【完結】生き残りたい俺は死者と語る。

鏑木 うりこ

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1 人として最低な

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「ふんふーん」

 俺は割と気分良く家に帰る所だ。

「ふふーん」

 今日の稼ぎはかなり良いと思う。良いモノが手に入ったからだ。

「こいつ、どのくらいになるだろうなぁ。楽しみだなぁ」

 俺は少し、ほんのすこーしだけ倫理観がぶっ壊れてしまっているらしいんだけれども、自分ではよく分からない。だからこんな仕事も何の嫌悪感もなくできてしまえるんだけどね。

「あー……もう少し筋肉つけて貰えば良かったかぁ……重いや」

 ズルズルと引きずる今日の獲物は活きも良いし、状態もきれいだ。

「うん。多少足りないけど、ぴちぴちだし、傷みも少ない!良いよ、良いよぉー!」

 俺が引きずっているから、ちょっと傷は付くけどそれはしょうがない。それでも買い手はいっぱいつくだろうな!
 なぁんか、育ちもいい気がするんだよねー!

「ふふ!スキルも良いのが揃ってそう!楽しみ!」

 そうして俺は自分のボロい店についた。斜めになったやっとしまっている扉にひしゃげたドアベルがついている店。店と呼ぶにはあまりにも廃屋過ぎるんだけど、俺みたいなヤツが住める場所はこの地獄でも端っこの端のこんな汚い場所しかない。
 地獄街の更に地獄の貧民街の臭くて汚い小さな掘っ立て小屋が俺の城。

「ただいまー」

 当然返事をするものなんて居ない。がこっ、ごりっ。

「あ」

 扉に獲物が引っかかった。いつだったか来た客が乱暴にドアを開けたからドアベルがぶっ飛んでひしゃげてならなくなった。

「やっべ!これ以上傷つけたら値が下がっちゃう!」

 流石にそろそろ頑張って持ち上げるか!

「くそー!重いっ!」

 俺はそれを持ち上げて、店に入って扉を閉める。

「さてと、なーにがとれるかなー!」

 ぐちゃぐちゃに潰れた顔。無くなった左手ははまっていたかもしれない指輪でも奪うために切り取られたか?
 胴には刺し傷が沢山あり,随分ご丁寧にとどめを刺されたようだ。

「ふふん、ふーん」

 俺は鼻歌を歌いながら、そのまだ若い死体を抱え上げた。

「さー一緒に行きましょうねー」

 店の中の変哲もない普通の扉。その先が俺の素敵で不思議な部屋。そこで俺は死体を解体して加工して売る。

「んふー!やっぱりバラすのは若い方が楽しーな!」

 調理台に死体を乗せて、仕事スタートだ。

「まずは魂の引き離しー」

 神様から貰った力で肉体から魂を引き剥がす。死んだショックで眠ったままの魂も多い。この男も眠っている、静かで良いな。

「顔のパーツは何にも使えないねぇ。手も完品じゃないし、胴体もだいぶ傷んでるけどぉ……脂のりがいいな。こりゃ王子様クラスかな?」

 服は着ていなかった。良い物を着ていればこの死体が貴族の物と分かるからだろう、剥ぎ取られていたんだよね。

「良い脚!長くて綺麗だ。これは欲しがる奴が多いぞー!」

 切り取る前に良く観察をする。何か大きな特徴があるパーツだと、売った後何かと揉める事もあるらしいけど

「こんな地獄のボロ屋じゃ誰も文句いわねぇか!」

 さあて、ちょっきんしようかな?と思ったら

「あっ!私の体が!」

 魂が目を覚ました。

「やあ、君は殺されたみたいだよ!捨てられていた君の体を俺が拾って来た!バラして売るんだ、とても良い脚だね」

 魂だけになって半透明の若い男はきょとんとした後

「褒めてくれてどうもありがとう!」

 と、元気に言った。こいつは追いかけて籠に閉じ込めなくても良い奴だ。
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