【本編完結】神に捨てられた糸くずの俺は愛される~不幸な物語なんて変えてやるから安心して

鏑木 うりこ

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65 張り切って行こう!

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「ホルランド殿下が教えてくださいました。あの方はシャトルリア様の不利になることは何一つしないので。ある意味最強の番犬ですよ」
「ば、番犬って……帝国の王子様を捕まえてなんてことを」
「良いんです!犬みたいなもんでしょっウチには2匹もいるんですよっ」
「ご苦労様でございます……」

 宰相さん……元宰相さん、テリーさんか?彼には全部話さなきゃならないと思っていたから、ちょうど良かった。

「神様のせいでウチの国が弱かったなんて、私の力じゃどうこうできることじゃなかったんだと分かってホッとしたりしましたし、あの苦労は何だったんだーなんて思いましたけどね」
「ははは……そうだよね」
「まあ、まともな方に代わられたみたいで安心しています。これでもう頑張る必要がない。楽に生きさせて貰います、って言いたい所だったんですけどねー」

 さすり、とお腹を撫でた。

「2人目ですね」
「そうなりますね」

 きっと体調を崩すことが増えたんだろう、だからオリーとリッツが血相変えて連れて来たんだ。1人目を産んでから半年と言うところで、少し早過ぎるような気もするけれど、大丈夫なのかな?

「実はですね、夢にそれはそれは綺麗な金髪の若者が現れて謝るんですよ」
「金髪?」

 俺が知ってる夢に出て来る綺麗な金髪は神様くらいだけど、もしかして?

「なんでも、流石にもう少し日数を空けて送る予定だったんだけど、世界がはっちゃけて、更に忖度しちゃって、と」
「はっちゃけて、忖度?? 」

 どう言うことかな?

「世界自身、前任者のやり方に困り果てていたそうで。それが代わったから嬉しくなってしまったと。血を薄めて行ったり、足りないものを埋める作業は長い世代交代の期間を取るつもりだつたのに、世界が勝手に少し早めてしまっているそうで」
「へ、へえ……」

 前任者のミミズにされた奴はどうやら世界からも嫌がられていたんだ。それがまともな神に代わったからって?

「元々ルーセン地方の人間は母となる為の素養が高いから大丈夫だろうけど、しっかり加護を贈るからすまないけどよろしくね、と言われました」
「はあ、なるほどって感じですね」
「ええ、神とは初めて相対しましたが、非常に良い人だと感じました。彼がシャトルリア様の神で間違いないのですね? 」
「多分、そうだと思います。きっと宰相さんに先人役をお願いしたんでしょうね」

 宰相さんはふう、とため息をつく。横からオリーがぬるめの白湯をさっと差し出すのが面白い。ついでにそれを自然に受け取って自然に飲んでいるのもなんか凄い。これが慣れなのか……?

「まあ、何かあっても私ならば最悪なんとかなりますし。シャトルリア様や勇者が危険な目に合うのは避けたい」

 空になった小さな湯呑みはさっとリッツが受け取る。2人の方をチラリとも見ないままなのがなんか、宰相さんって感じ。
 そして宰相を辞めた今でも国のことを一番に考えてくれている人。なんて言うか頭が上がらないなぁ。そう言えば聞きたいことがあったんだ。

「ねえ、宰相さん。神様にあった時に、神様に小さな子供達がくっ付いてなかった?やんちゃそうな、神様の髪の毛を引っ張ったり、ほっぺをつねったり服をめくったりしてる傍若無人な子供達」

 多分、次がいるはず。

「ああ、いましたね。全員可愛らしい子供達でしたよ」
「何人くらいいたか覚えてる?」

 宰相さんはその時のことを思い出したがら、指を折っている。親指、人差し指指、中指……え?

「えーと、多分五人くらいですかね?リッツとオリーの髪の色に似ている子もいましたよ」
「へ、へえ……後、五人……」

 多分、今お腹にいる子はその子達とは別じゃないかな……俺がさっと目を逸らして、オリーとリッツをチラ見したのを宰相さんは首を傾げて見ていたが、

「ご、五人……も、もしかして、後、五人……? 」
「俺の口からは何とも言えないですね……」

 俺だってなんか相当先まで予約済みっぽいし……。

「訂正します、神はクソです」
「あ、はい。でも大丈夫だからねって言われると思います」

 俺達は張り切って混血に力を貸すことになっているようだ。きっと良いこといっぱいあるよ、きっと。
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