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第6章 ダンジョンから始まる世界交流
第244話 ビービレ国の王子
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ヤクシ達か弱い(?)3人の冒険者が塔を攻略している頃、実力差で打ちのめされたヨーゼフ達は塔を降りて、簡易冒険者ギルドへと来ていた。
52階まで進みはしたものの、それなりの実力があると思っていたら女3人の方が強く、自信を無くしてしまったのだ。
なので一時攻略を中止し、装備・作戦の見直しのために塔を降りたらしい。
「ヨーゼフ様、地図情報の提供とアイテムの鑑定をしよう」
「え? ああ、そうだったね、お金に変えれるものは変えないとね」
騎士風の男に言われ、受付で塔の情報と見つけたアイテムの鑑定をしている。
通常のアイテムならばステータスで見れるのだが、ダンジョンなどの宝箱にはステータスが隠されたものが存在する。
そういったものは鑑定士に見てもらわないと、内容が分からないのだ。
52階までの未確認情報で3G(30万円)、道中で見つけたアイテムを売って2G30S(23万円)だった。
そして不明アイテム4つの鑑定結果だが……200G(2千万円)だった。
「おめでとうございます! Bランクアクセサリー2つと、Aランクの防具1つ、Cランクの武器でした!」
受付嬢がカウンターに4つのアイテムを置くと、周囲からも歓声が上がる。
この塔、通称アンプルゾン・タワーでは、Cランク以上のアイテムが非常にたくさん発見されているが、Aランクはまだなかったのだ。
しかもアクセサリーでBランクというのは珍しく、実質Aランク相当となっていた。
「え? そんなに良い物だったんだ、コレ」
「ヨーゼフ様! バレない内にこの指輪を装備しろ! ステータスが全て3割も上がるぞ!」
「こちらのネックレスも凄いですね、姿が見えなくなるそうですよ!」
騎士風の男と魔法使いの女がはしゃいでいる。
ステータスが上がるアイテムは存在するが、基本的にどれか1つであり、全てのステータスが上がる物は公式には確認されていない。
修斗の嫁3人は倍になる指輪を持っているが、それの完全劣化版である。
Aランク防具は防具らしくない防具で、左手だけの革手袋だ。
一体何が珍しいのかというと、半物質化という効果が付いている。
そう、任意のタイミングで物理攻撃をすり抜ける事が出来る、まるで幽霊にでもなれるような防具なのだ。
ただ常に半物質化するのではなく、あくまでも意識的にコントロールするもので、いわゆる意識外・見えない攻撃はすり抜けられない。
とは言え規格外の品には間違いない。
言わなくてもいい事だが、これらは修斗が面白半分で作ったアイテムだ。
宿に戻り、6人は1つの部屋で話し合いを始めた。
「これはビックリだね、まさかこんな凄いのが出てくるなんてね」
「ヨーゼフ様、嫌だが国に報告しないといけないぞ」
「ルノーの言う通りです。Bランクアクセサリーなんて、私は初めて見ました」
「だよねぇ……52階でこれなら100階、200階は一体何がでるんだろ。でも国かぁ、ま、もうここに来てるんだけどね」
ヨーゼフが不思議な事を言うと、天井から1人の男が降りてきた。
この男はヨーゼフの国・ビービレの者で、ヨーゼフ達の様子を逐一国に報告しているのだ。
「王子、面白い物を見つけられましたね」
「偶然だよ、偶然。それにしても凄いアイテムが出て来たな~」
「陛下もお喜びになられるでしょう」
「で? これは持って行くの?」
「はい。価値のある物は全て回収せよとの命令です」
折角見つけた価値のあるアイテムだが、どうやら全て国に持って行かれるようだ。
ビービレ、大陸の西にある海を渡った先の国で、聖キルリアン教会と交易のある国だ。
本当は大戦後の混乱に乗じ、大陸へ攻め込むつもりだったのだが、聖キルリアン教会は大戦に参加せず、他の国も想像以上に復興が早かったため断念したのだ。
なので少しでも大陸にある貴重な物を奪ってやろう、という魂胆だ。
小さい考えだ。
渡されたアイテムを確認すると懐に仕舞い、天井裏へと戻る。
「もう少し頑張れば、陛下はヨーゼフ王子の事を認めるかもしれませんね。では健闘を祈ります」
それだけ言って男は姿を消した。
「ふん、父上が僕を認めるはずがないだろう。あーあ、下っ端の王子は辛いよ本当に」
「ヨーゼフ様、第31王子だからと気にする事は無いぞ」
「その通りです。何番目だろうと王子は王子なのですから」
騎士風の男ルノーと魔法使いの女リザは、慰めにもならない慰めの言葉をかける。
全員が分かっている事だが、ビービレ国の国王はヨーゼフを使い捨てるつもりだ。
死ぬ前に情報と良い物が手に入れば良い、その程度の感覚で大陸に派遣したのだ。
王位を継げるはずもなく、能力も高いわけでもないヨーゼフは、上の王子達の身代わりにすらならない立場であり、城ではなく小さな別荘に住んでいる。
そんなヨーゼフだが、ステータスには表示されない運が非常に高かったのだ。
52階まで進みはしたものの、それなりの実力があると思っていたら女3人の方が強く、自信を無くしてしまったのだ。
なので一時攻略を中止し、装備・作戦の見直しのために塔を降りたらしい。
「ヨーゼフ様、地図情報の提供とアイテムの鑑定をしよう」
「え? ああ、そうだったね、お金に変えれるものは変えないとね」
騎士風の男に言われ、受付で塔の情報と見つけたアイテムの鑑定をしている。
通常のアイテムならばステータスで見れるのだが、ダンジョンなどの宝箱にはステータスが隠されたものが存在する。
そういったものは鑑定士に見てもらわないと、内容が分からないのだ。
52階までの未確認情報で3G(30万円)、道中で見つけたアイテムを売って2G30S(23万円)だった。
そして不明アイテム4つの鑑定結果だが……200G(2千万円)だった。
「おめでとうございます! Bランクアクセサリー2つと、Aランクの防具1つ、Cランクの武器でした!」
受付嬢がカウンターに4つのアイテムを置くと、周囲からも歓声が上がる。
この塔、通称アンプルゾン・タワーでは、Cランク以上のアイテムが非常にたくさん発見されているが、Aランクはまだなかったのだ。
しかもアクセサリーでBランクというのは珍しく、実質Aランク相当となっていた。
「え? そんなに良い物だったんだ、コレ」
「ヨーゼフ様! バレない内にこの指輪を装備しろ! ステータスが全て3割も上がるぞ!」
「こちらのネックレスも凄いですね、姿が見えなくなるそうですよ!」
騎士風の男と魔法使いの女がはしゃいでいる。
ステータスが上がるアイテムは存在するが、基本的にどれか1つであり、全てのステータスが上がる物は公式には確認されていない。
修斗の嫁3人は倍になる指輪を持っているが、それの完全劣化版である。
Aランク防具は防具らしくない防具で、左手だけの革手袋だ。
一体何が珍しいのかというと、半物質化という効果が付いている。
そう、任意のタイミングで物理攻撃をすり抜ける事が出来る、まるで幽霊にでもなれるような防具なのだ。
ただ常に半物質化するのではなく、あくまでも意識的にコントロールするもので、いわゆる意識外・見えない攻撃はすり抜けられない。
とは言え規格外の品には間違いない。
言わなくてもいい事だが、これらは修斗が面白半分で作ったアイテムだ。
宿に戻り、6人は1つの部屋で話し合いを始めた。
「これはビックリだね、まさかこんな凄いのが出てくるなんてね」
「ヨーゼフ様、嫌だが国に報告しないといけないぞ」
「ルノーの言う通りです。Bランクアクセサリーなんて、私は初めて見ました」
「だよねぇ……52階でこれなら100階、200階は一体何がでるんだろ。でも国かぁ、ま、もうここに来てるんだけどね」
ヨーゼフが不思議な事を言うと、天井から1人の男が降りてきた。
この男はヨーゼフの国・ビービレの者で、ヨーゼフ達の様子を逐一国に報告しているのだ。
「王子、面白い物を見つけられましたね」
「偶然だよ、偶然。それにしても凄いアイテムが出て来たな~」
「陛下もお喜びになられるでしょう」
「で? これは持って行くの?」
「はい。価値のある物は全て回収せよとの命令です」
折角見つけた価値のあるアイテムだが、どうやら全て国に持って行かれるようだ。
ビービレ、大陸の西にある海を渡った先の国で、聖キルリアン教会と交易のある国だ。
本当は大戦後の混乱に乗じ、大陸へ攻め込むつもりだったのだが、聖キルリアン教会は大戦に参加せず、他の国も想像以上に復興が早かったため断念したのだ。
なので少しでも大陸にある貴重な物を奪ってやろう、という魂胆だ。
小さい考えだ。
渡されたアイテムを確認すると懐に仕舞い、天井裏へと戻る。
「もう少し頑張れば、陛下はヨーゼフ王子の事を認めるかもしれませんね。では健闘を祈ります」
それだけ言って男は姿を消した。
「ふん、父上が僕を認めるはずがないだろう。あーあ、下っ端の王子は辛いよ本当に」
「ヨーゼフ様、第31王子だからと気にする事は無いぞ」
「その通りです。何番目だろうと王子は王子なのですから」
騎士風の男ルノーと魔法使いの女リザは、慰めにもならない慰めの言葉をかける。
全員が分かっている事だが、ビービレ国の国王はヨーゼフを使い捨てるつもりだ。
死ぬ前に情報と良い物が手に入れば良い、その程度の感覚で大陸に派遣したのだ。
王位を継げるはずもなく、能力も高いわけでもないヨーゼフは、上の王子達の身代わりにすらならない立場であり、城ではなく小さな別荘に住んでいる。
そんなヨーゼフだが、ステータスには表示されない運が非常に高かったのだ。
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