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第47話 剣闘会と薬の結末
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今まで通りの戦い方で、相手の戦士ベアトリスを吹き飛ばそうと剣を振るうルッツ。しかし吹き飛ばされてのはルッツだった。
「うわぁ! な、なんだ? 一体どうして!?」
「剣の腕はそこそこ、身体能力に任せた戦い方では、俺には勝てん」
この傭兵は今までの相手とは違うようだ。
ステータスで言うと力強さ691、素早さ588とルッツの方がはるかに上だ。
しかし剣技LV79とルッツよりも高く、更にはLVには表れない経験によりる『勘』が鋭いため、ルッツの動きを読んでいたのだ。
「お前の戦い方は全部見ていた。強いのか弱いのか分からない戦い方だったが、どういう訳か剣の扱いには慣れているが、実戦経験が皆無のようだ」
図星だった。
この男ベアトリスは傭兵団の団長というだけあり、人を良く観察しているようだ。
それにこの短い時間でルッツの戦い方も熟知している。
「う、うるさい! 僕は強いんだ、お前みたいな傭兵崩れに負けるはずがない!」
傭兵崩れどころか傭兵なのだが、なにやらルッツの様子がおかしい。
いやすでに予兆は出ていた。
ルッツは試合を重ねるごとに強さを実感し、悪い意味で自信をつけてしまったのだ。
慢心である。
だがそれも仕方がなかった。
ルッツは生まれてからまともに歩いた事すらなく、運動など夢のまた夢だった。
それが今は薬のお陰とはいえ、剣を振るい、屈強な戦士たちを打ち負かしている。
楽しくて仕方が無いのだろう。
だが慢心は真の実力者の前では脆く崩れ去る運命。
「すまないが、俺には負けられない理由がある。お前は準優勝で我慢しておけ」
ベアトリスが剣を構えてゆっくりと間合いを取り、ルッツの動きを見逃さないようにしている。
「バカにするなぁ!!!」
激高して滅茶苦茶に剣を振り回すルッツ。だがそんな攻撃はベアトリスには通用しない。
不用意にベアトリスの間合いに入ったルッツは力任せに剣を振るっているが、そんな攻撃が通用するはずもなく、簡単にかわされる上にスタミナの消耗が激しい。
「はぁ、はぁ、はぁ、どうして、当たらないんだ!?」
「何度もいわせるなド素人。お前では俺には勝てない」
その言葉に更に激高し、修斗から教わった事を全て忘れて、駄々っ子の様に剣を振り回している。
これでは勝てないだろう。
業を煮やした修斗は、ステージの脇に立って一言アドバイスをする。
「おいルッツ。相手の動きをよく見ろ、パターンや癖を覚え、相手の弱点や隙をつくんだ!」
しかしルッツは修斗の声に耳を貸さない。
何度も何度も同じことを繰り返し、その都度返り討ちにされている。
「ルッツ! ルッツ頑張って!」
ヒルデガルドが必死に応援するも、その声すら届いていない様だ。
-いい加減面倒になってきたな-
修斗の頭にそんな事がよぎるのも無理はない。
せめて真摯に修斗の言葉を聞いていれば、依頼なのだからと、面倒でもルッツの為に行動しただろう。
それが今では依頼達成のための道具としか見えなくなっていた。
なので手っ取り早く依頼を終わらせるため、劣っているのならば上回らせればいいという単純な行動をとった。
剣技LVを90にしたのだ。
このLVは現最強の剣技使いである勇者をも上回るLVだ。
その上回った分、ルッツはベアトリスを押し始めた。
身体能力もスキルも上回ったルッツは、ベアトリスの体に傷を増やしていき、少しずつ、少しずつ傷が深くなっていく。
そして致命傷となる傷を負わせることに成功する。
腹の真ん中に剣を突き立てたのだ。
「ふー! ふー! ふー! ふ、ふふふ、ふははははは! やっぱり僕は強いんだ! 傭兵崩れなんかに負けるはずがない! 僕こそが最強の戦士だ!!!」
動けなくなったベアトリスは膝をつき、口から血を流し、腹を押さえながら唸るような声をひねり出す。
「ば、ばかな……なぜいきなり強くなった……戦いながら、急速に成長したとでもいうのか……!!!」
確かに成長はしたが、それは修斗がスキルLVを上げたためで、決してルッツが自身で成長したわけではない。
そういった点ではこの傭兵、相手が悪かったとしか言いようがない。
審判によりルッツの勝利宣言がされ、ルッツは大きく両拳を天に突き上げる。
それにつられてか、ヒルデガルドもステージに上がりルッツに抱き付く。
「やったねルッツ! これでお父様も結婚を許してくれるわ!」
「待たせたねヒルデガルド、これからは僕が君を守って見せるよ!」
そう言って口づけをする2人。
修斗には伝えていないがこの2人、結婚するための条件としてルッツの剣闘会優勝を突きつけられていたようだ。
両親は結婚などさせるつもりは無かったのだろう。
修斗により番狂わせが起きたのだが……2人が幸せならばそれも良いだろう。
さらに言うとヒルデガルドは伯爵令嬢であり、若いころは修行になるからと冒険者をしても何も言われなかったが、そろそろ身を固めなくてはいけないため、冒険者引退と共に結婚相手を選ばなくてはいけなかったらしい。
その相手がルッツだったのだが、病気に伏せているルッツを伯爵家の跡取りに認める訳にはいかず、さりとてルッツは弱小ながらも男爵の息子であるため、無下に断る事が出来なかった。
だから断るために剣闘会優勝という不可能な条件を出したのだ。
剣闘会が終わり、見事ルッツを優勝させたことで修斗はAランク冒険者への資格を得る事が出来た。
「ありがとうシュウト! 私の無茶な依頼を受けてくれてありがとう!」
「感謝するよシュウト。僕を鍛えてくれたこと、誇りに思ってくれていいからね」
どうにもルッツは勘違いをしているようだ。
元気になれたのは薬のお陰だが、強くなったのは自分の才能だと思っているようだ。全てが修斗の薬のお陰だというのに。
修斗は会場を後にして、その足で冒険者ギルドへと向かう。
受付嬢に依頼達成の報告をすると、流石の受付嬢も目をまん丸にして驚いていた。
そして晴れてAランクへの試験を受ける旨を伝えたのだが……。
「Aランクへの試験を受けるには、貴族の推薦状が必要となります。それを持ってきていただければ、試験はいつでも受ける事が可能です」
「なに? そんな物が必要なのか?」
「はい……なのでAランク冒険者とSランク冒険者は極端に数が少ないんです。Aランク以上は特別な存在として、むやみに数を増やす必要は無い、というのがギルドの方針なのです」
世界に散らばる冒険者の数は数えきれないほど居る。
しかし大半はD・Eランクで数えきれないほど多く、Cランクからが冒険者として一人前とされている。
Aランクは世界に152名、Sランクは11名しかいない。
この世界の人間ならば、Aランクはほとんどの人が名前を知っている存在らしい。Sランクは英雄だ。
勇者は特別な存在として、Sの上に居る。
「わかった、何とかしよう」
空間魔法を使い、修斗は自分の国ザナドゥへと帰還する。
その晩は6人の女全てが気を失うほど激しかったそうだ。
思い通りにいかなかった苛立ちと、ルッツの言動にムカついていたから、その憂さ晴らしに付き合わされた形だ。
6人の女はとても喜んでいたから構わないが……。
一方その頃、ヒルデガルドとルッツは嫌々ながらも結婚を認められ、式を前に初夜を迎えていた。
ヒルデガルドは知識が乏しく拒否したのだが、ルッツが強引に行為に至ったのだ。
力が強くなり、今までのルッツとは違うルッツに恐怖していたが、元気になって嬉しいんだ、そう言い聞かせてルッツを受け入れた。
小さな胸を加減もなく揉みしだき、怖がり足を閉じているのを力づくで開くと、まじまじと観察して容赦なく指をブチ入れる。
「ヒッ! る、ルッツ痛い……!」
「大丈夫さ、直ぐに気持ちよくなるから」
ルッツと2人になれて嬉しいはずが、恐怖ですくんでいる。
しかし膣は防衛反応で濡れていく。
それを感じていると勘違いしたルッツは、ヒルデガルドの様子など構う事なく怒張を挿入した。
悲鳴を上げるも口を押さえられ、容赦なく叩きつけられる腰で体が激しく揺さぶられる。痛みと衝撃で悲鳴を上げる余裕すらなくなっている。
そんな行為が朝まで続くのだった。
意識を失い、目が覚めたのは翌日の昼近くになってからだ。
しかし体に違和感を覚える。
体が誰かによって動かされている。
目を開けると、ルッツがヒルデガルドの膣に挿入していた。
昨晩ほどではないが、自分勝手に腰を振っている。
「おはようヒルデガルド。気持ちよくて目が覚めたのかい?」
「……おはよう。少しは眠れた?」
「はっはっは、全く眠くないんだ。君の体は僕との相性が抜群だね! これから毎日抱いてあげられるよ!」
腰を止める事なく、自信いっぱいに言ってのける。
恐る恐る自分の股を見ると、おびただしい血が流れていた。
すでに痛覚が薄れ、血が流れていても感情が動かない。
この人は自分の事を愛してくれているのだろうか、なぜ自分はこんな事をしているのだろうか、そんな事を考えもしたが、時間と共に昔の優しいルッツに戻ってくれる、そう信じて受け止めるしかなかった。
だがそんな時間など用意されているはずがなかった。
ルッツの右腕が突如として膨張を始めたのだ。
「ん? な、なんだ!? なんでいきなり腕が膨らんで……ウ……うわーーー!」
腕だけではない。足も、顔も、胴体も、まるで体中が風船が膨らむように膨張を始めたのだ。
血管が浮き出し、まるで肉達磨の様に膨張した体は、膨張に耐え切れず皮膚が破裂を始め、中から肉と血があふれ出てくる。
しかし膨張は止まらない。
叫び声をあげているのだろうが、すでに声帯が潰れうめき声しか聞こえない。
「キャー!!!」
目の前でルッツが膨張を始めると同時に、そのペニスも膨張してしまったため、挿入されているヒルデガルドは逃げる事が出来ない。
ルッツの体が膨らみ、皮膚が裂けて血が吹き出し、すでに人の形を留めていないソレを目の前で見せつけられ、更には自分の膣内でペニスが膨らんでいくのが分かる。
麻痺していたはずの痛覚が蘇り、自分の腹が不自然に膨らんでいく。
まるで野生の獣の様なうめき声と同時に、ルッツだったモノは激しく暴れ始め、運よくヒルデガルドの中からペニスが引き抜かれる。
しかしヒルデガルドの膣はもう、使い物にはならない程に引き裂かれている。
這いつくばって部屋の扉へと逃げる背後では、肉の塊が断末魔を上げていた。
肉は更に膨張し、その重さに体が耐えられなくなったのだ。
目は充血して飛び出し、膨張して破裂、口も鼻も、全てが肉に覆われて何も分からなくなっていく。
そして遂に……全身がはじけ飛んでしまった。
「へぇ、あんな風になるのか」
薬の後遺症を知るために、修斗はヒルデガルドとルッツの行為を盗み見ていた。
自分の部屋とルッツの寝室に小さな空間を繋げ、そこから全てを見ていたのだ。
1日だけ勇者並みの力を発揮できる薬、しかし1日が過ぎたらどうなるのか、それを知りたかったのだ。
その結果は修斗が予想した通りのモノだった。
薬により強引に引き上げられたステータスは、薬の効果が消える事により元に戻ろうとする。しかし、戻ろうとする間、体はその力を受け入れなくてはいけない。
しかし薬の効果が切れたため、体にはそんな力を受け入れる器などない。
それこそが器の大きさであり、体の限界値でもある。
パメラ達は修斗の精液によって能力値と共に【器の大容量化】が図られており、ステータスの上昇に耐えられる体を身に着けているのだ。
器が力を受け止められなければ、その体は崩壊するしかない。
その結果を確認する事が出来て、修斗は6人の美女が眠るベッドから抜け出した。
服を着て、騎士団長のウィリアムと雑用係のビリーに簡単な稽古を付けたのち、修斗はとある国へと向かった。
「うわぁ! な、なんだ? 一体どうして!?」
「剣の腕はそこそこ、身体能力に任せた戦い方では、俺には勝てん」
この傭兵は今までの相手とは違うようだ。
ステータスで言うと力強さ691、素早さ588とルッツの方がはるかに上だ。
しかし剣技LV79とルッツよりも高く、更にはLVには表れない経験によりる『勘』が鋭いため、ルッツの動きを読んでいたのだ。
「お前の戦い方は全部見ていた。強いのか弱いのか分からない戦い方だったが、どういう訳か剣の扱いには慣れているが、実戦経験が皆無のようだ」
図星だった。
この男ベアトリスは傭兵団の団長というだけあり、人を良く観察しているようだ。
それにこの短い時間でルッツの戦い方も熟知している。
「う、うるさい! 僕は強いんだ、お前みたいな傭兵崩れに負けるはずがない!」
傭兵崩れどころか傭兵なのだが、なにやらルッツの様子がおかしい。
いやすでに予兆は出ていた。
ルッツは試合を重ねるごとに強さを実感し、悪い意味で自信をつけてしまったのだ。
慢心である。
だがそれも仕方がなかった。
ルッツは生まれてからまともに歩いた事すらなく、運動など夢のまた夢だった。
それが今は薬のお陰とはいえ、剣を振るい、屈強な戦士たちを打ち負かしている。
楽しくて仕方が無いのだろう。
だが慢心は真の実力者の前では脆く崩れ去る運命。
「すまないが、俺には負けられない理由がある。お前は準優勝で我慢しておけ」
ベアトリスが剣を構えてゆっくりと間合いを取り、ルッツの動きを見逃さないようにしている。
「バカにするなぁ!!!」
激高して滅茶苦茶に剣を振り回すルッツ。だがそんな攻撃はベアトリスには通用しない。
不用意にベアトリスの間合いに入ったルッツは力任せに剣を振るっているが、そんな攻撃が通用するはずもなく、簡単にかわされる上にスタミナの消耗が激しい。
「はぁ、はぁ、はぁ、どうして、当たらないんだ!?」
「何度もいわせるなド素人。お前では俺には勝てない」
その言葉に更に激高し、修斗から教わった事を全て忘れて、駄々っ子の様に剣を振り回している。
これでは勝てないだろう。
業を煮やした修斗は、ステージの脇に立って一言アドバイスをする。
「おいルッツ。相手の動きをよく見ろ、パターンや癖を覚え、相手の弱点や隙をつくんだ!」
しかしルッツは修斗の声に耳を貸さない。
何度も何度も同じことを繰り返し、その都度返り討ちにされている。
「ルッツ! ルッツ頑張って!」
ヒルデガルドが必死に応援するも、その声すら届いていない様だ。
-いい加減面倒になってきたな-
修斗の頭にそんな事がよぎるのも無理はない。
せめて真摯に修斗の言葉を聞いていれば、依頼なのだからと、面倒でもルッツの為に行動しただろう。
それが今では依頼達成のための道具としか見えなくなっていた。
なので手っ取り早く依頼を終わらせるため、劣っているのならば上回らせればいいという単純な行動をとった。
剣技LVを90にしたのだ。
このLVは現最強の剣技使いである勇者をも上回るLVだ。
その上回った分、ルッツはベアトリスを押し始めた。
身体能力もスキルも上回ったルッツは、ベアトリスの体に傷を増やしていき、少しずつ、少しずつ傷が深くなっていく。
そして致命傷となる傷を負わせることに成功する。
腹の真ん中に剣を突き立てたのだ。
「ふー! ふー! ふー! ふ、ふふふ、ふははははは! やっぱり僕は強いんだ! 傭兵崩れなんかに負けるはずがない! 僕こそが最強の戦士だ!!!」
動けなくなったベアトリスは膝をつき、口から血を流し、腹を押さえながら唸るような声をひねり出す。
「ば、ばかな……なぜいきなり強くなった……戦いながら、急速に成長したとでもいうのか……!!!」
確かに成長はしたが、それは修斗がスキルLVを上げたためで、決してルッツが自身で成長したわけではない。
そういった点ではこの傭兵、相手が悪かったとしか言いようがない。
審判によりルッツの勝利宣言がされ、ルッツは大きく両拳を天に突き上げる。
それにつられてか、ヒルデガルドもステージに上がりルッツに抱き付く。
「やったねルッツ! これでお父様も結婚を許してくれるわ!」
「待たせたねヒルデガルド、これからは僕が君を守って見せるよ!」
そう言って口づけをする2人。
修斗には伝えていないがこの2人、結婚するための条件としてルッツの剣闘会優勝を突きつけられていたようだ。
両親は結婚などさせるつもりは無かったのだろう。
修斗により番狂わせが起きたのだが……2人が幸せならばそれも良いだろう。
さらに言うとヒルデガルドは伯爵令嬢であり、若いころは修行になるからと冒険者をしても何も言われなかったが、そろそろ身を固めなくてはいけないため、冒険者引退と共に結婚相手を選ばなくてはいけなかったらしい。
その相手がルッツだったのだが、病気に伏せているルッツを伯爵家の跡取りに認める訳にはいかず、さりとてルッツは弱小ながらも男爵の息子であるため、無下に断る事が出来なかった。
だから断るために剣闘会優勝という不可能な条件を出したのだ。
剣闘会が終わり、見事ルッツを優勝させたことで修斗はAランク冒険者への資格を得る事が出来た。
「ありがとうシュウト! 私の無茶な依頼を受けてくれてありがとう!」
「感謝するよシュウト。僕を鍛えてくれたこと、誇りに思ってくれていいからね」
どうにもルッツは勘違いをしているようだ。
元気になれたのは薬のお陰だが、強くなったのは自分の才能だと思っているようだ。全てが修斗の薬のお陰だというのに。
修斗は会場を後にして、その足で冒険者ギルドへと向かう。
受付嬢に依頼達成の報告をすると、流石の受付嬢も目をまん丸にして驚いていた。
そして晴れてAランクへの試験を受ける旨を伝えたのだが……。
「Aランクへの試験を受けるには、貴族の推薦状が必要となります。それを持ってきていただければ、試験はいつでも受ける事が可能です」
「なに? そんな物が必要なのか?」
「はい……なのでAランク冒険者とSランク冒険者は極端に数が少ないんです。Aランク以上は特別な存在として、むやみに数を増やす必要は無い、というのがギルドの方針なのです」
世界に散らばる冒険者の数は数えきれないほど居る。
しかし大半はD・Eランクで数えきれないほど多く、Cランクからが冒険者として一人前とされている。
Aランクは世界に152名、Sランクは11名しかいない。
この世界の人間ならば、Aランクはほとんどの人が名前を知っている存在らしい。Sランクは英雄だ。
勇者は特別な存在として、Sの上に居る。
「わかった、何とかしよう」
空間魔法を使い、修斗は自分の国ザナドゥへと帰還する。
その晩は6人の女全てが気を失うほど激しかったそうだ。
思い通りにいかなかった苛立ちと、ルッツの言動にムカついていたから、その憂さ晴らしに付き合わされた形だ。
6人の女はとても喜んでいたから構わないが……。
一方その頃、ヒルデガルドとルッツは嫌々ながらも結婚を認められ、式を前に初夜を迎えていた。
ヒルデガルドは知識が乏しく拒否したのだが、ルッツが強引に行為に至ったのだ。
力が強くなり、今までのルッツとは違うルッツに恐怖していたが、元気になって嬉しいんだ、そう言い聞かせてルッツを受け入れた。
小さな胸を加減もなく揉みしだき、怖がり足を閉じているのを力づくで開くと、まじまじと観察して容赦なく指をブチ入れる。
「ヒッ! る、ルッツ痛い……!」
「大丈夫さ、直ぐに気持ちよくなるから」
ルッツと2人になれて嬉しいはずが、恐怖ですくんでいる。
しかし膣は防衛反応で濡れていく。
それを感じていると勘違いしたルッツは、ヒルデガルドの様子など構う事なく怒張を挿入した。
悲鳴を上げるも口を押さえられ、容赦なく叩きつけられる腰で体が激しく揺さぶられる。痛みと衝撃で悲鳴を上げる余裕すらなくなっている。
そんな行為が朝まで続くのだった。
意識を失い、目が覚めたのは翌日の昼近くになってからだ。
しかし体に違和感を覚える。
体が誰かによって動かされている。
目を開けると、ルッツがヒルデガルドの膣に挿入していた。
昨晩ほどではないが、自分勝手に腰を振っている。
「おはようヒルデガルド。気持ちよくて目が覚めたのかい?」
「……おはよう。少しは眠れた?」
「はっはっは、全く眠くないんだ。君の体は僕との相性が抜群だね! これから毎日抱いてあげられるよ!」
腰を止める事なく、自信いっぱいに言ってのける。
恐る恐る自分の股を見ると、おびただしい血が流れていた。
すでに痛覚が薄れ、血が流れていても感情が動かない。
この人は自分の事を愛してくれているのだろうか、なぜ自分はこんな事をしているのだろうか、そんな事を考えもしたが、時間と共に昔の優しいルッツに戻ってくれる、そう信じて受け止めるしかなかった。
だがそんな時間など用意されているはずがなかった。
ルッツの右腕が突如として膨張を始めたのだ。
「ん? な、なんだ!? なんでいきなり腕が膨らんで……ウ……うわーーー!」
腕だけではない。足も、顔も、胴体も、まるで体中が風船が膨らむように膨張を始めたのだ。
血管が浮き出し、まるで肉達磨の様に膨張した体は、膨張に耐え切れず皮膚が破裂を始め、中から肉と血があふれ出てくる。
しかし膨張は止まらない。
叫び声をあげているのだろうが、すでに声帯が潰れうめき声しか聞こえない。
「キャー!!!」
目の前でルッツが膨張を始めると同時に、そのペニスも膨張してしまったため、挿入されているヒルデガルドは逃げる事が出来ない。
ルッツの体が膨らみ、皮膚が裂けて血が吹き出し、すでに人の形を留めていないソレを目の前で見せつけられ、更には自分の膣内でペニスが膨らんでいくのが分かる。
麻痺していたはずの痛覚が蘇り、自分の腹が不自然に膨らんでいく。
まるで野生の獣の様なうめき声と同時に、ルッツだったモノは激しく暴れ始め、運よくヒルデガルドの中からペニスが引き抜かれる。
しかしヒルデガルドの膣はもう、使い物にはならない程に引き裂かれている。
這いつくばって部屋の扉へと逃げる背後では、肉の塊が断末魔を上げていた。
肉は更に膨張し、その重さに体が耐えられなくなったのだ。
目は充血して飛び出し、膨張して破裂、口も鼻も、全てが肉に覆われて何も分からなくなっていく。
そして遂に……全身がはじけ飛んでしまった。
「へぇ、あんな風になるのか」
薬の後遺症を知るために、修斗はヒルデガルドとルッツの行為を盗み見ていた。
自分の部屋とルッツの寝室に小さな空間を繋げ、そこから全てを見ていたのだ。
1日だけ勇者並みの力を発揮できる薬、しかし1日が過ぎたらどうなるのか、それを知りたかったのだ。
その結果は修斗が予想した通りのモノだった。
薬により強引に引き上げられたステータスは、薬の効果が消える事により元に戻ろうとする。しかし、戻ろうとする間、体はその力を受け入れなくてはいけない。
しかし薬の効果が切れたため、体にはそんな力を受け入れる器などない。
それこそが器の大きさであり、体の限界値でもある。
パメラ達は修斗の精液によって能力値と共に【器の大容量化】が図られており、ステータスの上昇に耐えられる体を身に着けているのだ。
器が力を受け止められなければ、その体は崩壊するしかない。
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