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そして入学へ

81 我が家カルチャーショック

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「しょうがないから戻ってあげるわ」

 お母様の一言で全員で本邸で生活することになったんだけど、一番喜んだのはレナードだったわ。

「ヴィンセントお兄様!剣の稽古をお願いします!」

「ああ、良いとともレナード。レナードは剣先が鋭いから私も気をつけなきゃね」

「眼福ですなあ……」

 男兄弟、良いものです。二人とも刀匠マリー(私よ)の作った切ってもダメージは追わず何故か治っちゃうヒール剣を持ってお庭に出て行ったわ……どろーん君でも飛ばしておこ。

「私はこちらのドレスを注文したので、チェレネはこちらにしたらいいわ」

「まあ素敵ですね、リエリル様。冬季の舞踏会にいいかもしれませんわね」

 お父様の出費は2倍だけど妻が二人いるって事はそういうことよ。頑張って働いて欲しいものだわ。

「それにしても本邸はなんていうか……ちゃちいわね……」

 女主人が居なかったからかセンスが悪いわ。壁紙もいまいちだし、家具の類も全然可愛くないし。私の部屋だと言われた場所なんてムラのあるピンクで統一されてて吐くかと思ったわ。部屋の配置も酷かったし……。
 ピンクの部屋って凶暴な囚人の心を萎えさせる部屋だとか昔何かで読んだ気がするわ!お父様は私ことを何だと思っていらっしゃるのかしら?!

「お父様ってセンスないわね……」

 って思ったけど、私が快適さを追求しすぎて良い物を作りすぎていたのに気が付かなかったわ。でも我慢ならなかったから全部入れ替えたわよね。ホント全部よ、お母様とチェレネ様と私が指示しました、きりっ。

「離れではこんなに良い物を使ってたのか?」

「本邸はこんなものしか置いてなかったんですか?」

 意見の相違ね……。

「ちょっとー!お母様!チェレネ様ー!お父様のワードローブ見ましたぁ?激烈にダサい服ばっかりで私、倒れそうです」

「え……本当だわ……どうしてコートがカッシミャーじゃないのかしら?」
 
 カッシミャー羊は私が見つけて来て、ケイトの所で専売してるからですわ……。

「なんだか礼服の色もさめてますわね……あら、裏地の手触りも悪いわ?何故かしら?」

 そ、それは私が……。

「旦那様ってあまり気を遣っていらっしゃらなかったのです?」

「そ、そんな事はない……クラブ家御用達の一流商家が……あ、あれ?」

「メイド達も礼儀作法もなってないし、まず字が読めないとかおかしいですわ」

「ええ、廊下もピカピカじゃないですし、汚れも取れていませんわね。服もなんだが洗濯が行き届いてないようですし……旦那様、お風呂できちんとシャンプーと石鹸使っていらっしゃいます?」

「な、な、な、なんだね……それは……」

 なんてこったい……。こんなに近くにいたのに私の金儲け技術が一切入ってなかったなんて!




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