては……そうですね、明日の昼休みにアルベルト君とメアリーさんアル君とノアをまじえて話をすると言う形で宜しいでしょうか?」
とオーデン先生に聞くと
「はい。では私はアルベルトを寮まで送っていきます」
と言い、直ぐに学園長室から出ていった。



「もぉ~、途中からドキドキしてたっすよ」
オーデン先生達が居なくなったあといつもの口調に戻して、ディーンが言ってくる
「だってしょうがないじゃない。アイツノアを事疑ったんだしそれにまるでアルカ君の事は襲っても良いみたいに言うからつい」
と正直に言うと、ディーンは笑いながら
「確かに、俺もあの時は無意識に自分の腕抑えたっすよ」
と笑いながら腕を見せてきた。その腕からは血が出ていて、床にポタポタと垂れていた
「ちょっ、ディーン、血垂れてる!!」
と言うと、ディーンも慌てて傷口を塞ぐ

「これは失礼したっす」

「もぉ、どれだけ強く抑えたのよ、抑えすぎよ!!」

と注意をし、包帯を巻くとディーンはさっきとは打って変わって不甲斐ない顔をして
「そりゃあ自分の生徒が襲われてあんな言い方されたらこうなるっすよ」
と言うと、それを聞いて何だか嬉しくなり
「そうね」
と返し
「じゃあ、ディーン次は私の部屋にいるあの子達を呼んできて」
と言うと、ディーンは
「人使い荒いっすよソフィアさんはぁ~」
と言いながら、学園長室から出た
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