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34 勝ったな
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議論を交わせるようにと少し広い部屋が用意されていた。正面には国王夫妻が椅子に座って見守り、左側にバーグ伯爵家、ロシュアのセネギー子爵家の当主と……ジュリアナもいた。そして右側には私とモルガット子爵家の伯父様とお祖父様、ルンド子爵……私達の間は机で仕切られ、騎士と衛兵も詰めている。直接手は出せないほど距離は開いていた。
……そしてセルジオ先生がいる。いつも目が隠れるくらい長い前髪は右側を上に上げていて、緑色の瞳がメガネの奥に見える。セルジオ先生ってこんなにかっこ良かったけ? と思うほど、素敵な笑顔で微笑まれ、頬が熱くなって行く。照れて下を向きそうになる私をよそに国王陛下が右手を上げた。
「では、モルガット家当主クラウス」
最初に指名されたのは伯父様だった。伯父様は返事をし一歩前へでる。
「このようなお時間をいただいて恐縮です。この度は我が姪、セラフィーナ・ジョゼは正当なるジョゼ家の跡継ぎであるにも関わらず、後見としていたはずのバーグ伯爵の姦計により無実の罪を着せられ、婚約を破棄された上にジョゼ家まで取り上げようとされました。それはとても看過できるものではない。公平な判断を求めここにやってきました」
朗々と響く伯父様の声は聞こえやすく、情に訴える力もある。流石だと感心してしまった。そして私の方をみて、小さく頷いたので、私も半歩だけ前へでて、伯父様の後ろから国王陛下に礼をする。マナーに則ったきちんとした作法でできたと思う。
国王陛下も、隣にいらっしゃる王妃殿下も小さく頷いて微笑んで下さった……これは合格という事だろう。
「モルガット子爵のいうことは間違いないか? バーグ伯爵よ」
「とんでもございません! 陛下」
バーグ伯爵は当然反論する。
「私は弟の遺児であるセラフィーナを大切に養育して参りました。しかしセラフィーナは我々の好意を破るようなとんでもない娘に育ってしまったのです。勉強はしない、マナーも散々……我が家はセラフィーナにほとほと手を焼いていたのです。その迷惑を一番被ったのが娘のジュリアナでございます」
「国王陛下! 王妃殿下っ! わたくしがジュリアナですわっお見知りおきくださいっ」
ジュリアナは父親であるバーグ伯爵を後ろに押しのける勢いでぐぐっと体を前にのめり込ませた。いくら陛下と妃殿下に顔を覚えて貰いたくてもそれはちょっと露骨すぎるし、見苦しい……。
「こら、ジュリアナ」
「お父様っだって私、陛下にお会いしたのは初めてで……」
「仕方のない子だなあ」
国王陛下と王妃殿下は口元にうっすらとした笑みの形を作ったままでバーグ伯爵とジュリアナを見ている。こ、怖い……陛下と妃殿下の周りだけ辺りに気温がぐっと下がった気がする……あ、あれは怒っている、間違いない。私だってジュリアナのあの態度は酷いと思う……まるで礼儀を知らない小さな子供のような振る舞い、そしてそれを叱責しない父親。どれをとってもあり得ない。
クラウス伯父様はどう思っているんだろうと、そっと顔を上げ表情を見ると満面の笑みだ。これはバーグ伯爵側の大失点を喜んでいる! 当然お祖父様も……ルンド子爵まで!? あっセルジオ先生まで暖かい笑みで私を見ている。
確かにあのジュリアナの子供じみた態度は私と見比べられるだろう。しかもジュリアナの方が年上なのに当主を押しのけ前へ出たり、発言を許された訳でもないのに喋ったり……ついでに言えばきっとジュリアナの派手なドレスも王妃殿下の不快感を買い集めているだろうな……。ジュリアナはこんな裁判みたいな呼び出しなのに真っ赤なドレスを着ている。しかもフリルやレースがゴテゴテについていて、前世でいう所のゴスロリを盛りに盛ったような派手な装いだ。夜会でもこれほどフリルが多いドレスを着ている淑女はいないと思う。
「勝ったな」
クラウス伯父様の小さな呟き。私の傍にいる人達はそれに小さく笑い全員同意した。
……そしてセルジオ先生がいる。いつも目が隠れるくらい長い前髪は右側を上に上げていて、緑色の瞳がメガネの奥に見える。セルジオ先生ってこんなにかっこ良かったけ? と思うほど、素敵な笑顔で微笑まれ、頬が熱くなって行く。照れて下を向きそうになる私をよそに国王陛下が右手を上げた。
「では、モルガット家当主クラウス」
最初に指名されたのは伯父様だった。伯父様は返事をし一歩前へでる。
「このようなお時間をいただいて恐縮です。この度は我が姪、セラフィーナ・ジョゼは正当なるジョゼ家の跡継ぎであるにも関わらず、後見としていたはずのバーグ伯爵の姦計により無実の罪を着せられ、婚約を破棄された上にジョゼ家まで取り上げようとされました。それはとても看過できるものではない。公平な判断を求めここにやってきました」
朗々と響く伯父様の声は聞こえやすく、情に訴える力もある。流石だと感心してしまった。そして私の方をみて、小さく頷いたので、私も半歩だけ前へでて、伯父様の後ろから国王陛下に礼をする。マナーに則ったきちんとした作法でできたと思う。
国王陛下も、隣にいらっしゃる王妃殿下も小さく頷いて微笑んで下さった……これは合格という事だろう。
「モルガット子爵のいうことは間違いないか? バーグ伯爵よ」
「とんでもございません! 陛下」
バーグ伯爵は当然反論する。
「私は弟の遺児であるセラフィーナを大切に養育して参りました。しかしセラフィーナは我々の好意を破るようなとんでもない娘に育ってしまったのです。勉強はしない、マナーも散々……我が家はセラフィーナにほとほと手を焼いていたのです。その迷惑を一番被ったのが娘のジュリアナでございます」
「国王陛下! 王妃殿下っ! わたくしがジュリアナですわっお見知りおきくださいっ」
ジュリアナは父親であるバーグ伯爵を後ろに押しのける勢いでぐぐっと体を前にのめり込ませた。いくら陛下と妃殿下に顔を覚えて貰いたくてもそれはちょっと露骨すぎるし、見苦しい……。
「こら、ジュリアナ」
「お父様っだって私、陛下にお会いしたのは初めてで……」
「仕方のない子だなあ」
国王陛下と王妃殿下は口元にうっすらとした笑みの形を作ったままでバーグ伯爵とジュリアナを見ている。こ、怖い……陛下と妃殿下の周りだけ辺りに気温がぐっと下がった気がする……あ、あれは怒っている、間違いない。私だってジュリアナのあの態度は酷いと思う……まるで礼儀を知らない小さな子供のような振る舞い、そしてそれを叱責しない父親。どれをとってもあり得ない。
クラウス伯父様はどう思っているんだろうと、そっと顔を上げ表情を見ると満面の笑みだ。これはバーグ伯爵側の大失点を喜んでいる! 当然お祖父様も……ルンド子爵まで!? あっセルジオ先生まで暖かい笑みで私を見ている。
確かにあのジュリアナの子供じみた態度は私と見比べられるだろう。しかもジュリアナの方が年上なのに当主を押しのけ前へ出たり、発言を許された訳でもないのに喋ったり……ついでに言えばきっとジュリアナの派手なドレスも王妃殿下の不快感を買い集めているだろうな……。ジュリアナはこんな裁判みたいな呼び出しなのに真っ赤なドレスを着ている。しかもフリルやレースがゴテゴテについていて、前世でいう所のゴスロリを盛りに盛ったような派手な装いだ。夜会でもこれほどフリルが多いドレスを着ている淑女はいないと思う。
「勝ったな」
クラウス伯父様の小さな呟き。私の傍にいる人達はそれに小さく笑い全員同意した。
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