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18 モルガットの伯父と伯母は素敵な人達
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「学園へ通いたい? もちろん賛成だよ。セルジオ先生によろしく言っておいてくれ。あと例の物はバーグ家へ送っておいたから」
「えっと……私宛の贈り物でしたっけ?」
「ああ、セラフィーナが好みそうな小さな白い花のイヤリングだ。目立たないけれど上品で結構値の張る逸品だ、裏側に君の名前が彫ってある」
「……はい……」
伯父様は何故か私へのプレゼントをバーグ家へ送ると提案してきた。
「本当にセラフィーナ宛の荷物をあいつらが横取りしていたのか確かめたくてね。内部調査は進めているけれど、決定的な証拠はいくつあってもいいから」
「……分かりました」
それでどんなことが起きるか分からなかったけれど、伯父様がやるというのなら私に反対する気はない。それに今後の学費もモルガット家で負担してくれるというし、生活費や学園が休みの時に帰宅する場所もこちらの家へということになった。お祖父様とお祖母様がバーグ家へ帰るのはやめてほしいと願ったからだ。
本当にそんなお世話になって良いのかと聞くと、むしろいてくれないと困るとまで言われた。
「父と母はああ見えて心配性だからね。バーグ家に戻るなんていったら、倒れてしまうよ! その後私を何年もくどくど責め続けるに違いない……私を助けると思って頼む!」
「い、良いのでしょうか……?」
「構わんとも! エミリアの部屋もそのまま残っているんだ。全部君の物だから好きに使ってくれ」
「お母様の部屋……!」
お父様とお母様の記憶が薄くなりかけている私には、何よりお母様の部屋に心惹かれた。メイドに案内されていくと、日当たりのいい中庭が良く見える部屋に通された。
「……きれい……」
そこはよく手入れのされた女性らしい部屋で、落ち着いてはいるが、花の模様が入った壁紙やレースのカーテンが揺れていた。バーグ家で私の部屋として割り当てられた日当たりもなく、破れてシミだらけの壁紙とギシギシ軋む床の部屋とはまるで違っていた。
小ぶりな勉強机と、大きな鏡のついた鏡台もあり、本棚にはわずかばかり本が並んでいる。埃は掃除されているけれど本は色褪せていて、この部屋の主は長い間、この部屋に訪れていないことが見て取れた。
軽く扉がノックされ、返事をするとクラウス伯父様の奥様である、リリー様がやってきた。
「こんにちは、セラフィーナ。私はリリー、あなたの伯母よ。あなたが本当の赤ちゃんの時に一度会っているのだけれど、初対面のようなものね。これからよろしくね」
「リリー様……すみません、私のようなものがお邪魔してしまい」
「あら! 構わないわ。私の子供達は二人とも男だから、娘ができたようで嬉しいの。エミリアの部屋も掃除はしていたんだけど、足りないものがあったら言ってね。仲良くしてちょうだい、セラフィーナ」
「もったいないお言葉です!」
「ふふっ、礼儀正しいのね、そういう所はハワードそっくりだわ。でも一つだけ注文をつけさせて?」
「な、なんでしょうか?」
リリー伯母様はちょっと真剣そうな顔でおっしゃって、私に近づいてきた。
「その髪型は私、気に入らないわ。前髪は上げて頂戴!」
「えっ」
小さな紫色の宝石が付いたピンを2本取り出して、私の前髪を横に留めた。
「うん! やっぱり目を出した方がいいわ。その薄紫の瞳はモルガット家に代々伝わる色ですもの、出していきましょ!」
「あ……」
私は今までジュリアナからの理不尽な暴力や暴言を避ける為に前髪を上げたことがなかった。
「やっぱりエミリアに似て可愛いわ~! お義父様とお義母様にも見せに行きましょ、きっと喜ぶわよ~!」
「は……はい!」
部屋の探索は後からゆっくりさせてもらおうと思う。リリー様は手招きして私を先導してくれた……モルガット家の人達はなんて優しいんだろう。私は前世も含め、あまり体験したことがない親族の優しさというものに触れて自分の心が柔らかくなるのを感じていた。
「えっと……私宛の贈り物でしたっけ?」
「ああ、セラフィーナが好みそうな小さな白い花のイヤリングだ。目立たないけれど上品で結構値の張る逸品だ、裏側に君の名前が彫ってある」
「……はい……」
伯父様は何故か私へのプレゼントをバーグ家へ送ると提案してきた。
「本当にセラフィーナ宛の荷物をあいつらが横取りしていたのか確かめたくてね。内部調査は進めているけれど、決定的な証拠はいくつあってもいいから」
「……分かりました」
それでどんなことが起きるか分からなかったけれど、伯父様がやるというのなら私に反対する気はない。それに今後の学費もモルガット家で負担してくれるというし、生活費や学園が休みの時に帰宅する場所もこちらの家へということになった。お祖父様とお祖母様がバーグ家へ帰るのはやめてほしいと願ったからだ。
本当にそんなお世話になって良いのかと聞くと、むしろいてくれないと困るとまで言われた。
「父と母はああ見えて心配性だからね。バーグ家に戻るなんていったら、倒れてしまうよ! その後私を何年もくどくど責め続けるに違いない……私を助けると思って頼む!」
「い、良いのでしょうか……?」
「構わんとも! エミリアの部屋もそのまま残っているんだ。全部君の物だから好きに使ってくれ」
「お母様の部屋……!」
お父様とお母様の記憶が薄くなりかけている私には、何よりお母様の部屋に心惹かれた。メイドに案内されていくと、日当たりのいい中庭が良く見える部屋に通された。
「……きれい……」
そこはよく手入れのされた女性らしい部屋で、落ち着いてはいるが、花の模様が入った壁紙やレースのカーテンが揺れていた。バーグ家で私の部屋として割り当てられた日当たりもなく、破れてシミだらけの壁紙とギシギシ軋む床の部屋とはまるで違っていた。
小ぶりな勉強机と、大きな鏡のついた鏡台もあり、本棚にはわずかばかり本が並んでいる。埃は掃除されているけれど本は色褪せていて、この部屋の主は長い間、この部屋に訪れていないことが見て取れた。
軽く扉がノックされ、返事をするとクラウス伯父様の奥様である、リリー様がやってきた。
「こんにちは、セラフィーナ。私はリリー、あなたの伯母よ。あなたが本当の赤ちゃんの時に一度会っているのだけれど、初対面のようなものね。これからよろしくね」
「リリー様……すみません、私のようなものがお邪魔してしまい」
「あら! 構わないわ。私の子供達は二人とも男だから、娘ができたようで嬉しいの。エミリアの部屋も掃除はしていたんだけど、足りないものがあったら言ってね。仲良くしてちょうだい、セラフィーナ」
「もったいないお言葉です!」
「ふふっ、礼儀正しいのね、そういう所はハワードそっくりだわ。でも一つだけ注文をつけさせて?」
「な、なんでしょうか?」
リリー伯母様はちょっと真剣そうな顔でおっしゃって、私に近づいてきた。
「その髪型は私、気に入らないわ。前髪は上げて頂戴!」
「えっ」
小さな紫色の宝石が付いたピンを2本取り出して、私の前髪を横に留めた。
「うん! やっぱり目を出した方がいいわ。その薄紫の瞳はモルガット家に代々伝わる色ですもの、出していきましょ!」
「あ……」
私は今までジュリアナからの理不尽な暴力や暴言を避ける為に前髪を上げたことがなかった。
「やっぱりエミリアに似て可愛いわ~! お義父様とお義母様にも見せに行きましょ、きっと喜ぶわよ~!」
「は……はい!」
部屋の探索は後からゆっくりさせてもらおうと思う。リリー様は手招きして私を先導してくれた……モルガット家の人達はなんて優しいんだろう。私は前世も含め、あまり体験したことがない親族の優しさというものに触れて自分の心が柔らかくなるのを感じていた。
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