13 / 117
俺
13 お母様の家だっけ?
しおりを挟む
「1度ディライト家に挨拶に行きなさいと、ルシリア様に言われたのよ」
「お母様の家だっけ?」
俺はお上品な言葉を練習中。なのでちょっと変でも許してほしい!
「ええ、ルシリア様の領地は南の方で逆に向かうのだけれども、やはり貴族は色々あるのよ」
「そうなんだ。俺たちは大丈夫だよ」
全員頷く。何せ家財道具一式、俺が持ってきてるからね!このアイテムボックスすげーや!だから手持ちの荷物もほとんどなくて楽ちんなんだぜ!
食べ物も満タン!でも現金がないから……俺のガラス細工が売れればなー!
支度金というかたちで爺ちゃまから貰ったお金を駆使して、お母様のお父様の住む領地へ向かった。
先に手紙は出したらしいがどうなるかは分からない。
「挨拶したら、すぐルシリア様の所に行きましょう。」
お母様は自分の両親より、ルシリア様に恩義を感じてるからね。まあ、俺たちもそうだけど。
辻馬車にガタゴト揺られ、道を進む。騒ぐ下の子を静かにさせつつ、お母様特製のりんごパンを同乗した人達に袖の下しておく。
美味しいから食べてねー!焼き立てには劣るけど、ちゃんと保管してあったから、まだふわふわだよ!
りんごパンを渡す前
「っちっ!ガキと一緒とか、ついてねーぜ!煩え!」
りんごパン渡し後
「いやあ!子供はこれくらい元気がなくちゃなあ!はっはっは!」
りんごパン、つよし!俺たちは快適にお母様の実家、つまりはお爺様のお屋敷の前についた。
「でかい家だ……」
「……もう戻る事はないと思ったのにね」
お母様は嬉しそうじゃなかった。追い出された事を思い出しているんだろうか……。
「シュリ……」
父さんの事を思い出していただけでした!
「貴方がいたから、この屋敷にも素敵な思い出が残っているわ……」
流石お母様だった。
少しだけ門の所にいると、中から人が現れ、開けてくれた。
「アマリリー様」
「その名は捨てさせられました。わたしはただのリリー。平民ですがここのご主人とは面識がありまして、ひとこと挨拶にだけ伺いました」
お母様!かっこいい!それでも俺たちは全員お屋敷に通された。キョロキョロしながら、お母様の後ろに付いて歩く。
部屋に通されると、中にはまだ若そうな男の人がいた。お爺様じゃないね?
「……しばらく見ないうちに美しくなったなアマリリー」
「……ジュディウス様、貴方が現当主なのですか?」
「……もう兄とは呼んでくれないのだね」
「何を仰っているか分かりません」
口調こそ丁寧だが、お母様の目は鋭い。木こりの妻から、油断ない貴族夫人になったようだ。
「あの時、確かにこの家でアマリリーの味方になったのはシュリだけだった」
遠くを思い出すように語るおじさんは、多分正しく血縁的に伯父さんなんだろう。
「しかし、私達も……いや、良そう。全て終わったことだ」
「そうですね。終わった事なのです」
なにが終わったのか、俺には分からない。終わったと名前をつけて、過去を閉じ込め、新しい関係に進もうとしているのか。
俺はどうもお母様の親戚筋は好きになれそうもなかった。
「ゆっくりしていかれよ」
嫌な予感しかしない。
「お母様の家だっけ?」
俺はお上品な言葉を練習中。なのでちょっと変でも許してほしい!
「ええ、ルシリア様の領地は南の方で逆に向かうのだけれども、やはり貴族は色々あるのよ」
「そうなんだ。俺たちは大丈夫だよ」
全員頷く。何せ家財道具一式、俺が持ってきてるからね!このアイテムボックスすげーや!だから手持ちの荷物もほとんどなくて楽ちんなんだぜ!
食べ物も満タン!でも現金がないから……俺のガラス細工が売れればなー!
支度金というかたちで爺ちゃまから貰ったお金を駆使して、お母様のお父様の住む領地へ向かった。
先に手紙は出したらしいがどうなるかは分からない。
「挨拶したら、すぐルシリア様の所に行きましょう。」
お母様は自分の両親より、ルシリア様に恩義を感じてるからね。まあ、俺たちもそうだけど。
辻馬車にガタゴト揺られ、道を進む。騒ぐ下の子を静かにさせつつ、お母様特製のりんごパンを同乗した人達に袖の下しておく。
美味しいから食べてねー!焼き立てには劣るけど、ちゃんと保管してあったから、まだふわふわだよ!
りんごパンを渡す前
「っちっ!ガキと一緒とか、ついてねーぜ!煩え!」
りんごパン渡し後
「いやあ!子供はこれくらい元気がなくちゃなあ!はっはっは!」
りんごパン、つよし!俺たちは快適にお母様の実家、つまりはお爺様のお屋敷の前についた。
「でかい家だ……」
「……もう戻る事はないと思ったのにね」
お母様は嬉しそうじゃなかった。追い出された事を思い出しているんだろうか……。
「シュリ……」
父さんの事を思い出していただけでした!
「貴方がいたから、この屋敷にも素敵な思い出が残っているわ……」
流石お母様だった。
少しだけ門の所にいると、中から人が現れ、開けてくれた。
「アマリリー様」
「その名は捨てさせられました。わたしはただのリリー。平民ですがここのご主人とは面識がありまして、ひとこと挨拶にだけ伺いました」
お母様!かっこいい!それでも俺たちは全員お屋敷に通された。キョロキョロしながら、お母様の後ろに付いて歩く。
部屋に通されると、中にはまだ若そうな男の人がいた。お爺様じゃないね?
「……しばらく見ないうちに美しくなったなアマリリー」
「……ジュディウス様、貴方が現当主なのですか?」
「……もう兄とは呼んでくれないのだね」
「何を仰っているか分かりません」
口調こそ丁寧だが、お母様の目は鋭い。木こりの妻から、油断ない貴族夫人になったようだ。
「あの時、確かにこの家でアマリリーの味方になったのはシュリだけだった」
遠くを思い出すように語るおじさんは、多分正しく血縁的に伯父さんなんだろう。
「しかし、私達も……いや、良そう。全て終わったことだ」
「そうですね。終わった事なのです」
なにが終わったのか、俺には分からない。終わったと名前をつけて、過去を閉じ込め、新しい関係に進もうとしているのか。
俺はどうもお母様の親戚筋は好きになれそうもなかった。
「ゆっくりしていかれよ」
嫌な予感しかしない。
70
あなたにおすすめの小説
嘘はいっていない
コーヤダーイ
BL
討伐対象である魔族、夢魔と人の間に生まれた男の子サキは、半分の血が魔族ということを秘密にしている。しかしサキにはもうひとつ、転生者という誰にも言えない秘密があった。
バレたら色々面倒そうだから、一生ひっそりと地味に生きていく予定である。
寄るな。触るな。近付くな。
きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。
頭を打って?
病気で生死を彷徨って?
いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。
見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。
シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。
しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。
ーーーーーーーーーーー
初めての投稿です。
結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。
※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
転生して王子になったボクは、王様になるまでノラリクラリと生きるはずだった
angel
BL
つまらないことで死んでしまったボクを不憫に思った神様が1つのゲームを持ちかけてきた。
『転生先で王様になれたら元の体に戻してあげる』と。
生まれ変わったボクは美貌の第一王子で兄弟もなく、将来王様になることが約束されていた。
「イージーゲームすぎね?」とは思ったが、この好条件をありがたく受け止め
現世に戻れるまでノラリクラリと王子様生活を楽しむはずだった…。
完結しました。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜
隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。
目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。
同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります!
俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ!
重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ)
注意:
残酷な描写あり
表紙は力不足な自作イラスト
誤字脱字が多いです!
お気に入り・感想ありがとうございます。
皆さんありがとうございました!
BLランキング1位(2021/8/1 20:02)
HOTランキング15位(2021/8/1 20:02)
他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00)
ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。
いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!
龍は精霊の愛し子を愛でる
林 業
BL
竜人族の騎士団団長サンムーンは人の子を嫁にしている。
その子は精霊に愛されているが、人族からは嫌われた子供だった。
王族の養子として、騎士団長の嫁として今日も楽しく自由に生きていく。
妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。
藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。
妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、
彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。
だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、
なぜかアラン本人に興味を持ち始める。
「君は、なぜそこまで必死なんだ?」
「妹のためです!」
……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。
妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。
ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。
そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。
断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。
誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる