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76 我らは愛の為に(レイクリフ視点
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「愛の逃避行にお供します! 」
騎士団の皆はリュキとマシェについて行く事にしたようだ……来なくても良いと思ったが、二人が楽しそうだからいいことにしよう。そして色々なことが決まってから、団長を筆頭に、全員で王城へ出向き辞職してきた。
「リキュシュ王子はこの婚約を納得しておりません」
「な、なにが不満なのじゃ……娘のスカーレットのどこが不満だと?」
「リキュシュ王子の女性恐怖症は治っておりません。近づく事も不可能だとおっしゃっている方に婚約などあまりに酷な命令ではありませんか」
「だが、フィフナーからの提案である。ワシもスカーレットが帰国するのは非常に喜ばしい」
団長は代弁したが王は聞く耳を持っていなかった。
「宰相様も同じお考えですか?」
「う、うむ……まあ、そんな感じで。リキュシュ王子がスカーレット様と結婚してこの国にとどまって下されば、今まで通りお金も……」
宰相様はお金のことで頭がいっぱいらしい。
「して、ジャムは?ジャムは持って来てくれたのでしょう!?」
王妃はジャムのことしか考えていない。だれも二人の意見など聞こうとしない……もういいだろう。
「今までお世話になりました。私はマシェッツ様を愛しております。今日からその愛のために生きるので騎士は辞めさせて頂きます」
「私もリキュシュ様を愛しております。彼が健やかに過ごせぬ国にはいられません、辞めさせて頂きます」
「は?」
王と王妃、宰相様は目と口を開いたままの間抜けな顔で固まっていたが、そんな事はどうでも良い。私達はこの国に尽くして来たと思う。だからもう良いだろう。
深々と礼をして城を去る。騎士団として借り受けていた物は全て返却し、返せない物は買い取る。
「オル団長。リュキに渡された銀行からの預金通知表の桁が何かおかしいのですが」
「……奇遇だな、レイクリフ。私の通知表も思っていた物と桁が四つほど多いのは何故だろう」
銀行の店長がやたら揉み手をして寄って来ると思ったら、おかしな金額が記載されているのだ。
「まだこのリュキとマシェからの振り込みは分かります。あの二人の事だ、こっそり入れて驚かせてやろうと思ってやったんでしょう」
「桁がおかしいがあの二人ならやりかねん」
「して、このワール商会からの振り込みは?」
「まあ、ワール氏なら……」
その下に知らない会社からずらずらっと振り込み金が並んでいる……後で聞いたらこれはこの屋敷で働いている人全員に振り込まれているらしい。
「リュキとマシェが我々名義で資産運用をしているみたいなんです。楽しいらしくて借りちゃったてへへへって言ってますけど、毎月給料の3倍くらいの増益があるんですよねぇ」
「ほう……」
どつやら私達は遊んでいても金が入って来るらしい……。二人が楽しいならそれで良いということにしておいた。
そんな資金もあったので、買い取りも簡単だったし、残った別の部隊の同期達にも奢ったりできた。
「お前ら狡い」
「でもまあ、赤女に散々虐められたしな。あいつが帰って来るなら逃げて正解だよな」
「あーあ。今度は誰が生贄になるんだ?」
そんな愚痴から。
「お前達の王子様、すげー可愛いよな……やっぱ、夜はいい声で啼くのか?」
「貴族辞めてもついていきたいとか……そんなイイのか?!」
なんて男同士のシモの話まで色々しながら別れを惜しんだ。
「送別会とかして来て良いよ。でも夜には帰って来てね?待ってるから」
もじもじしながらそんな事を言われてしまうとつい早く戻ってきてしまうのだった。
騎士団の皆はリュキとマシェについて行く事にしたようだ……来なくても良いと思ったが、二人が楽しそうだからいいことにしよう。そして色々なことが決まってから、団長を筆頭に、全員で王城へ出向き辞職してきた。
「リキュシュ王子はこの婚約を納得しておりません」
「な、なにが不満なのじゃ……娘のスカーレットのどこが不満だと?」
「リキュシュ王子の女性恐怖症は治っておりません。近づく事も不可能だとおっしゃっている方に婚約などあまりに酷な命令ではありませんか」
「だが、フィフナーからの提案である。ワシもスカーレットが帰国するのは非常に喜ばしい」
団長は代弁したが王は聞く耳を持っていなかった。
「宰相様も同じお考えですか?」
「う、うむ……まあ、そんな感じで。リキュシュ王子がスカーレット様と結婚してこの国にとどまって下されば、今まで通りお金も……」
宰相様はお金のことで頭がいっぱいらしい。
「して、ジャムは?ジャムは持って来てくれたのでしょう!?」
王妃はジャムのことしか考えていない。だれも二人の意見など聞こうとしない……もういいだろう。
「今までお世話になりました。私はマシェッツ様を愛しております。今日からその愛のために生きるので騎士は辞めさせて頂きます」
「私もリキュシュ様を愛しております。彼が健やかに過ごせぬ国にはいられません、辞めさせて頂きます」
「は?」
王と王妃、宰相様は目と口を開いたままの間抜けな顔で固まっていたが、そんな事はどうでも良い。私達はこの国に尽くして来たと思う。だからもう良いだろう。
深々と礼をして城を去る。騎士団として借り受けていた物は全て返却し、返せない物は買い取る。
「オル団長。リュキに渡された銀行からの預金通知表の桁が何かおかしいのですが」
「……奇遇だな、レイクリフ。私の通知表も思っていた物と桁が四つほど多いのは何故だろう」
銀行の店長がやたら揉み手をして寄って来ると思ったら、おかしな金額が記載されているのだ。
「まだこのリュキとマシェからの振り込みは分かります。あの二人の事だ、こっそり入れて驚かせてやろうと思ってやったんでしょう」
「桁がおかしいがあの二人ならやりかねん」
「して、このワール商会からの振り込みは?」
「まあ、ワール氏なら……」
その下に知らない会社からずらずらっと振り込み金が並んでいる……後で聞いたらこれはこの屋敷で働いている人全員に振り込まれているらしい。
「リュキとマシェが我々名義で資産運用をしているみたいなんです。楽しいらしくて借りちゃったてへへへって言ってますけど、毎月給料の3倍くらいの増益があるんですよねぇ」
「ほう……」
どつやら私達は遊んでいても金が入って来るらしい……。二人が楽しいならそれで良いということにしておいた。
そんな資金もあったので、買い取りも簡単だったし、残った別の部隊の同期達にも奢ったりできた。
「お前ら狡い」
「でもまあ、赤女に散々虐められたしな。あいつが帰って来るなら逃げて正解だよな」
「あーあ。今度は誰が生贄になるんだ?」
そんな愚痴から。
「お前達の王子様、すげー可愛いよな……やっぱ、夜はいい声で啼くのか?」
「貴族辞めてもついていきたいとか……そんなイイのか?!」
なんて男同士のシモの話まで色々しながら別れを惜しんだ。
「送別会とかして来て良いよ。でも夜には帰って来てね?待ってるから」
もじもじしながらそんな事を言われてしまうとつい早く戻ってきてしまうのだった。
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