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22 ルゼンはハッピー
「嘘、嘘でしょう……? 」
「……」
侍女は目を合わせず俯いた。なぜなら彼女が聞いて来た真実に間違いはないのだから。
「え……?これからもうお買い物はこれっぽっちしかできないの?」
これっぽっち、そうアイラは言うがかなりの量を買い付けている。溢れるほどのドレスは毎月新しいものを何着も作らせていたし、それに見合う装飾品も然り。美味しいと聞けばどんな菓子も取り寄せるし、面白いと聞けば本も取り寄せ、音楽家を招くこともあった。
「そんなはず、ないわよね……?」
側妃であれば、厳しい決まりごとに縛られている。国を代表する女性としてやってはいけないこと、守らねばならない品位や厳しい所作など。それに飽き飽きしたアイラは王族を辞め、下ることを決めたのだ。
「ま、まあ私がまいる公爵様も大変お金持ちの方だと聞き及んでいますし……公爵様ならばきっと大丈夫ね」
当然アイラは知らない。自分がどれほどお金を使っていたか。双子がどれほど愛してもくれない母親のためにお金を用立てていたか……。
「そ、そうでございますね……」
侍女は無責任にアイラの言葉に追従するしかできない。金銭感覚の壊れた女主人に仕えている侍女も金銭感覚が狂っているのだから。
もうすぐ見えてくる現実に震えても、どうしようもできないのだが。
「やぁ~いくら母上が使っていたかなど知らんのでござる~」
「我々用にプールしている金額から溢れた分を適当に振り分けてくれぇとお願いしていましての?どれくらい溢れていたかは知らんのですが、国の為、城のために使っておったみたいですぞー」
「金銭感覚が杜撰です」
「ほっといて欲しいですぞ!」
がはは、と品悪く笑う双子の家の応接室には双子と、オルウィン団長とレイクリフ副団長。そしてフィフナーから急いでやって来たワール商会頭取のワールがやっぱり品悪く笑っていた。
「いやあ、豪快というべきでしょうぞ!流石リキュシュ王子とマシェッツ王子!そういえばこの部屋に装飾品が少ないですね、是非何か飾らせてくださいよ。もちろん無料でお持ちしますよ?」
「駄目なんでござる。飾り物を増やすと掃除を手伝ってくれる騎士殿達が壊しちゃうでござる」
「メイドちゃんもいるんでござるがねえ。このお屋敷広いでござろう?手が回らんでござる、断捨離でござるよ」
「壊れたら新しいのを飾れば良いのですぞ!」
「おーーー!流石ワール氏!いうことが太っ腹でござるなあ!」
オルウィンとレイクリフはワール商会の頭取がだいぶ双子に毒されていることを知って暖かい目で見守る事にした。とにかく楽しそうだからそれで良いんだと、自分達に言い聞かせたのだ。
「では今月からこちらに売り上げは入れさせてもらいますね」
「お願いするでござるよ~。あ、こっちでもフィフナーと一緒にしたいんで、オル団長、手続して貰っていいでござるかな?」
「ええと……?」
「城の管財部か何かに我々用の預金をしておいて貰いたいのです。そこから溢れたお金は好きに使ってもらって結構ですから」
「……は?」
ワール商会から今月の売上金の報告書を手渡され、オルウィンは目を白黒させた。確かに双子が預金として取っておいて欲しいという金額も大きかったが、毎月ワール商会からこれだけのお金が何もせずに入ってくる。その事実だけで眩暈を覚える。
「こ、こんなに……?」
「ええ、でもこれは今までの半分ですよね」
双子は頷くが渋い顔もしている。
「そうなんでござるよ……オルドラ氏がどうも我々との約束を忘れておるようでござってなあ……」
「ワール商会と同じ量をオルドラ商会にも卸していたから、同じだけ売り上げがあったんでござるがなあ……」
「オルドラ氏、我々との約束を忘れちゃったかなあ」
「暫くは様子見でござるが、我々の不信感は広がりますなあ……」
切磋琢磨してきたワール商会とオルドラ商会だが、ワールがオルドラにアドバイスすることはない。オルドラ自身が気が付かなければ意味がないことだし、さらに言えば……。
「今月から携帯食料はオルドラには卸さないでござる」
「余った分はワール商会に持って行ってもらいたいのでござるが、倉庫は大丈夫でござろうか?」
独占、物凄く美味しい商品を独占できるチャンスなのだ。この機を逃すワールではない。
「もちろんですとも!お二人はこちらのルゼン国が気に入られたのですかな?」
「うむ!我々みたいな陰キャに色々都合をつけてくれますし!」
「団長たちも優しいですぞ!」
「ほっほう!ではワール商会も近くに店を出します。何かご入用なものがあればいつでもお申しつけくだされ」
「やったでござる~!」
「コンビニ近最高でござるよー!」
こんな感じでルゼン国側は全員が丸くハッピーに収まりを見せた。
「……」
侍女は目を合わせず俯いた。なぜなら彼女が聞いて来た真実に間違いはないのだから。
「え……?これからもうお買い物はこれっぽっちしかできないの?」
これっぽっち、そうアイラは言うがかなりの量を買い付けている。溢れるほどのドレスは毎月新しいものを何着も作らせていたし、それに見合う装飾品も然り。美味しいと聞けばどんな菓子も取り寄せるし、面白いと聞けば本も取り寄せ、音楽家を招くこともあった。
「そんなはず、ないわよね……?」
側妃であれば、厳しい決まりごとに縛られている。国を代表する女性としてやってはいけないこと、守らねばならない品位や厳しい所作など。それに飽き飽きしたアイラは王族を辞め、下ることを決めたのだ。
「ま、まあ私がまいる公爵様も大変お金持ちの方だと聞き及んでいますし……公爵様ならばきっと大丈夫ね」
当然アイラは知らない。自分がどれほどお金を使っていたか。双子がどれほど愛してもくれない母親のためにお金を用立てていたか……。
「そ、そうでございますね……」
侍女は無責任にアイラの言葉に追従するしかできない。金銭感覚の壊れた女主人に仕えている侍女も金銭感覚が狂っているのだから。
もうすぐ見えてくる現実に震えても、どうしようもできないのだが。
「やぁ~いくら母上が使っていたかなど知らんのでござる~」
「我々用にプールしている金額から溢れた分を適当に振り分けてくれぇとお願いしていましての?どれくらい溢れていたかは知らんのですが、国の為、城のために使っておったみたいですぞー」
「金銭感覚が杜撰です」
「ほっといて欲しいですぞ!」
がはは、と品悪く笑う双子の家の応接室には双子と、オルウィン団長とレイクリフ副団長。そしてフィフナーから急いでやって来たワール商会頭取のワールがやっぱり品悪く笑っていた。
「いやあ、豪快というべきでしょうぞ!流石リキュシュ王子とマシェッツ王子!そういえばこの部屋に装飾品が少ないですね、是非何か飾らせてくださいよ。もちろん無料でお持ちしますよ?」
「駄目なんでござる。飾り物を増やすと掃除を手伝ってくれる騎士殿達が壊しちゃうでござる」
「メイドちゃんもいるんでござるがねえ。このお屋敷広いでござろう?手が回らんでござる、断捨離でござるよ」
「壊れたら新しいのを飾れば良いのですぞ!」
「おーーー!流石ワール氏!いうことが太っ腹でござるなあ!」
オルウィンとレイクリフはワール商会の頭取がだいぶ双子に毒されていることを知って暖かい目で見守る事にした。とにかく楽しそうだからそれで良いんだと、自分達に言い聞かせたのだ。
「では今月からこちらに売り上げは入れさせてもらいますね」
「お願いするでござるよ~。あ、こっちでもフィフナーと一緒にしたいんで、オル団長、手続して貰っていいでござるかな?」
「ええと……?」
「城の管財部か何かに我々用の預金をしておいて貰いたいのです。そこから溢れたお金は好きに使ってもらって結構ですから」
「……は?」
ワール商会から今月の売上金の報告書を手渡され、オルウィンは目を白黒させた。確かに双子が預金として取っておいて欲しいという金額も大きかったが、毎月ワール商会からこれだけのお金が何もせずに入ってくる。その事実だけで眩暈を覚える。
「こ、こんなに……?」
「ええ、でもこれは今までの半分ですよね」
双子は頷くが渋い顔もしている。
「そうなんでござるよ……オルドラ氏がどうも我々との約束を忘れておるようでござってなあ……」
「ワール商会と同じ量をオルドラ商会にも卸していたから、同じだけ売り上げがあったんでござるがなあ……」
「オルドラ氏、我々との約束を忘れちゃったかなあ」
「暫くは様子見でござるが、我々の不信感は広がりますなあ……」
切磋琢磨してきたワール商会とオルドラ商会だが、ワールがオルドラにアドバイスすることはない。オルドラ自身が気が付かなければ意味がないことだし、さらに言えば……。
「今月から携帯食料はオルドラには卸さないでござる」
「余った分はワール商会に持って行ってもらいたいのでござるが、倉庫は大丈夫でござろうか?」
独占、物凄く美味しい商品を独占できるチャンスなのだ。この機を逃すワールではない。
「もちろんですとも!お二人はこちらのルゼン国が気に入られたのですかな?」
「うむ!我々みたいな陰キャに色々都合をつけてくれますし!」
「団長たちも優しいですぞ!」
「ほっほう!ではワール商会も近くに店を出します。何かご入用なものがあればいつでもお申しつけくだされ」
「やったでござる~!」
「コンビニ近最高でござるよー!」
こんな感じでルゼン国側は全員が丸くハッピーに収まりを見せた。
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