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打倒!元実家!
97 とうとう貴族
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「ギアナ殿、聞いてほしい」
「あー城にステンドグラスは無理だよ、エイムド王子。あれはまだリトにしか作れない。リトは今、神殿の方をちょっとづつ作ってる。城まで手が回らんよ」
「やはりか。父上には伝えておくよ」
「だが、こんなものはある」
ギアナは手のひらに乗るくらいの大きさの四角いものをエイムドの机に乗せる。ステンドグラスの技法を取り入れた大ぶりなガラスタイルだ。
「これを並べれば似たような雰囲気は出せる。本物とは比べ物にならないくらいちゃちだがな」
それでも光に透かせばとても美しい。
「単純な線のものは安いし、花のような曲線を使ったものはこれでもかなりの値段になる」
「このままでも素晴らしいな」
高いぞ?と言ってから
「リトはこれをこのまま使ってもいいかもと提案している。紙を飛ばないように抑えたり、コップの下にひいてみるとか。俺はこのまま飾り物として、2.3個セットにして次の建国祭の貴賓の土産にすることを推す」
エイムド王子は頭を抱えた。
「支払額はいくらになっている……?」
「前のクリスタルガラスのシャンデリアの代金も丸々もらってねーなー?」
「良い物を作りすぎだ」
「リトに言え。コレの技法でアクセサリーを作るって言ってたぞ」
とうとう椅子から立ち上がった。
「また!母上と妹にせがまれるだろう!やめてくれ!」
「すまんな、もう試作品を渡してきた」
ああああ!絶望的な声を上げる。そんな様子を見てギアナは声をかけた。
「王子様よ、俺はそろそろアレを買うぞ。あの家の遅さにはほとほと愛想が尽きた。こっちがいつまでも待つと思っているのか?本当に腹が立つし、話が進まない」
「アレとはなんだ?ギアナ殿」
「爵位だよ、爵位。ホラ売ってよこせ。はずれの方にいるシェルブール侯爵のじーちゃんとばーちゃん。あそこの養子に俺がなるから書類にハンコくれや」
「は?」
ぺろり、と机の上に置かれた書類には、もうだいぶ前に中央から離れたシェルブール侯爵のサインが入って全く不備なく揃っているものが提出された。
「え?」
「もうだいぶ前からじーちゃんとばーちゃんはうちのタウンハウスで暮らしてるぞ?しばらくしたらまた田舎に引っ込むって言ってるけど、久しぶりの都会は楽しいって二人であちこちでかけてる」
「シェ、シェルブール侯爵といえば、ルアン・シェルブールはどうした?」
「娼婦と駆け落ちして、4年前に廃嫡したって言ってたぞ。跡継ぎが居なくて困ってたってよ。俺が爵位くれって言ったらこの後の面倒みてくれるなら、って二つ返事だったが?」
王子は人を呼び、書類を確かめる。確かにその旨の書類は提出されていた。
「本当だ……今まで気が付かなかった。シェルブール侯爵には申し訳ないことをしたな。ギアナ殿が行くまで不安な暮らしだったろうに。王子として恥ずかしい、すぐに手続きしよう」
「ああ、これからは俺の事をギアナ・シェルブール侯爵と呼んでくれ……ムズムズするな!」
「とうとうギアナ殿もウィシュバーグの貴族か」
ギアナから提出された書類にカリカリとサインをし、すぐに係に回す。ギアナが王城を後にする前に承認されるだろう。
「爵位はディライトから取り上げるつもりだったんだが……あいつら本当にどうするつもりなんだろう」
「私もあの一家を庇う気もおきんよ。そして父上も君とリト君の方がお気に入りだ。……母上も、妹もな」
「そのつもりで破格で色々売ったんだからな!」
だろうなぁとエイムドはもう笑うしかないといってギアナを見上げる。
「ま、ステンドタイルの注文があるならお早めに。まだ市場に出してないが、要らないなら流すから」
「300くれ……少し負けてくれよ?」
「毎度ありー!」
ギアナはホクホクと帰ってゆく。今日は仕事を早く切り上げて、侯爵おめでとうパーティをする予定なのだから。
「あー城にステンドグラスは無理だよ、エイムド王子。あれはまだリトにしか作れない。リトは今、神殿の方をちょっとづつ作ってる。城まで手が回らんよ」
「やはりか。父上には伝えておくよ」
「だが、こんなものはある」
ギアナは手のひらに乗るくらいの大きさの四角いものをエイムドの机に乗せる。ステンドグラスの技法を取り入れた大ぶりなガラスタイルだ。
「これを並べれば似たような雰囲気は出せる。本物とは比べ物にならないくらいちゃちだがな」
それでも光に透かせばとても美しい。
「単純な線のものは安いし、花のような曲線を使ったものはこれでもかなりの値段になる」
「このままでも素晴らしいな」
高いぞ?と言ってから
「リトはこれをこのまま使ってもいいかもと提案している。紙を飛ばないように抑えたり、コップの下にひいてみるとか。俺はこのまま飾り物として、2.3個セットにして次の建国祭の貴賓の土産にすることを推す」
エイムド王子は頭を抱えた。
「支払額はいくらになっている……?」
「前のクリスタルガラスのシャンデリアの代金も丸々もらってねーなー?」
「良い物を作りすぎだ」
「リトに言え。コレの技法でアクセサリーを作るって言ってたぞ」
とうとう椅子から立ち上がった。
「また!母上と妹にせがまれるだろう!やめてくれ!」
「すまんな、もう試作品を渡してきた」
ああああ!絶望的な声を上げる。そんな様子を見てギアナは声をかけた。
「王子様よ、俺はそろそろアレを買うぞ。あの家の遅さにはほとほと愛想が尽きた。こっちがいつまでも待つと思っているのか?本当に腹が立つし、話が進まない」
「アレとはなんだ?ギアナ殿」
「爵位だよ、爵位。ホラ売ってよこせ。はずれの方にいるシェルブール侯爵のじーちゃんとばーちゃん。あそこの養子に俺がなるから書類にハンコくれや」
「は?」
ぺろり、と机の上に置かれた書類には、もうだいぶ前に中央から離れたシェルブール侯爵のサインが入って全く不備なく揃っているものが提出された。
「え?」
「もうだいぶ前からじーちゃんとばーちゃんはうちのタウンハウスで暮らしてるぞ?しばらくしたらまた田舎に引っ込むって言ってるけど、久しぶりの都会は楽しいって二人であちこちでかけてる」
「シェ、シェルブール侯爵といえば、ルアン・シェルブールはどうした?」
「娼婦と駆け落ちして、4年前に廃嫡したって言ってたぞ。跡継ぎが居なくて困ってたってよ。俺が爵位くれって言ったらこの後の面倒みてくれるなら、って二つ返事だったが?」
王子は人を呼び、書類を確かめる。確かにその旨の書類は提出されていた。
「本当だ……今まで気が付かなかった。シェルブール侯爵には申し訳ないことをしたな。ギアナ殿が行くまで不安な暮らしだったろうに。王子として恥ずかしい、すぐに手続きしよう」
「ああ、これからは俺の事をギアナ・シェルブール侯爵と呼んでくれ……ムズムズするな!」
「とうとうギアナ殿もウィシュバーグの貴族か」
ギアナから提出された書類にカリカリとサインをし、すぐに係に回す。ギアナが王城を後にする前に承認されるだろう。
「爵位はディライトから取り上げるつもりだったんだが……あいつら本当にどうするつもりなんだろう」
「私もあの一家を庇う気もおきんよ。そして父上も君とリト君の方がお気に入りだ。……母上も、妹もな」
「そのつもりで破格で色々売ったんだからな!」
だろうなぁとエイムドはもう笑うしかないといってギアナを見上げる。
「ま、ステンドタイルの注文があるならお早めに。まだ市場に出してないが、要らないなら流すから」
「300くれ……少し負けてくれよ?」
「毎度ありー!」
ギアナはホクホクと帰ってゆく。今日は仕事を早く切り上げて、侯爵おめでとうパーティをする予定なのだから。
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