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10 白飯への熱い思い
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大福は大福だが、やはり普通のハムスターより遥かに丈夫だった。
「頼む!誠子!酒は飲まんから、果物と……ご飯が食べたい!」
「張り付いたらどうする?」
大福は真剣な面持ちで
「自力で取れなかったらすぐ報告する。だから、白い飯を食わせて欲しい」
大福の白飯に対する熱い想い。……分かる、分かるぞ、大福よ。
「それほどまでにいうなら……」
大福用の可愛いハムスターの絵がついた小皿の上にご飯を一つまみ乗せてやる。大福はよだれを垂らさんばかりに見ていたが
「いただきます」
二人で手を合わせいただきますの挨拶をするとむしゃっと白米に飛びついた。
「うまっうまっ!!」
「やはり日本人たるもの米が欲しくなるな」
「うむ。あれやこれや言うのも野暮だというものだが、やはり日本の風土にあった主食というものは口に合うなあ。外国の物もあれはあれでよいとは思うのだが、長く食べ続けるならやはり……」
大福の饒舌が始まったと思ったが、止まった。口の中をもごもご、もごもごしている。ハハーン大福やっちまったんじゃないのか?
大福は一生懸命ほっぺマッサージを繰り返していた。こりゃ完全にくっついたな。
「しぇいこぉ……」
「ほら、大福。口を開けろ。うげーってしても少し我慢だぞ」
そっと口の中を見ると米がくっついている。そっと外してやると大福はしょんぼりしていた。
「私は碌に白米も食べられぬのだな……」
ちょっと気の毒になったが、どうもしてやれない。ハムスターはくっつく物を食うことに適しては居ない。
「そうだな……だがいろいろなものを食べてみようじゃないか、大福。なぁにそのうち上手に飯も食べられるようになるさ」
「そう……だな」
今日のデザートはメロンだ。あまりハムスターには向かないらしいが、大福は果物は何でも食べることができるようだ。小さく切って差し出すと、両手で受け取る。
「いい香りだ……」
一口、運ぶと既に夢中になって食べ始めた。そしてまた後光が差している。美味しかったんだなあ。大福が夢中になって果物を食べている姿は本当に可愛いなと思う。
「頼む!誠子!酒は飲まんから、果物と……ご飯が食べたい!」
「張り付いたらどうする?」
大福は真剣な面持ちで
「自力で取れなかったらすぐ報告する。だから、白い飯を食わせて欲しい」
大福の白飯に対する熱い想い。……分かる、分かるぞ、大福よ。
「それほどまでにいうなら……」
大福用の可愛いハムスターの絵がついた小皿の上にご飯を一つまみ乗せてやる。大福はよだれを垂らさんばかりに見ていたが
「いただきます」
二人で手を合わせいただきますの挨拶をするとむしゃっと白米に飛びついた。
「うまっうまっ!!」
「やはり日本人たるもの米が欲しくなるな」
「うむ。あれやこれや言うのも野暮だというものだが、やはり日本の風土にあった主食というものは口に合うなあ。外国の物もあれはあれでよいとは思うのだが、長く食べ続けるならやはり……」
大福の饒舌が始まったと思ったが、止まった。口の中をもごもご、もごもごしている。ハハーン大福やっちまったんじゃないのか?
大福は一生懸命ほっぺマッサージを繰り返していた。こりゃ完全にくっついたな。
「しぇいこぉ……」
「ほら、大福。口を開けろ。うげーってしても少し我慢だぞ」
そっと口の中を見ると米がくっついている。そっと外してやると大福はしょんぼりしていた。
「私は碌に白米も食べられぬのだな……」
ちょっと気の毒になったが、どうもしてやれない。ハムスターはくっつく物を食うことに適しては居ない。
「そうだな……だがいろいろなものを食べてみようじゃないか、大福。なぁにそのうち上手に飯も食べられるようになるさ」
「そう……だな」
今日のデザートはメロンだ。あまりハムスターには向かないらしいが、大福は果物は何でも食べることができるようだ。小さく切って差し出すと、両手で受け取る。
「いい香りだ……」
一口、運ぶと既に夢中になって食べ始めた。そしてまた後光が差している。美味しかったんだなあ。大福が夢中になって果物を食べている姿は本当に可愛いなと思う。
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