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そして入学へ

60 やってやるわ……!

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「マリエルさまあ~~!」

「あ、ミシェル君にピーチェ。あの後、体調はどうかしら?」

「僕もピーチェも元気です!聞いてください、マリエル様。僕はあれから神殿に保護してもらって、皆さんから色々教えてもらって字も読めるようになったし、剣の使い方も教わって……!」

〈マリエル、そなたのお陰でミシェルの運命も良い方向へ変わっておる。私もミシェルが使命を果たせるよう、守護して行こうと思う〉

「あら、良かったですわね……ほほほ……」

 ピーチェが喋ってる気がするけどそれは幻聴ね。まあミシェル君が元気そうでよかったわ。クラブ家ウチで保護しても良かったんだけど、神殿が手を上げたから任せちゃったのよ。でも正解だったみたい、ミシェル君の笑顔を見たら安心で来たわ。

「マリエル様!聖女見習いのユウキって知ってますか?あの人、僕きらい……」

 あら、あらあらっ!可愛いショタっ子ミシェル君がしゅん、と下を向いてしまったわ。彼は「トランプる!」に出て来たキャラクターではなく、この世界の住人なのだけれど、とても可愛いです、ハイ。

「嫌うには何か理由があるのよね?良かったら教えてくれないかしら?」

「あの人、マリエル様の事を偽聖女だって!マリエル様を悪役令嬢だって言うし、僕の事も偽勇者だって……この世界に勇者なんていないのに、おかしいって言うんです……」

 なんて事……確かに元々の「トランプる!」の世界で私は聖女じゃないし、悪役令嬢だし、勇者の存在していなかった。でも、今はちゃんと存在している。

「僕、おかしくなんかないです……う、うう……」

〈ミシェル……マリエル、あのユウキとか言う女はいかん。まだ子供のミシェルを見るたびに怒鳴りつける。私も我が守護神たる神々もそろそろ我慢の限界だ〉

 うわっ!?ユウキさん、そんな所まで来てるの!?しかもミシェル君を見るたびに怒鳴るって??嫌なら会わないようにすればいいし、避ければ良いじゃない……学園でもユウキさんはそんな感じだわ。用もないのウロウロして彼女はBクラスだから私達のいるAクラスに近づかなきゃいいのに近づいてきて騒ぎを起こす……。

「ミシェル君、大丈夫よ。ミシェル君はよくやっているし、とても素敵で強くなったわ」

 ショタっ子の頭をなでなでする。ロリショタドントタッチ!なのだが、これは許して欲しい、紳士淑女の皆さんよ。ぎゅってしたわけでもないのし、過度のふれあいはしないから!!

「ピーチェも心配してるわ。ミシェル君が未来の勇者なのは私が保証する。でも辛かったら修行なんてやめていいのよ」

「僕は勇者になりたい!そしてマリエル様のお役に立ちたいんです!」

 まあっ!なんて可愛い発言っ!

「純粋な少年はいるだけでマリエルの役に立っておりましてよ……!」

 私のモチベが爆上がりですわっ!出そうになった鼻血を根性で止める!これはもうユウキさんを何とかするしかないわね!

「やってやるわ……!」


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