【章完結中】神の愛し子な俺、テイマー始めました!

鏑木 うりこ

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種の章

24 わだかまり

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「俺の勝ちぃ!」

「ちっ!」

 アンバーとレオニーは襲撃してきた奴らをほぼ全部捕らえてしまった。

「どうする?見せしめに殺す?邪魔だから殺す?逆恨みしたら嫌だから殺す?」

 とりあえずアンバーは殺したい事が分かった。物騒な奴だ。

「全部で60人くらい。俺が40でレオニーが20!ぷぷー笑っちゃう!」

「んだと?!コラァ!やるってかぁ?!」

「はぁん?!吠え面かかせてやる!」

 また殴り合いを始める2人。仲良しだよね。

「それより、この60人の悪党どうするの?閉じ込めておく所ある?」

 村の代表だという鹿の獣人のおじさんは首を横に振った。

「追い返すことはありましたが、捕まえても数人でしたから。こんなには」

「フィエル、テイムしちゃって。一番安全だよ」

「でも……」

「皆の為だと思って、ね?」

 そう言われると何だか弱い。リフェリスに上手く言いくるめられた気がするけど

「強制テイム」

 合意じゃないからね。みんなびっくりしてたけど、全員カードにしてしまった。

「うん、やっぱりレベル高めが多いけど、山賊やら野盗だねぇ」

「どうしよう?この人達」

「好きにしたら良いよ。まあ牢が出来るまでは持ってたら?」

「うん……」

 60人の野盗達は皆大人しくしている。騒ぎようもないんだけどね。

「神子さま!ありがとうございます!本当にありがとうございます!」


 僕はハルをくっつけたまま、この村の外れまでやって来た。

「わあ……」

 今まで緑の草が広がり、木が生い茂っていたのに、どんどんまばらになり枯れ、その先は赤土と砂しか無かった。

「どうして……?」

「力のある魔導士が大地の力を吸い尽くし、それを殲滅に使ったんだ。地は枯れ、空中に濃い魔力が残って風と大地が狂っている」

 リフェリスが教えてくれる。

「浮いている魔力を整えて、大地に戻してやれば少し整う」

 空中で少しひらひらと手を振り、下へ下ろす。かさかさの大地から小さな草の芽がぴょこんと出た。

「可愛いね」

 しゃがんで双葉をみると、ふるりと揺れる。

「フィエルが近くにいるからね。精霊達が正気を取り戻してる」

「僕何もしてないけど」

「いるだけで良いんだよ。それだけで嬉しい」

 そんなものなのかな……?

「そんなもんだよ」

 草の上に座って不毛の大地をみる。赤く霞んだ遠くの景色。その先には何も見えない。
 それでも、座ったお尻のしたから、緑の小さい精霊がもこもこと這い出してくる。

「精霊士か魔法使いがいれば良いんだけどね」

「そうだね。さっきの山賊さんにいないかな?」

「60人もいるから、才能ある奴がいるかもね」

 山賊、野盗なんかやめて別の職について欲しいって思うのは僕の傲慢なんだろうか?


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