23 / 71
キノ殺
23 シャラ
しおりを挟む
「そのキノコはウチのだって言ってんだろぉ?!」
「ええやろ!!キノコの1本や2本!寄越せぇよ!」
俺が権限行使を使ったので、土の精霊王に俺の居場所がすぐに通じた。こんな暑い所に来てくれるなんて、良い上司だなぁ!
「そのキノコは俺の奥さんが気に入ってんだ!返して貰おう!」
「んだと?!われぇ!そのキノコをウチの嫁にしてやるんだぞ?文句あっか!」
「格上げじゃん?」
「喜べよ」
「良い話じゃないか、受けろよ」
阿呆上司!滅びろ!
「暑くて無理でーす」
「我慢しろ!」
「エドヴァルド様は私の妻にしますから、精霊王様は別の者でお願いします」
「話がややこやしくなるから、シャラ殿は黙って!」
自己主張が激しすぎます。
「精霊王様には私の姉でも妹でも好きな者を差し出しますから、そちらで我慢してください!」
「いや、キノコで」
「キノコは私が貰います!」
「そのキノコは森に返せ!」
「大事にしますから!キノコください」
「わしだって大事にするぞ!焼きキノコにせーへんようにするわ」
「最初からキノコはウチのなんだよ!」
精霊王に食ってかかるシャラ殿の胆力はすごいがキノコ的にはもう疲れたわ。
「寝よ」
俺は菌糸に戻ってすややかに眠りについた。
「エドヴァルド様は私の妻になってアージェンに住んでいただく事になりました」
シャラ殿!精霊王様に勝ったのか!
「私の一念をなめてもらっては困ります」
「何があったの……!?」
「火の精霊王様には私の妹がお仕えする事になりました」
「土の精霊王様には必ず幸せにすると誓って参りました」
「……俺の意思は?」
「大丈夫、私達は相思相愛ですから」
「いつの間に?!」
「ずっと以前からじゃないですか……!」
シャラ殿?シャラ殿?この人、妄想が酷い!
シャラ殿は俺を抱えて歩く。どこに行くにも片時も離さないし、俺には室内履すら用意して貰えなかった。
「私の可愛いキノコさんはいつになったら、愛の結晶を宿してくれるのでしょうか?」
「……何を妄想したのか知りませんが、キノコは胞子で増えますからね?」
シャラ殿は少し首を傾げたが
「私とあなたの子供がそんなにたくさん居たとは」
何かを妄想したのだろう。優しく手を伸ばし、俺を抱き上げる。嫌だと拒否してみても丸々無視されるか
「可愛いお口を塞いでしまいましょうね?」
「ちょっ!ちょっと!こんな所でっ」
どこでもサカろうとするのやめて!こっちは羞恥を知るキノコなんだから!
シャラ・ラジール・アージェンは見目良い男だ。白金の髪に浅黒い肌、青い瞳で均整のとれた長い手足。柔和な笑みを浮かべ、アージェンの王子だと言う。
「エドヴァルド様」
優しく、優しい声で俺を呼ぶ。まるで宝物のように、大切に扱い腕の中に囲い込む。
「エドヴァルド様」
熱っぽい青い瞳のその奥。
「シャラ殿、私達はいつから愛し合っていたのですか?」
驚いて、目を丸くしたが
「私達の出会いを忘れてしまうなんて、なんていけない人なんでしょう?」
首筋をなぞり、そのまま下へ。トン、と心臓の上で止まった。
「10年前、ここに私の愛を打ち込んだでしょう?あなたは優しく受け止めてくれたじゃないですか」
青い狂気が揺れていた。
そうかシャラ殿、あなたがエドヴァルドを殺したのか。
「ええやろ!!キノコの1本や2本!寄越せぇよ!」
俺が権限行使を使ったので、土の精霊王に俺の居場所がすぐに通じた。こんな暑い所に来てくれるなんて、良い上司だなぁ!
「そのキノコは俺の奥さんが気に入ってんだ!返して貰おう!」
「んだと?!われぇ!そのキノコをウチの嫁にしてやるんだぞ?文句あっか!」
「格上げじゃん?」
「喜べよ」
「良い話じゃないか、受けろよ」
阿呆上司!滅びろ!
「暑くて無理でーす」
「我慢しろ!」
「エドヴァルド様は私の妻にしますから、精霊王様は別の者でお願いします」
「話がややこやしくなるから、シャラ殿は黙って!」
自己主張が激しすぎます。
「精霊王様には私の姉でも妹でも好きな者を差し出しますから、そちらで我慢してください!」
「いや、キノコで」
「キノコは私が貰います!」
「そのキノコは森に返せ!」
「大事にしますから!キノコください」
「わしだって大事にするぞ!焼きキノコにせーへんようにするわ」
「最初からキノコはウチのなんだよ!」
精霊王に食ってかかるシャラ殿の胆力はすごいがキノコ的にはもう疲れたわ。
「寝よ」
俺は菌糸に戻ってすややかに眠りについた。
「エドヴァルド様は私の妻になってアージェンに住んでいただく事になりました」
シャラ殿!精霊王様に勝ったのか!
「私の一念をなめてもらっては困ります」
「何があったの……!?」
「火の精霊王様には私の妹がお仕えする事になりました」
「土の精霊王様には必ず幸せにすると誓って参りました」
「……俺の意思は?」
「大丈夫、私達は相思相愛ですから」
「いつの間に?!」
「ずっと以前からじゃないですか……!」
シャラ殿?シャラ殿?この人、妄想が酷い!
シャラ殿は俺を抱えて歩く。どこに行くにも片時も離さないし、俺には室内履すら用意して貰えなかった。
「私の可愛いキノコさんはいつになったら、愛の結晶を宿してくれるのでしょうか?」
「……何を妄想したのか知りませんが、キノコは胞子で増えますからね?」
シャラ殿は少し首を傾げたが
「私とあなたの子供がそんなにたくさん居たとは」
何かを妄想したのだろう。優しく手を伸ばし、俺を抱き上げる。嫌だと拒否してみても丸々無視されるか
「可愛いお口を塞いでしまいましょうね?」
「ちょっ!ちょっと!こんな所でっ」
どこでもサカろうとするのやめて!こっちは羞恥を知るキノコなんだから!
シャラ・ラジール・アージェンは見目良い男だ。白金の髪に浅黒い肌、青い瞳で均整のとれた長い手足。柔和な笑みを浮かべ、アージェンの王子だと言う。
「エドヴァルド様」
優しく、優しい声で俺を呼ぶ。まるで宝物のように、大切に扱い腕の中に囲い込む。
「エドヴァルド様」
熱っぽい青い瞳のその奥。
「シャラ殿、私達はいつから愛し合っていたのですか?」
驚いて、目を丸くしたが
「私達の出会いを忘れてしまうなんて、なんていけない人なんでしょう?」
首筋をなぞり、そのまま下へ。トン、と心臓の上で止まった。
「10年前、ここに私の愛を打ち込んだでしょう?あなたは優しく受け止めてくれたじゃないですか」
青い狂気が揺れていた。
そうかシャラ殿、あなたがエドヴァルドを殺したのか。
45
あなたにおすすめの小説
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
真空ベータの最強執事は辞職したい~フェロモン無効体質でアルファの王子様たちの精神安定剤になってしまった結果、執着溺愛されています~
水凪しおん
BL
フェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。
アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。
氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。
「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」
辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。
これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!
性技Lv.99、努力Lv.10000、執着Lv.10000の勇者が攻めてきた!
モト
BL
異世界転生したら弱い悪魔になっていました。でも、異世界転生あるあるのスキル表を見る事が出来た俺は、自分にはとんでもない天性資質が備わっている事を知る。
その天性資質を使って、エルフちゃんと結婚したい。その為に旅に出て、強い魔物を退治していくうちに何故か魔王になってしまった。
魔王城で仕方なく引きこもり生活を送っていると、ある日勇者が攻めてきた。
その勇者のスキルは……え!? 性技Lv.99、努力Lv.10000、執着Lv.10000、愛情Max~~!?!?!?!?!?!
ムーンライトノベルズにも投稿しておりすがアルファ版のほうが長編になります。
異世界に転生したら竜騎士たちに愛されました
あいえだ
BL
俺は病気で逝ってから生まれ変わったらしい。ど田舎に生まれ、みんな俺のことを伝説の竜騎士って呼ぶんだけど…なんだそれ?俺は生まれたときから何故か一緒にいるドラゴンと、この大自然でゆるゆる暮らしたいのにみんな王宮に行けって言う…。王宮では竜騎士イケメン二人に愛されて…。
完結済みです。
7回BL大賞エントリーします。
表紙、本文中のイラストは自作。キャライラストなどはTwitterに順次上げてます(@aieda_kei)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる