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14 思いがけぬ地での再会
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「アイリーン!ああ、こんなにやつれて……苦労かけさせてすまない、すまない……」
「アイリーン!アイリ!可愛い娘!救い出せなくてごめんなさい……ああ、シュマイゼル王よ、娘を助けてくださり誠にありがとうございます!」
「お、お父様……お母様……?!」
なんとわたくしが着いてすぐにお父様とお母様がマルグ国の王城に現れたのです。家はどうなったのでしょう?!伯爵と言う地位をいただいていたはずなのに、一体……??
「私達が思い切れなかったばっかりにお前に苦労をかけてしまった……。10歳の時に拐われる様に王家に連れて行かれ、今まで殆ど会う事も出来ず……」
そうなのです。わたくしはエルファード様との婚約が決まるとそのまま王城から帰ることが出来なくなっていたのでした。
表向きは婚約者として王子妃教育が忙しいからですが、わたくしにまで逃げられたらエルファード様に「次の婚約者」は難しいと判断され、万が一にもわたくしが逃げない様にと監視をされていたのです。
ですから学園にも王城から通いました……とても窮屈な生活でしたが、王命に逆らえないのは貴族ならば致し方ない事だと諦めておりました。
「あ、あのお二人とも家や領地はいかがなさいました……?お二人揃って国外など。執事のマーセルに任せて来たのですか?」
「お嬢様!マーセルもここにいますぞ。ああ、立派になられて……じいは、じいは嬉しゅうございます!」
お父様を支えてくれる執事のマーセルまで一緒に来ている?すると家には誰が?弟のフレジットでしょうか?
「姉上ぇ……!」
少々甘えが目立つ性格のフレジットが涙目で祈るようにわたくしを見ています。もしや本当にエルファード様はわたくしの実家をナザール国より追い出したのでしょうか……なんと酷い。
「こうやってさっさとあんな国、捨ててしまえばアイリーンにこんな苦労をかけることなんてなかったのだ。領民には申し訳ないが、私も人の子の親だ、いくつになっても子供は可愛い」
「お父様、では誰が一体ハイランド伯爵家を預かっているのですか?」
「アイーダの弟の妻の弟とか言う人が名乗りを上げたよ。彼ほど遠ければエルファード王の怒りも薄かろう」
アイーダはお母様のお名前です。お母様も伯爵家の出ですが、お母様の弟の妻の弟……確かジアニス子爵家の次男の方だったような……?秀でた業績を聞いたことはないと思いますが、無名故にエルファード様の怒りは降り注がないかもしれませんね。
「貴女を王家に取られてから……色々手を尽くしてきましたが、本当に遅くなってごめんなさい。貴女が辛い時に側に居てあげられなくてごめんなさい……アイリーン」
「おかあ……さま」
分かっています、わかっていますよ。お二人はできる範囲でわたくしの為に手を尽くしてくれた事は。
そのおかげでローランドが宰相に立ってくれ、たくさん助けられました。ヴィッツも警備や安全の面で穴だらけで予算ばかり欲する騎士団を導いてくれました。
ソリオ料理長が居なければエルファード様は今の倍の体重になっていたでしょうし、わたくしとレンブラントは彼の甘味にとても助けられました。
「遅いかもしれないが、抱きしめても良いだろうか、アイリーン。苦労したね、そしてとても頑張ったね……君はとても美しく賢い、そしてとても優しい私達の自慢の娘だよ」
「お父様……お母様……う、うう……ううう……あ、あり、ありがとう、ございます……」
この年になって恥ずかしいのですが、わたくしはお父様とお母様の腕で泣いてしまったのでした。
「アイリーン!アイリ!可愛い娘!救い出せなくてごめんなさい……ああ、シュマイゼル王よ、娘を助けてくださり誠にありがとうございます!」
「お、お父様……お母様……?!」
なんとわたくしが着いてすぐにお父様とお母様がマルグ国の王城に現れたのです。家はどうなったのでしょう?!伯爵と言う地位をいただいていたはずなのに、一体……??
「私達が思い切れなかったばっかりにお前に苦労をかけてしまった……。10歳の時に拐われる様に王家に連れて行かれ、今まで殆ど会う事も出来ず……」
そうなのです。わたくしはエルファード様との婚約が決まるとそのまま王城から帰ることが出来なくなっていたのでした。
表向きは婚約者として王子妃教育が忙しいからですが、わたくしにまで逃げられたらエルファード様に「次の婚約者」は難しいと判断され、万が一にもわたくしが逃げない様にと監視をされていたのです。
ですから学園にも王城から通いました……とても窮屈な生活でしたが、王命に逆らえないのは貴族ならば致し方ない事だと諦めておりました。
「あ、あのお二人とも家や領地はいかがなさいました……?お二人揃って国外など。執事のマーセルに任せて来たのですか?」
「お嬢様!マーセルもここにいますぞ。ああ、立派になられて……じいは、じいは嬉しゅうございます!」
お父様を支えてくれる執事のマーセルまで一緒に来ている?すると家には誰が?弟のフレジットでしょうか?
「姉上ぇ……!」
少々甘えが目立つ性格のフレジットが涙目で祈るようにわたくしを見ています。もしや本当にエルファード様はわたくしの実家をナザール国より追い出したのでしょうか……なんと酷い。
「こうやってさっさとあんな国、捨ててしまえばアイリーンにこんな苦労をかけることなんてなかったのだ。領民には申し訳ないが、私も人の子の親だ、いくつになっても子供は可愛い」
「お父様、では誰が一体ハイランド伯爵家を預かっているのですか?」
「アイーダの弟の妻の弟とか言う人が名乗りを上げたよ。彼ほど遠ければエルファード王の怒りも薄かろう」
アイーダはお母様のお名前です。お母様も伯爵家の出ですが、お母様の弟の妻の弟……確かジアニス子爵家の次男の方だったような……?秀でた業績を聞いたことはないと思いますが、無名故にエルファード様の怒りは降り注がないかもしれませんね。
「貴女を王家に取られてから……色々手を尽くしてきましたが、本当に遅くなってごめんなさい。貴女が辛い時に側に居てあげられなくてごめんなさい……アイリーン」
「おかあ……さま」
分かっています、わかっていますよ。お二人はできる範囲でわたくしの為に手を尽くしてくれた事は。
そのおかげでローランドが宰相に立ってくれ、たくさん助けられました。ヴィッツも警備や安全の面で穴だらけで予算ばかり欲する騎士団を導いてくれました。
ソリオ料理長が居なければエルファード様は今の倍の体重になっていたでしょうし、わたくしとレンブラントは彼の甘味にとても助けられました。
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「お父様……お母様……う、うう……ううう……あ、あり、ありがとう、ございます……」
この年になって恥ずかしいのですが、わたくしはお父様とお母様の腕で泣いてしまったのでした。
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