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第56話 ハイエルフの里
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「こっちだ。ああ、そこの道は罠だから、進むと魔物の巣に入ってしまうぞ」
ハイエルフの娘・カーリンの案内で魔の森を進んでいる。
メンバーは修斗と8人の重鎮、そしてハイエルフの男2人も一緒だ。
「あ、お、お嬢さん、その葉は触れるとかぶれてしまうから、ちゅ、注意してください」
「え? ああコレデスカ? アリガトです」
「そこに泥濘があるから、足元に注意したほうがいい」
「ここですか? ああ本当ですね、ありがとうございます」
男ハイエルフの2人はどうやら大きい胸が好みの様で、やたらと巨乳組を気にかけている。
ハイエルフの中ではカーリンのCカップも大きい方で、他は無乳か微乳がほとんどのようだ。
色々と話を聞きながら進んでいるが、エルフ、特にハイエルフは個人の欲という物を表に出すのが嫌いらしく、欲を押さえ、里や森の為に行動する事を良しとする。
なので性行為にしても、村の存続のため、ハイエルフの存続のためと割り切っているため、その回数は極端に少ない。
それはハイエルフの数が少ない事にもつながっている。
しかし抑えられた欲望ほど解放された時の反動が大きい。
昨日のハイエルフ3人の乱れ方は、その衝動によるモノだろう。
密林という言葉すらぬるいと思うほどの木が生い茂り、地面には足を置く場すら無くなってきた。
「お前達はこんな場所をどうやって移動しているんだ?」
「私達は木の上、枝から枝を渡って移動している。流石に人間にそんな事は出来ないだろうから、待っていてくれ、通れそうな場所を探してくる」
「いやいい。おいジジー、ウィリアム、行けるな?」
「問題ございませんです、ハイ」
「はい、大丈夫です」
そういうと2人はジャンプをし、木の上に飛び乗った。
それを見て他のメンバーも木の上に飛び乗り、ハイエルフ達の案内を待っている。
「……ああ、そうだな、こういう連中に喧嘩を売ったんだな、私達は」
カーリンが納得したように木の上に移動すると、今までのゆっくりした速度とは違い、とても速い速度での移動が始まった。
それにしても、じいさん……ビリーは細身だから良いとしても、体が大きく鎧も着こんでいるウィリアム騎士団長が木の上をヒョイヒョイと移動するさまは、中々に恐ろしい物がある。
「あそこだ。あそこが我らの里・バルデ=シュタットだ」
カーリンが指をさすが、そこには相変わらずの密林しか見えない。
「なんだい? 一体どこにあるって言うんだい?」
パメラ達が目を凝らすが、やはりどこにも見えない。
それは修斗も同じだが、修斗はこめかみを数回指で叩くと、何かを確認できたようだ。
「ああ、あれか。デカイ滝があるな」
「シュウト殿は本当に我らの理解の外に居るな。そうだ、ここからでは結界が張ってあって見えないんだ」
少し前進し、少し大きめの木の上に全員が集まった。
「ここで結界を抜ける儀式を行う。儀式といっても簡単だ、我らハイエルフの血液を額に付けるだけでいい」
そういうと3人のハイエルフは人差し指をナイフで刺し、順番に額に押し付けていく。
「俺は見えているから必要ないんじゃないのか?」
「シュウト殿、正式な手続きで里に案内したいのだ。受けてくれないだろうか」
そう言われては断る事も出来ず、修斗の額にも赤い印がつけられた。
全員の額に印がつけられ、カーリンは前を向き直ると左手を前に付きだす。
するとどうだろう、左腕は無くなってしまった。
怪我をしたわけではなく、恐らくは見えなくなっただけ、のようだ。
腕の切り口が導火線に火が付いたように光を放つと、ゆっくりと見えなくなっていた腕が現れる。
それと同時に見えなかったハイエルフの里が姿を現す。
「我がバルデ=シュタットの里へようこそ!」
「おお……おお~」
重鎮たちが感嘆の声を上げる。
周囲の密林とは違い、きちんと整備された森の中に道が数本あり、大きな木の上には家が建っている。
里の奥には大きな滝があり、見えなくなっていたが山がある様だ。
人間が手入れをしてもこうはならない、自然と暮らすエルフだからこそ、自然と調和した手入れが出来るのだろう。
「それでは長老の元へ案内する。こっちだ」
木から飛び降りて道を歩く。
どうやらこの場所は外の場所とは随分と形態が違うようだ。
小動物や犬・猫サイズの生き物が人間を恐れない。
かといって近づいてくることも無いのだ。時々小動物が遊びで近づくこともあるが。
そしてハイエルフの気配。
間違いなく複数名が一行を見ている事は間違いない。
しかし姿を現す事は無く、息をひそめて様子をうかがっているのだ。
排他的、その言葉が相応しい状況だ。
「ここだ、ここが長老の家だ」
着いた家は他の家と同じ、大きくもなければ小さくもない、なにも特別な所がない家。
この家も木の上に建っているが、階段もはしごもない。
やはりというか、ハイエルフの3人はジャンプして木の枝を数回移動し、建物に入る。
後を追って家の玄関らしい場所に着くと、そこには扉が無かった。
改めて家を見ると、窓には枠しかなく、家の中は吹きさらしになっている。
里の中では不要な物、という事だろうか。
「父上、ザナドゥ王国の方々をお連れしました。お目通りをお願いします」
玄関を通り奥の部屋へと進むと、そこには1人の男ハイエルフがイスに座り、テーブルに手を置いてお茶を飲んでいた。
やはり髪が長く端正な顔立ちをしている。年齢も他のハイエルフと変わりなく見える。
「カーリン、なぜ連れて来た」
随分と不機嫌そうに木製のコップを置くと、ハイエルフ3人を睨みつける。
少しバツが悪そうに目をそらすが、一呼吸おいて口を開く。
「父上、我ら3人、ザナドゥ王国から神を取り戻そうと奮起しましたが、力及ばず返り討ちにあってしまいました。お連れしなければ、この里は滅ぼされてしまうかもしれないのです」
「それは分かっている。この子供を見た瞬間から背筋が寒くてたまらん。よりにもよって、一体何を連れて来たのかと聞いているのだ」
「は? ザナドゥ王国の重鎮の方々ですが……」
「他の者はよい、理由は知らないが人間離れしている程度だ。そこの男の子だ、人間離れにも程があるぞ」
長老が指差したのは修斗だ。
全員が修斗を見るのだが、重鎮たちは驚く事もないが、ハイエルフ3人は細い目を見開いている。
「あのお父様? 流石にそれはシュウト殿に失礼なのでは?」
「かまわんさ、事実だからな。それで? 背筋が寒い男は俺をどうするつもりだ?」
「どうもしない。攻め入った我らを許してくれるのならば、出来ることは全て受け入れよう」
「なら話は早い。まずこの女カーリンは連れて行く。その上で、里にある面白そうなものは持って行く」
「好きにするといい」
「後はそうだな、ザナドゥ王国の属国になれ」
「……そのつもりだ」
少々長老の顔が曇る。
それはそうだろう、長い間ハイエルフの里は人間とは隔絶し、独自の文化を守ってきたのだから。
「後はそうだな……カイザーかロードを時々使いに出す。何かあれば伝えろ」
「その2人は人間か?」
「違う。伝説の古代龍と古代龍だ」
「!?!? 我らが神ではないか! まことに神を遣わせてくれるのか!?」
「ああ。後は特にない、好きにしろ」
長老が立ち上がり、修斗の前に来て両膝を付き、腕を胸の前でクロスさせて両肩を触る。
「ハイエルフの里バルデ=シュタットは、シュウト殿に、ザナドゥ王国に忠誠を誓う事を約束しよう」
一緒に居たハイエルフ3人も、長老と一緒に膝をつく。
一見修斗が優しさを見せたように見えるが、相手をどん底に落としておいて飴を与える、ハイエルフが勝負に負けたから従うのは当たり前なのだが、飴を与えることで反乱のリスクが大幅に減る事になる。
ハイエルフの不満はドラゴンという飴によって打ち消されてしまうのだ。
以降バルデ=シュタットの里は、修斗の期待以上の働きを見せる事になる。
ハイエルフの娘・カーリンの案内で魔の森を進んでいる。
メンバーは修斗と8人の重鎮、そしてハイエルフの男2人も一緒だ。
「あ、お、お嬢さん、その葉は触れるとかぶれてしまうから、ちゅ、注意してください」
「え? ああコレデスカ? アリガトです」
「そこに泥濘があるから、足元に注意したほうがいい」
「ここですか? ああ本当ですね、ありがとうございます」
男ハイエルフの2人はどうやら大きい胸が好みの様で、やたらと巨乳組を気にかけている。
ハイエルフの中ではカーリンのCカップも大きい方で、他は無乳か微乳がほとんどのようだ。
色々と話を聞きながら進んでいるが、エルフ、特にハイエルフは個人の欲という物を表に出すのが嫌いらしく、欲を押さえ、里や森の為に行動する事を良しとする。
なので性行為にしても、村の存続のため、ハイエルフの存続のためと割り切っているため、その回数は極端に少ない。
それはハイエルフの数が少ない事にもつながっている。
しかし抑えられた欲望ほど解放された時の反動が大きい。
昨日のハイエルフ3人の乱れ方は、その衝動によるモノだろう。
密林という言葉すらぬるいと思うほどの木が生い茂り、地面には足を置く場すら無くなってきた。
「お前達はこんな場所をどうやって移動しているんだ?」
「私達は木の上、枝から枝を渡って移動している。流石に人間にそんな事は出来ないだろうから、待っていてくれ、通れそうな場所を探してくる」
「いやいい。おいジジー、ウィリアム、行けるな?」
「問題ございませんです、ハイ」
「はい、大丈夫です」
そういうと2人はジャンプをし、木の上に飛び乗った。
それを見て他のメンバーも木の上に飛び乗り、ハイエルフ達の案内を待っている。
「……ああ、そうだな、こういう連中に喧嘩を売ったんだな、私達は」
カーリンが納得したように木の上に移動すると、今までのゆっくりした速度とは違い、とても速い速度での移動が始まった。
それにしても、じいさん……ビリーは細身だから良いとしても、体が大きく鎧も着こんでいるウィリアム騎士団長が木の上をヒョイヒョイと移動するさまは、中々に恐ろしい物がある。
「あそこだ。あそこが我らの里・バルデ=シュタットだ」
カーリンが指をさすが、そこには相変わらずの密林しか見えない。
「なんだい? 一体どこにあるって言うんだい?」
パメラ達が目を凝らすが、やはりどこにも見えない。
それは修斗も同じだが、修斗はこめかみを数回指で叩くと、何かを確認できたようだ。
「ああ、あれか。デカイ滝があるな」
「シュウト殿は本当に我らの理解の外に居るな。そうだ、ここからでは結界が張ってあって見えないんだ」
少し前進し、少し大きめの木の上に全員が集まった。
「ここで結界を抜ける儀式を行う。儀式といっても簡単だ、我らハイエルフの血液を額に付けるだけでいい」
そういうと3人のハイエルフは人差し指をナイフで刺し、順番に額に押し付けていく。
「俺は見えているから必要ないんじゃないのか?」
「シュウト殿、正式な手続きで里に案内したいのだ。受けてくれないだろうか」
そう言われては断る事も出来ず、修斗の額にも赤い印がつけられた。
全員の額に印がつけられ、カーリンは前を向き直ると左手を前に付きだす。
するとどうだろう、左腕は無くなってしまった。
怪我をしたわけではなく、恐らくは見えなくなっただけ、のようだ。
腕の切り口が導火線に火が付いたように光を放つと、ゆっくりと見えなくなっていた腕が現れる。
それと同時に見えなかったハイエルフの里が姿を現す。
「我がバルデ=シュタットの里へようこそ!」
「おお……おお~」
重鎮たちが感嘆の声を上げる。
周囲の密林とは違い、きちんと整備された森の中に道が数本あり、大きな木の上には家が建っている。
里の奥には大きな滝があり、見えなくなっていたが山がある様だ。
人間が手入れをしてもこうはならない、自然と暮らすエルフだからこそ、自然と調和した手入れが出来るのだろう。
「それでは長老の元へ案内する。こっちだ」
木から飛び降りて道を歩く。
どうやらこの場所は外の場所とは随分と形態が違うようだ。
小動物や犬・猫サイズの生き物が人間を恐れない。
かといって近づいてくることも無いのだ。時々小動物が遊びで近づくこともあるが。
そしてハイエルフの気配。
間違いなく複数名が一行を見ている事は間違いない。
しかし姿を現す事は無く、息をひそめて様子をうかがっているのだ。
排他的、その言葉が相応しい状況だ。
「ここだ、ここが長老の家だ」
着いた家は他の家と同じ、大きくもなければ小さくもない、なにも特別な所がない家。
この家も木の上に建っているが、階段もはしごもない。
やはりというか、ハイエルフの3人はジャンプして木の枝を数回移動し、建物に入る。
後を追って家の玄関らしい場所に着くと、そこには扉が無かった。
改めて家を見ると、窓には枠しかなく、家の中は吹きさらしになっている。
里の中では不要な物、という事だろうか。
「父上、ザナドゥ王国の方々をお連れしました。お目通りをお願いします」
玄関を通り奥の部屋へと進むと、そこには1人の男ハイエルフがイスに座り、テーブルに手を置いてお茶を飲んでいた。
やはり髪が長く端正な顔立ちをしている。年齢も他のハイエルフと変わりなく見える。
「カーリン、なぜ連れて来た」
随分と不機嫌そうに木製のコップを置くと、ハイエルフ3人を睨みつける。
少しバツが悪そうに目をそらすが、一呼吸おいて口を開く。
「父上、我ら3人、ザナドゥ王国から神を取り戻そうと奮起しましたが、力及ばず返り討ちにあってしまいました。お連れしなければ、この里は滅ぼされてしまうかもしれないのです」
「それは分かっている。この子供を見た瞬間から背筋が寒くてたまらん。よりにもよって、一体何を連れて来たのかと聞いているのだ」
「は? ザナドゥ王国の重鎮の方々ですが……」
「他の者はよい、理由は知らないが人間離れしている程度だ。そこの男の子だ、人間離れにも程があるぞ」
長老が指差したのは修斗だ。
全員が修斗を見るのだが、重鎮たちは驚く事もないが、ハイエルフ3人は細い目を見開いている。
「あのお父様? 流石にそれはシュウト殿に失礼なのでは?」
「かまわんさ、事実だからな。それで? 背筋が寒い男は俺をどうするつもりだ?」
「どうもしない。攻め入った我らを許してくれるのならば、出来ることは全て受け入れよう」
「なら話は早い。まずこの女カーリンは連れて行く。その上で、里にある面白そうなものは持って行く」
「好きにするといい」
「後はそうだな、ザナドゥ王国の属国になれ」
「……そのつもりだ」
少々長老の顔が曇る。
それはそうだろう、長い間ハイエルフの里は人間とは隔絶し、独自の文化を守ってきたのだから。
「後はそうだな……カイザーかロードを時々使いに出す。何かあれば伝えろ」
「その2人は人間か?」
「違う。伝説の古代龍と古代龍だ」
「!?!? 我らが神ではないか! まことに神を遣わせてくれるのか!?」
「ああ。後は特にない、好きにしろ」
長老が立ち上がり、修斗の前に来て両膝を付き、腕を胸の前でクロスさせて両肩を触る。
「ハイエルフの里バルデ=シュタットは、シュウト殿に、ザナドゥ王国に忠誠を誓う事を約束しよう」
一緒に居たハイエルフ3人も、長老と一緒に膝をつく。
一見修斗が優しさを見せたように見えるが、相手をどん底に落としておいて飴を与える、ハイエルフが勝負に負けたから従うのは当たり前なのだが、飴を与えることで反乱のリスクが大幅に減る事になる。
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