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精霊姫の成れの果て
32 信じられるか!
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「では次は俺に付き合って貰いたいな」
剣を抜いて、一歩ナルジェルに詰め寄った。
「来るな!」
「いや、行く」
悪霊が押し寄せて、俺を包み込む。だがな?ナルジェル、忘れていないか?
「お前の可愛い悪霊達は俺の可愛い悪霊達でもあるんだ。大体はお前の言う事を聞くだろうけど、俺の言う事も聞いてくれるんだぜ?」
「嘘だ!お前は悪霊を愛していないじゃないか!」
「何故?俺とお前の子供達を何故俺が愛していないと思ったんだ?死んだから?黒くなったから?ちょっといたずらが過ぎるようになったから?大した事じゃない」
黒いふわふわは俺を包むが、足を止めることは出来ない。だって、俺の事を愛しているもんな?
一歩、また一歩と近づきナルジェルの手首を捕まえた。
「さて、屋敷に行って貰おうか?」
「断る」
「良いから屋敷まで飛んでくれ」
ぐっ、と嫌な顔をしたが、ナルジェルの足元には黒い水たまりが出来、俺達2人は沈み始め、屋敷の前に姿を現した。
「ナルジェル、お前精霊姫でも魔女でも……どっちでも大して強くないな」
「うっ!うるさい!!!」
「はいはい。行くぞ!」
「引っ張るな!」
俺は強引にナルジェルを屋敷の中に連れ込んだ。
「離せ!」
「駄目だ」
慣れ親しんだ廊下を進み、階段を登る。悪霊にまとわりつかれ、屋敷の使用人達はみなぐったりと壁にもたれかかっている。
中は荒れていたが、まあ仕方がない。
「離せと言っている!!」
悪霊が使えないナルジェルは……うん、俺には勝てない。知らなかったんだろうな、きっと歴代の魔女達の大地の子は精霊姫が魔女になった後に、大地の子に会えなかったんだろう。
だから悪霊となった精霊達が大地の子の事もそれなりに愛している事を知らなかったんだ。
俺は屋敷の中を進み、俺達の部屋に着いた。扉を開けると、この部屋だけは誰も侵入しなかったようで、きれいに整えてられていた。
「さて、ナルジェル。久しぶりにお前の声が聞きたいな?」
「ひっ!う、嘘だろ……っ!魔女を抱くのか!?」
その台詞は本心だった。
「ひっ!ひ……っ!」
泣いてはいないが、喉を震わせてナルジェルは喘いでいる。死んでも生き返っても。精霊姫でも魔女でもナルジェルはナルジェルだった。
「可愛いよ、ナルジェル」
「ひぃ……っ!」
服を着たまま、下衣だけ剥ぎ取る。途端に大人しくなるのは、本当にいつも通りだ。
「やめてぇ……っ」
柳眉をきゅっと寄せて、嫌がるのも変わらない。いや、むしろ前よりそそる顔だ。
「やめない」
「ひぅ……っ!」
「ちゃんと本心で喋ってるな?」
「あぅ……あぅ……」
久しぶりのせいか、ナルジェルの尻は硬かったが、なんとか入り込む。油断していると俺を殺しにくるだろう。
「ははっ!最初に会った時を思い出す」
「さ、最低っ!最低だ……!」
本心で喋るナルジェルは、何も変わらない。痛みのせいか瞳にいっぱいの涙を溜め、睨みつけてくる目は緑に澄んでいる。この目が大好きだ、嗜虐心をそそってゾクゾクする。たまらない、何もかもが大好きだ。
「さて、本格的にやる前に確かめないとな」
まだ服を着たままのナルジェルの腹をめくってみる。
「ひぃ!、やめろ!」
痛々し気に真っ赤な傷跡が横一文にあった。良く切れる刃物でやったのかザックリ切った傷跡は、一応塞がっていた。
「痛むか?」
そっと少し盛り上がった傷に指を乗せてみる。
「痛む!」
涙目で叫ばれた。不味いな、中までやったのか……?
「傷が?」
「尻が!!」
……流石、我が妻。
「じゃあなるべく優しく、気持ちよくしてやる」
「止めると言う選択肢がない!」
「ないなあ、我慢してるんだ」
来るなは来て欲しい事。
消えろ!は側にいて欲しい事。
「やめろ!離せ!!」
抱き締めて欲しい事。すぐに気がつかなくてごめんな。いついかなる時でも精霊姫を1人にしてはいけない事。
「もう、ずっと離さないから」
「うるさい、信じられるか!」
緑の瞳からポロポロと涙が溢れるから、それをぎゅっと抱き締めた。
剣を抜いて、一歩ナルジェルに詰め寄った。
「来るな!」
「いや、行く」
悪霊が押し寄せて、俺を包み込む。だがな?ナルジェル、忘れていないか?
「お前の可愛い悪霊達は俺の可愛い悪霊達でもあるんだ。大体はお前の言う事を聞くだろうけど、俺の言う事も聞いてくれるんだぜ?」
「嘘だ!お前は悪霊を愛していないじゃないか!」
「何故?俺とお前の子供達を何故俺が愛していないと思ったんだ?死んだから?黒くなったから?ちょっといたずらが過ぎるようになったから?大した事じゃない」
黒いふわふわは俺を包むが、足を止めることは出来ない。だって、俺の事を愛しているもんな?
一歩、また一歩と近づきナルジェルの手首を捕まえた。
「さて、屋敷に行って貰おうか?」
「断る」
「良いから屋敷まで飛んでくれ」
ぐっ、と嫌な顔をしたが、ナルジェルの足元には黒い水たまりが出来、俺達2人は沈み始め、屋敷の前に姿を現した。
「ナルジェル、お前精霊姫でも魔女でも……どっちでも大して強くないな」
「うっ!うるさい!!!」
「はいはい。行くぞ!」
「引っ張るな!」
俺は強引にナルジェルを屋敷の中に連れ込んだ。
「離せ!」
「駄目だ」
慣れ親しんだ廊下を進み、階段を登る。悪霊にまとわりつかれ、屋敷の使用人達はみなぐったりと壁にもたれかかっている。
中は荒れていたが、まあ仕方がない。
「離せと言っている!!」
悪霊が使えないナルジェルは……うん、俺には勝てない。知らなかったんだろうな、きっと歴代の魔女達の大地の子は精霊姫が魔女になった後に、大地の子に会えなかったんだろう。
だから悪霊となった精霊達が大地の子の事もそれなりに愛している事を知らなかったんだ。
俺は屋敷の中を進み、俺達の部屋に着いた。扉を開けると、この部屋だけは誰も侵入しなかったようで、きれいに整えてられていた。
「さて、ナルジェル。久しぶりにお前の声が聞きたいな?」
「ひっ!う、嘘だろ……っ!魔女を抱くのか!?」
その台詞は本心だった。
「ひっ!ひ……っ!」
泣いてはいないが、喉を震わせてナルジェルは喘いでいる。死んでも生き返っても。精霊姫でも魔女でもナルジェルはナルジェルだった。
「可愛いよ、ナルジェル」
「ひぃ……っ!」
服を着たまま、下衣だけ剥ぎ取る。途端に大人しくなるのは、本当にいつも通りだ。
「やめてぇ……っ」
柳眉をきゅっと寄せて、嫌がるのも変わらない。いや、むしろ前よりそそる顔だ。
「やめない」
「ひぅ……っ!」
「ちゃんと本心で喋ってるな?」
「あぅ……あぅ……」
久しぶりのせいか、ナルジェルの尻は硬かったが、なんとか入り込む。油断していると俺を殺しにくるだろう。
「ははっ!最初に会った時を思い出す」
「さ、最低っ!最低だ……!」
本心で喋るナルジェルは、何も変わらない。痛みのせいか瞳にいっぱいの涙を溜め、睨みつけてくる目は緑に澄んでいる。この目が大好きだ、嗜虐心をそそってゾクゾクする。たまらない、何もかもが大好きだ。
「さて、本格的にやる前に確かめないとな」
まだ服を着たままのナルジェルの腹をめくってみる。
「ひぃ!、やめろ!」
痛々し気に真っ赤な傷跡が横一文にあった。良く切れる刃物でやったのかザックリ切った傷跡は、一応塞がっていた。
「痛むか?」
そっと少し盛り上がった傷に指を乗せてみる。
「痛む!」
涙目で叫ばれた。不味いな、中までやったのか……?
「傷が?」
「尻が!!」
……流石、我が妻。
「じゃあなるべく優しく、気持ちよくしてやる」
「止めると言う選択肢がない!」
「ないなあ、我慢してるんだ」
来るなは来て欲しい事。
消えろ!は側にいて欲しい事。
「やめろ!離せ!!」
抱き締めて欲しい事。すぐに気がつかなくてごめんな。いついかなる時でも精霊姫を1人にしてはいけない事。
「もう、ずっと離さないから」
「うるさい、信じられるか!」
緑の瞳からポロポロと涙が溢れるから、それをぎゅっと抱き締めた。
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