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27 失礼な小物だ
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「な、なんだよ……それ。普通は私のように素晴らしい男と結婚できるんだ、涙を流して喜び金をたくさん持ってくるところだろう?」
ダニエル様は自分の主張に一切間違いがないといい連ねますが、私達にはそれは哀れで滑稽なものにしかみえなくなっています。
「確か、ダニエル・クロムウェル伯爵令息だね。君は一体何をいっているんだ? 素晴らしい? 涙を流す? 金を持ってこい? 寝言なら帰ってから家のベッドで行ってくれたまえ。我が家の可愛いパトリシアはここにいるリオネル・カランザと私が認めた。君は呼んでもいないからどこぞへ消えてくれないか?」
「で、でも! ミゾリー伯爵!」
「私はミズリーだとこれで注意するのは二度目だな。本当に失礼な奴だ、腹立たしい」
先ほど訂正されたこともすぐ忘れたダニエル様は何故か私に救いを求めてきた。
「も、申し訳ございません、ミズリー伯爵。早く、パトリシアからもとりなしをするんだ! 急げ」
「なぜ、パトリシア嬢が君の失敗のしりぬぐいをしなければならない? 意味が分からないよ。それにパトリシア嬢に命令するのは今後一切しないで貰おう、本当に失礼な奴だ」
「なあっ!」
ダニエル様の言葉を思いっきり叩き落してリオネル様は私の手を取る。
「あんな理不尽な要求は君の耳に入れる必要さえないよ、パトリシア嬢」
「あ、ありがとうございます……リオネル様」
そのまま手の甲に口づけでも落としそうなリオネル様にダニエル様のことはどうでもよくなった。以前ならダニエル様との関係を少しでも良くしようと彼の理不尽な要求にもできるだけ応えてきた。でも今はそんな必要はない。もうダニエル様と関りになることもない……私にはお義父様もいてくれるし、この場にいらっしゃらないがお兄様も二人もいる……そしてリオネル様がずっと一緒にいて支えてくださる。何でも一人で背負っていかなくてもいいとこの短期間で皆に教えて貰った。だからもうダニエル様は必要ない。
「ダニエル・クロムウェル。君がパトリシアの婚約者としてミズリー家の一員になることは未来永劫あり得ない。衛兵を呼ぶ前にさっさと帰ることをお薦めするよ」
「ぐ……ぐぬぬっ……」
ダニエル様は怒りに震えながらも、リオネル様に言い返すことができなくなっていた。リオネル様の方が一枚も二枚も上手だった。
「まあこの程度の小物ならば追い返して当然だな」
と、お義父様もリオネル様を認めていらっしゃる……私が褒められたわけではないけれど、少し嬉しかった。
「えー、でもぉダニエル様は私の婚約者で良かったじゃないですか~うふふっ」
耳障りでわざとらしいべたつく声を上げてユリシアがダニエル様の腕を取る。場違いな行動に流石のダニエル様も振りほどこうとしたようだが、意外とユリシアの腕力はあって、べったりと体を寄せている。
「だってぇ~お姉様がこの家の養女なら私だってそうだわぁ~だから、ダニエル様はぁ私と結婚して、お姉様からお金と爵位を貰えばいいのよ~簡単ね!」
「え……? ユリシア、あなた何をいっているの?」
いつも理解できなかったけれど、ユリシアの言動は今回は特別理解できなかった。
ダニエル様は自分の主張に一切間違いがないといい連ねますが、私達にはそれは哀れで滑稽なものにしかみえなくなっています。
「確か、ダニエル・クロムウェル伯爵令息だね。君は一体何をいっているんだ? 素晴らしい? 涙を流す? 金を持ってこい? 寝言なら帰ってから家のベッドで行ってくれたまえ。我が家の可愛いパトリシアはここにいるリオネル・カランザと私が認めた。君は呼んでもいないからどこぞへ消えてくれないか?」
「で、でも! ミゾリー伯爵!」
「私はミズリーだとこれで注意するのは二度目だな。本当に失礼な奴だ、腹立たしい」
先ほど訂正されたこともすぐ忘れたダニエル様は何故か私に救いを求めてきた。
「も、申し訳ございません、ミズリー伯爵。早く、パトリシアからもとりなしをするんだ! 急げ」
「なぜ、パトリシア嬢が君の失敗のしりぬぐいをしなければならない? 意味が分からないよ。それにパトリシア嬢に命令するのは今後一切しないで貰おう、本当に失礼な奴だ」
「なあっ!」
ダニエル様の言葉を思いっきり叩き落してリオネル様は私の手を取る。
「あんな理不尽な要求は君の耳に入れる必要さえないよ、パトリシア嬢」
「あ、ありがとうございます……リオネル様」
そのまま手の甲に口づけでも落としそうなリオネル様にダニエル様のことはどうでもよくなった。以前ならダニエル様との関係を少しでも良くしようと彼の理不尽な要求にもできるだけ応えてきた。でも今はそんな必要はない。もうダニエル様と関りになることもない……私にはお義父様もいてくれるし、この場にいらっしゃらないがお兄様も二人もいる……そしてリオネル様がずっと一緒にいて支えてくださる。何でも一人で背負っていかなくてもいいとこの短期間で皆に教えて貰った。だからもうダニエル様は必要ない。
「ダニエル・クロムウェル。君がパトリシアの婚約者としてミズリー家の一員になることは未来永劫あり得ない。衛兵を呼ぶ前にさっさと帰ることをお薦めするよ」
「ぐ……ぐぬぬっ……」
ダニエル様は怒りに震えながらも、リオネル様に言い返すことができなくなっていた。リオネル様の方が一枚も二枚も上手だった。
「まあこの程度の小物ならば追い返して当然だな」
と、お義父様もリオネル様を認めていらっしゃる……私が褒められたわけではないけれど、少し嬉しかった。
「えー、でもぉダニエル様は私の婚約者で良かったじゃないですか~うふふっ」
耳障りでわざとらしいべたつく声を上げてユリシアがダニエル様の腕を取る。場違いな行動に流石のダニエル様も振りほどこうとしたようだが、意外とユリシアの腕力はあって、べったりと体を寄せている。
「だってぇ~お姉様がこの家の養女なら私だってそうだわぁ~だから、ダニエル様はぁ私と結婚して、お姉様からお金と爵位を貰えばいいのよ~簡単ね!」
「え……? ユリシア、あなた何をいっているの?」
いつも理解できなかったけれど、ユリシアの言動は今回は特別理解できなかった。
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