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67 ありがたく使わせて貰う(騎士団長クロード視点)
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騎士団の面々は騎士団長であるクロードも含め、困っていた。
「特別予算である、好きに使いたまえ。これも全てこの私、レジム公爵の采配によるものだ。ありがたく受け取るがいい」
「……はあ……」
確かにクロードは金を受け取った、しかも少なくない金額である。だが特別予算と言われても何に対する特別予算なのかこの偉そうな公爵は言わない。
「……ありがたく頂戴致します」
くれるというのなら貰わない訳にはいかないし、この公爵が何のために金を持ってきたのか。その理由はおしゃべりなメイドが教えてくれていた。
「なんでも、レジム公爵って人が、武官と文官を仲良くさせるようにって陛下から命令を受けたそうなんですよ。でも、ディエス様曰く「実際は期待してない」らしいです。どうもあまりに無礼なので陛下が……あっ!なんでもないです!」
金でも渡しておけば何とかなる、と思っている公爵だ、みたいなことまで言っていたからそれだな、と内心納得した。何せ確かにまとまった額だが、騎士団全員にいきわたらせるには足りない。せいぜい団ごとに備品を買い替えたりするくらいか?それでも最高級の武具を買うには足りないだろう。
「はっはっは!私に感謝してありがたく使うがよい。ではな」
「はあ、ありがとうございます」
何故、公爵に感謝しなければならないのか。これが陛下の命令で行っている政策なら、感謝するならば陛下にだろう。色々な事を考慮した結果、クロードは機嫌よく去ってゆくレジム公爵の背中を見送って
「あれは駄目だ」
と、早々に切り捨てた。金は各団長に配分し
「皆には極秘で伝えてあるが、今年の夏は「例の現象」が起こる可能性が高い。全部署、間違いなく予算を削られるだろうからこの金で消耗品や備品の不備を今のうちに直しておくように」
「はっ!」
レジム公爵の思いや考えとは別だが、有効に利用されていった。
「それにしても……」
クロードの手元には食べ残した雑穀クッキーがまだ数枚残っていた。
「こ、これは……業務ですし!?」
「あ、ああ……め、命令だもんな」
二人で互いに食べさせ合ったこの菓子の味はよく覚えていないが、とても甘かったような気がする。
「あ、あー……ん」
「あああああーーーー!」
「ちょ、それちが……馬鹿やめ……あっ!」
あの日、手から吹き飛ばしてしまったはずのクッキーが次の日には綺麗に片付けられていた事とか、何故か資料室に立派な……大人が二人乗っても壊れないような簡易ではないベッドが設置されているかとか不思議な事はたくさんあったが、どれもこれも「今まで」ではありえなかった事だ。
「側妃……ディエス様、「アイリスの君」か……」
そう言えば自分の「白百合の君」も好意的な目で見ていたことを思い出す。
「かの方は知識が豊富だ。あれが「無能」なら世界の人間のほとんど……例えば私ですら「無能」になってしまうな。それでいて慈悲深く……陛下を愛していらっしゃる」
「そうなのか」
「……見れば分かるだろう?あの陛下が熱のある目で見ていて、信頼も置いている、愛し合っていらっしゃる」
「……それは何とも……羨ましいな」
本音が漏れてしまう。公に出来ない自分達と比べてしまう……仕方がない事だ。皇帝は男の側妃を持つ事を認められている。
「言うな」
たった短い逢瀬でも満足しなくては。それが一番良い事だから。
「特別予算である、好きに使いたまえ。これも全てこの私、レジム公爵の采配によるものだ。ありがたく受け取るがいい」
「……はあ……」
確かにクロードは金を受け取った、しかも少なくない金額である。だが特別予算と言われても何に対する特別予算なのかこの偉そうな公爵は言わない。
「……ありがたく頂戴致します」
くれるというのなら貰わない訳にはいかないし、この公爵が何のために金を持ってきたのか。その理由はおしゃべりなメイドが教えてくれていた。
「なんでも、レジム公爵って人が、武官と文官を仲良くさせるようにって陛下から命令を受けたそうなんですよ。でも、ディエス様曰く「実際は期待してない」らしいです。どうもあまりに無礼なので陛下が……あっ!なんでもないです!」
金でも渡しておけば何とかなる、と思っている公爵だ、みたいなことまで言っていたからそれだな、と内心納得した。何せ確かにまとまった額だが、騎士団全員にいきわたらせるには足りない。せいぜい団ごとに備品を買い替えたりするくらいか?それでも最高級の武具を買うには足りないだろう。
「はっはっは!私に感謝してありがたく使うがよい。ではな」
「はあ、ありがとうございます」
何故、公爵に感謝しなければならないのか。これが陛下の命令で行っている政策なら、感謝するならば陛下にだろう。色々な事を考慮した結果、クロードは機嫌よく去ってゆくレジム公爵の背中を見送って
「あれは駄目だ」
と、早々に切り捨てた。金は各団長に配分し
「皆には極秘で伝えてあるが、今年の夏は「例の現象」が起こる可能性が高い。全部署、間違いなく予算を削られるだろうからこの金で消耗品や備品の不備を今のうちに直しておくように」
「はっ!」
レジム公爵の思いや考えとは別だが、有効に利用されていった。
「それにしても……」
クロードの手元には食べ残した雑穀クッキーがまだ数枚残っていた。
「こ、これは……業務ですし!?」
「あ、ああ……め、命令だもんな」
二人で互いに食べさせ合ったこの菓子の味はよく覚えていないが、とても甘かったような気がする。
「あ、あー……ん」
「あああああーーーー!」
「ちょ、それちが……馬鹿やめ……あっ!」
あの日、手から吹き飛ばしてしまったはずのクッキーが次の日には綺麗に片付けられていた事とか、何故か資料室に立派な……大人が二人乗っても壊れないような簡易ではないベッドが設置されているかとか不思議な事はたくさんあったが、どれもこれも「今まで」ではありえなかった事だ。
「側妃……ディエス様、「アイリスの君」か……」
そう言えば自分の「白百合の君」も好意的な目で見ていたことを思い出す。
「かの方は知識が豊富だ。あれが「無能」なら世界の人間のほとんど……例えば私ですら「無能」になってしまうな。それでいて慈悲深く……陛下を愛していらっしゃる」
「そうなのか」
「……見れば分かるだろう?あの陛下が熱のある目で見ていて、信頼も置いている、愛し合っていらっしゃる」
「……それは何とも……羨ましいな」
本音が漏れてしまう。公に出来ない自分達と比べてしまう……仕方がない事だ。皇帝は男の側妃を持つ事を認められている。
「言うな」
たった短い逢瀬でも満足しなくては。それが一番良い事だから。
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