【完結】双子の隠キャが踊ります?約束された幸せは幸せでした

鏑木 うりこ

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77 イケメンをみるしかやることがない

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「いーやーだー!」
「嫌でござるー!! 」

 いくら駄々を捏ねてもとりあえずフィフナーへ戻らねばならなくなってしまった。

「せめてオル殿たちはついてきて!」
「ついてきてえええええ!」

 フィフナーへ一度戻される二人には我々が護衛としてついた。騎士を辞めた我々は二人の雇った私兵という形になっているが、何一つ不便がないのが恐ろしい。むしろ装備が充実して、騎士団にいた時の剣より数段上のものを使っている。

「皆で我々を守ってくれるんでござろ?もっといい装備にしようよ」

 リュキはうきうきと武器のデザインをかいて、ドワーフのアイアン親方に発注したらしい。

「そ、そりゃさあ……団長であるオル殿と~副団長のレイ殿のは~と、特別製に決まってるじゃない、団長と副団長だもん!」
「然り然り!差があって当然なんでござるよ!」
「それ以外にもあるんだろ~?」

 サウス達のからかいを正面から受け取って胸を張っている。

「当たり前だろう!自分の旦那様が一番かっこよく見えるデザインにするに決まってるじゃないか!」
「そうだそうだー!」
「そりゃそうか」

 我々が始終そんな感じなので、フィフナーから来た護衛の兵士達は聞いていた話との差に驚いているようだったが、仕方がないのかもしれない。


「え……見てくれだけの無能王子様じゃ」
「見た目も良いし、性格も可愛いし、金持ってるし、気さくだし完璧王子の間違いだろ。ただうちの団長と副団長にそれぞれぞっこんだけどなぁ」
「え……」
「ま、見てりゃ分かるよ。フィフナーまで日数かかるし。当てられんなよ? 」

 そんな事を言われていたなんて全然知らなかったけど、馬車は本当につまらない。

「レイ殿も一緒ならなー」
「オル殿も一緒ならなー」

 でもフィフナーの責任者とやらが駄目だとうるさい。

「ねえねえ、あれ何?」
「なんでしょうねえ?何かの花のようですが」

 マシェは馬車の左の窓から顔を出している。私は右ね。

「あれなんでござるかねぇ」
「建物ですね、面白い形をしてますね」

 左にはもちろんオル団長がいて右にはレイ殿がいてくれる。

「あ、あの危ないので顔は出さないで下さい」
「危ない事なんてないでござるよねーレイ殿」
「何かあれば全力でお守りしますが、馬車に乗りっぱなしは暇ですものね」
「そーだそーだ!暇でござる!せめてオル殿の顔くらい見ていたいでござるよ~」
「ふふふ、私の顔ならいくらでも」
「きゃー!イケメンー!」

 そんな事を繰り返してたら馬車にオル団長とレイ殿も乗せてくれたのでイチャイチャしながら向かうことになった、ちょっと楽しい。


「えーと、本当にここに泊まるの?」
「はい、指定の宿はこちらです」
「どうして向こうのホテルじゃないんでござる?」
「……それは……」

 道すがらの宿も微妙な所ばかり指定されていて困ってしまった。その街の1番のホテルじゃなくて、2番か3番くらいなんだ……金がないのかな……。

「悪いんだけど、向こうのホテルに行ってくれる?」
「しかしこちらに宿泊するようにと」
「拙者達、向こうのホテルのVIP会員でござるんでタダで泊まれるんで」

 ワール氏の息がかかったホテルってあちこちにあって泊まり放題なんだよねー。だから、せっかくの寝るならいい所が良いんだけどぉ。

「決まっていますから!!」

 駄目だった。護衛の関係がとか色々いわれたけど、高級なホテルの方がセキュリティはしっかりしてるだろ!
 流石にムカついて指定の宿に入ってすぐに扉を閉めて鍵をかけた。

「もう朝まで呼んでも返事しないでござるからね!!」
「まったくでござる!!」

 本当にもう!むかぷんでござるよ!!
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