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小話
魔術師の呟き
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「きゃわゆ」
「黙れ、馬鹿者!バレるでしょう!」
私の名前はノル。キルリス王子の側近としてこの国に潜入した「ケットシー様捜索室」のエースである。因みに同居猫はイッチ、ニーチ、サンチの3匹でみんな超美猫だ。
あと祖霊様の一方、レンレン様のお世話もしている位、凄腕の魔術師なのだ。
私と猫達の事を考えている場合ではなかった。今私達は絶対に失敗できない任務の真っ最中なのだ。
やっと昔に誘拐されたケットシー様の行方を掴み、我が国へお帰り願う任務中なんだから。
そして我々の目を釘付けにしている方。あああ!何という事だ!人の姿に押し込められているとは言え、全身から立ち登る猫気!我が国ののものなら、駆け寄って喉の下をゴロゴロ撫でずにはいられないくらい血が騒ぎまくる!
「酷い」「なんてこと」「萎縮してしまっている」「痩せ過ぎでは?」「オドオドして……よっぽど」
私と共に来た魔術師は5人。魔術師は元より、騎士から全てが怒りで震える拳を隠した。大量の間者から送られてきた情報より酷いカイ様の様子に我を忘れそうになる。
「キルリス王子」
「分かっている、やるぞ」
「はっ!」
我が国の王子はおモテになる。そんな王子に寄ってくる有象無象からガードしつつ、王子がカイ様と接触しやすいように誘導する。
良し、もう少し。と言うところで、何と言う事だろうか!カイ様の細くてか弱い体に体当たりしてきた趣味の悪い真っ赤なドレスと、鼻の曲がりそうな腐った薔薇の香水を振りかけた下品な女!
あいつ、殺そう!
我々の心は一つになったが、我らが王子は流石王子の振る舞いをする。
「危ない」
「え、あっ!あ……!!」
倒れそうになるカイ様をさっと腕に仕舞い込んだ。くっ!流石王子!憎い敵を攻撃するより、カイ様の安全を優先するとは!我々はまだまだ甘いのですね、レンレン様!
キルリス王子はレンレン占いの
「今日は白い服が良い」
の、予言に従って着てきた真っ白な礼服。それにカイ様は持っていた赤いワインを思いっきり溢してしまいました。
ええ!ええ!カイ様は悪くないんです。あのカイ様をみてニヤニヤしている女が悪いんです。それなのにこの国の王子は頭からカイ様を怒鳴りつけます。
猫に大声?!非常識にも程がある!そんな大声で言わなくても、猫は耳が良いですからね!聞こえてますけど?!
イライラとしますが、ここは上手く演技で通します。
「我が国にお連れしても?」
おお!キルリス王子の魔力を纏った言葉です。相手の心を少しだけ縛る言葉。この国では魔術もかなり衰退しているようで、誰もキルリス王子の魔法には気づかないんです。
カイ様のお力に縋りすぎです、馬鹿じゃないんだろうか!
そしてなんの疑問も思わないなんて阿呆かな?いや、仕事がし易くて良いかも……ここでしくじったら元の木阿弥だ、慎重に……。
「カイさんと一緒に指輪も……」
お、王子!そんなはっきり言っては、感づかれ……ない?!嘘だろう?!あんなに封じの魔力の溢れる要の品を?!
何故、封じの鍵の子であるジーク王子にしか開けられないのか、考えた事はないのか?!こいつら頭の中身空っぽなのか?!
金目のケットシーを封じるのに相応しい、金の猫目石がとても美しい力のある指輪だ……凄い欲しい。
「にゃっ!」
「あっ!」
本能で自分を縛りつける要だと気がついたのかカイ様が指輪に飛びかかった!いけません!いけません!バレてしまいます!
「みな!」
「はい!王子!」
私達全員でカイ様を囲みました!ここの国、他の者にも気付かれてはならないのです。人間の壁です!
「カイ様!小魚です!」
我が国の者なら必ずポケットに忍ばせている猫のおやつをさっと取り出します。
「にゃ?!」
カイ様はおやつを初めて見たのか、珍しそうに目を丸くしました。くっ!可愛いし美しい!なんたる美猫!我が家の猫の次に素晴らしい猫様だ!
「カイ様!ふわふわのチリンチリンですよ!」
「にゃっ?!」
我が国の人間ならば誰でも一つは携帯している猫じゃらしを別のものが取り出します。初めて猫じゃらしを見たのでしょうか?びっくりしています。なんとお可愛らしい!我が家の猫の次に……おっとっと。
出来る我が国の王子は我ら魔術師の手を借りずにさっさとカイ様の契約をジーク王子から自分に書き換えてしまいました。わ、私達の仕事は……?!
……今はカイ様を安全に我が国へお連れするのが最優先です。私の安いプライドなど、カイ様の前ではゴミです!ゴミ!ポイです!
しかし、ほぼ苦労もせずにカイ様と指輪を手に入れました。いえ、まだ敵国内です。油断はいけません。見送りの衛兵も怪しく感じますが、我らは務めて冷静に振る舞い、王宮を後にしました。
「急げ!我が国の高速馬車を使う!」
「勿論でございます!」
我が国の御者と魔術師がペアで操る高速馬車は馬に身体強化、車体を軽くしながら駆けるもので、物凄いスピードが出ます。
馬達も高速移動、身体強化訓練を受けた馬で、街道沿い各所に配置済みです。真夜中の走行も恐ろしいですが、良く訓練された馬は御者に従い走り出します。
魔物が出てきたら騎士団が立ちはだかり、相手をしてくれるでしょう。我らはとにかく早く安全な我が国へカイ様をお連れする事を最優先します。
「国境です!」
「国越えの準備を!!」
国には結界が張られている事も多く、中の物は引き止め、外から来る物は弾く、そんな性質がある物が多いのです。
「王子、カイ様を」
「ああ」
「にゃっ?な、何ですか」
何も説明をされていないのに、大人しく王子に抱っこされるカイ様。指輪のせいもあるようですが、完全に気を許していらっしゃる!くっ!羨ましいーー!
はっ!仕事仕事。
王子とカイ様の気を同化させ、王子一人であるかのように偽装。……ううん……カイ様の巨大で愛らしい猫気は隠しきれません!
キルリス王子も気がついたようでこのまま国境越えに挑みました。
「にゃあ……う、うるさい……」
「警報です!やはりありました!解除します!」
「急げ!」
やっと私達の出番です。くっ!古代魔法を使った複雑な作り!これを作った人は素晴らしい魔術師だったに違いありませんが、いかんせん手入れもなく、放って置かれてはあちこちが穴だらけ、壊れかけです。
「良し!停止できました!」
「と、止まった。良かったぁ」
カイ様のほっとした顔が何よりのご褒美です。良かった!
警報を聞きつけて、追っ手がかかる事を懸念しましたが、誰も追いかけては来ません。
「警報がなっても、それを聞き管理して、追走者を出す者がない、と言う事なんでしょうか……」
「恐ろしい事だな」
私達はそうはなりたくないと心から思った物です。
そこからは順調に馬車を乗り換え、我が国へ到着致しました。着くなり待ち構えていた祖霊様達がカイ様に抱きついたり話しかけたり大忙しでした。
私がお世話させていただいているレンレン様もお迎えに来られていて、元々細い猫の目を更に細くして喜んでいらっしゃいました。
「お帰りやーノル坊。頑張ったなぁ」
「ははっ!大体王子がやってくれましたから」
魔力の高い者には見える巨大な祖霊の猫様達。この国の者は猫様のお姿が見たくて魔力を磨く者も少なくないんですよ。
「そうやな、王子とカイちゃんは良き縁で結ばれとる。ええこっちゃ」
「そうですかー。私には良縁はありませんかね?」
一応聞くと、ないわ!がはは!と笑われた。こんのデブ猫め!
「ノル坊?なんか言うたかあ?」
「何にもいってません!あーあ!早く我が家の猫達に会いたいなー」
ふふ、これで何年も続いた「ケットシー様捜査室」は廃止となるでしょうね。でも私達はちゃんと別の仕事を割り当てられますし、クビになったら猫医師の免許もありますから、開業しても良いかもしれません。
「せやな!あいつらもきっとノル坊の事、待っとるで!」
ふふ、今日は猫まみれで良く眠れそうです。カイ様には後日ゆっくりご案内をするとして、今夜は我が家の猫達に私の活躍を褒めて貰わねばなりません。
お店で高級おやつを買って家に帰るのでした。
魔術師の呟き 終
「黙れ、馬鹿者!バレるでしょう!」
私の名前はノル。キルリス王子の側近としてこの国に潜入した「ケットシー様捜索室」のエースである。因みに同居猫はイッチ、ニーチ、サンチの3匹でみんな超美猫だ。
あと祖霊様の一方、レンレン様のお世話もしている位、凄腕の魔術師なのだ。
私と猫達の事を考えている場合ではなかった。今私達は絶対に失敗できない任務の真っ最中なのだ。
やっと昔に誘拐されたケットシー様の行方を掴み、我が国へお帰り願う任務中なんだから。
そして我々の目を釘付けにしている方。あああ!何という事だ!人の姿に押し込められているとは言え、全身から立ち登る猫気!我が国ののものなら、駆け寄って喉の下をゴロゴロ撫でずにはいられないくらい血が騒ぎまくる!
「酷い」「なんてこと」「萎縮してしまっている」「痩せ過ぎでは?」「オドオドして……よっぽど」
私と共に来た魔術師は5人。魔術師は元より、騎士から全てが怒りで震える拳を隠した。大量の間者から送られてきた情報より酷いカイ様の様子に我を忘れそうになる。
「キルリス王子」
「分かっている、やるぞ」
「はっ!」
我が国の王子はおモテになる。そんな王子に寄ってくる有象無象からガードしつつ、王子がカイ様と接触しやすいように誘導する。
良し、もう少し。と言うところで、何と言う事だろうか!カイ様の細くてか弱い体に体当たりしてきた趣味の悪い真っ赤なドレスと、鼻の曲がりそうな腐った薔薇の香水を振りかけた下品な女!
あいつ、殺そう!
我々の心は一つになったが、我らが王子は流石王子の振る舞いをする。
「危ない」
「え、あっ!あ……!!」
倒れそうになるカイ様をさっと腕に仕舞い込んだ。くっ!流石王子!憎い敵を攻撃するより、カイ様の安全を優先するとは!我々はまだまだ甘いのですね、レンレン様!
キルリス王子はレンレン占いの
「今日は白い服が良い」
の、予言に従って着てきた真っ白な礼服。それにカイ様は持っていた赤いワインを思いっきり溢してしまいました。
ええ!ええ!カイ様は悪くないんです。あのカイ様をみてニヤニヤしている女が悪いんです。それなのにこの国の王子は頭からカイ様を怒鳴りつけます。
猫に大声?!非常識にも程がある!そんな大声で言わなくても、猫は耳が良いですからね!聞こえてますけど?!
イライラとしますが、ここは上手く演技で通します。
「我が国にお連れしても?」
おお!キルリス王子の魔力を纏った言葉です。相手の心を少しだけ縛る言葉。この国では魔術もかなり衰退しているようで、誰もキルリス王子の魔法には気づかないんです。
カイ様のお力に縋りすぎです、馬鹿じゃないんだろうか!
そしてなんの疑問も思わないなんて阿呆かな?いや、仕事がし易くて良いかも……ここでしくじったら元の木阿弥だ、慎重に……。
「カイさんと一緒に指輪も……」
お、王子!そんなはっきり言っては、感づかれ……ない?!嘘だろう?!あんなに封じの魔力の溢れる要の品を?!
何故、封じの鍵の子であるジーク王子にしか開けられないのか、考えた事はないのか?!こいつら頭の中身空っぽなのか?!
金目のケットシーを封じるのに相応しい、金の猫目石がとても美しい力のある指輪だ……凄い欲しい。
「にゃっ!」
「あっ!」
本能で自分を縛りつける要だと気がついたのかカイ様が指輪に飛びかかった!いけません!いけません!バレてしまいます!
「みな!」
「はい!王子!」
私達全員でカイ様を囲みました!ここの国、他の者にも気付かれてはならないのです。人間の壁です!
「カイ様!小魚です!」
我が国の者なら必ずポケットに忍ばせている猫のおやつをさっと取り出します。
「にゃ?!」
カイ様はおやつを初めて見たのか、珍しそうに目を丸くしました。くっ!可愛いし美しい!なんたる美猫!我が家の猫の次に素晴らしい猫様だ!
「カイ様!ふわふわのチリンチリンですよ!」
「にゃっ?!」
我が国の人間ならば誰でも一つは携帯している猫じゃらしを別のものが取り出します。初めて猫じゃらしを見たのでしょうか?びっくりしています。なんとお可愛らしい!我が家の猫の次に……おっとっと。
出来る我が国の王子は我ら魔術師の手を借りずにさっさとカイ様の契約をジーク王子から自分に書き換えてしまいました。わ、私達の仕事は……?!
……今はカイ様を安全に我が国へお連れするのが最優先です。私の安いプライドなど、カイ様の前ではゴミです!ゴミ!ポイです!
しかし、ほぼ苦労もせずにカイ様と指輪を手に入れました。いえ、まだ敵国内です。油断はいけません。見送りの衛兵も怪しく感じますが、我らは務めて冷静に振る舞い、王宮を後にしました。
「急げ!我が国の高速馬車を使う!」
「勿論でございます!」
我が国の御者と魔術師がペアで操る高速馬車は馬に身体強化、車体を軽くしながら駆けるもので、物凄いスピードが出ます。
馬達も高速移動、身体強化訓練を受けた馬で、街道沿い各所に配置済みです。真夜中の走行も恐ろしいですが、良く訓練された馬は御者に従い走り出します。
魔物が出てきたら騎士団が立ちはだかり、相手をしてくれるでしょう。我らはとにかく早く安全な我が国へカイ様をお連れする事を最優先します。
「国境です!」
「国越えの準備を!!」
国には結界が張られている事も多く、中の物は引き止め、外から来る物は弾く、そんな性質がある物が多いのです。
「王子、カイ様を」
「ああ」
「にゃっ?な、何ですか」
何も説明をされていないのに、大人しく王子に抱っこされるカイ様。指輪のせいもあるようですが、完全に気を許していらっしゃる!くっ!羨ましいーー!
はっ!仕事仕事。
王子とカイ様の気を同化させ、王子一人であるかのように偽装。……ううん……カイ様の巨大で愛らしい猫気は隠しきれません!
キルリス王子も気がついたようでこのまま国境越えに挑みました。
「にゃあ……う、うるさい……」
「警報です!やはりありました!解除します!」
「急げ!」
やっと私達の出番です。くっ!古代魔法を使った複雑な作り!これを作った人は素晴らしい魔術師だったに違いありませんが、いかんせん手入れもなく、放って置かれてはあちこちが穴だらけ、壊れかけです。
「良し!停止できました!」
「と、止まった。良かったぁ」
カイ様のほっとした顔が何よりのご褒美です。良かった!
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「恐ろしい事だな」
私達はそうはなりたくないと心から思った物です。
そこからは順調に馬車を乗り換え、我が国へ到着致しました。着くなり待ち構えていた祖霊様達がカイ様に抱きついたり話しかけたり大忙しでした。
私がお世話させていただいているレンレン様もお迎えに来られていて、元々細い猫の目を更に細くして喜んでいらっしゃいました。
「お帰りやーノル坊。頑張ったなぁ」
「ははっ!大体王子がやってくれましたから」
魔力の高い者には見える巨大な祖霊の猫様達。この国の者は猫様のお姿が見たくて魔力を磨く者も少なくないんですよ。
「そうやな、王子とカイちゃんは良き縁で結ばれとる。ええこっちゃ」
「そうですかー。私には良縁はありませんかね?」
一応聞くと、ないわ!がはは!と笑われた。こんのデブ猫め!
「ノル坊?なんか言うたかあ?」
「何にもいってません!あーあ!早く我が家の猫達に会いたいなー」
ふふ、これで何年も続いた「ケットシー様捜査室」は廃止となるでしょうね。でも私達はちゃんと別の仕事を割り当てられますし、クビになったら猫医師の免許もありますから、開業しても良いかもしれません。
「せやな!あいつらもきっとノル坊の事、待っとるで!」
ふふ、今日は猫まみれで良く眠れそうです。カイ様には後日ゆっくりご案内をするとして、今夜は我が家の猫達に私の活躍を褒めて貰わねばなりません。
お店で高級おやつを買って家に帰るのでした。
魔術師の呟き 終
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