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4 買い取った爺さん
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「おい!買取だ」
「へーい。出してくださいな」
ごろん、ごろん。二人の死体。どこからどうやって手に入れたかなんて聞かない。
「一つ500ゴールドです」
「安すぎる!」
「どっちも年寄りじゃないですかー。売る所ないんですよー」
「ちっ!」
そう、ここは地獄だ。たったそれだけの金欲しさに人が殺される場所。そんな死体を買い取る俺も最低だ。
大きな王国5つに囲まれた昔、悪魔が湧いたと言う大穴。そこは絶好のゴミ捨て場になり口では言えぬ物が全て処理された。
その大穴の中にいつのまにかならず者の街が出来、人が住み始める。その町の中の更にゴミを集めた最低最悪の貧民街に俺は住んでいる。
なんでここなのかは俺にも分からん。神様が落とした場所がここだった、それだけだ。
「ちっ!」
「まいどー」
舌打ちをしながらも、男はじーさんの死体を二つおいて1000ゴールドを持って出て行った。
「それでも金はもらって行くんだよね」
俺は見知らぬじーさんの死体を工房に引きづり込む。
「さてと、魂抜いてもスキルが取れるかなぁ」
ずるんと引き抜くと
「かーーーー!!」
「うるせ!」
虫取り網で魂を捕まえて虫かごにぶち込む。
「なんじゃなんじゃ!わかもんが、年上に逆らうのかぁ!ふざけんな、ワシを殺しよって!復讐してやる!殺してやる!」
「うるせーなー。復讐したいのか、出来るの?」
「ここから出せ!あの男に取り憑いて何年かかっても呪い殺してやる!あいつの子々孫々に至るまで全てだ!」
「はぁ、マジか。じゃあ自由にするには……冒険者レベル3と、農夫レベル2と……剣士と……貰うぞ?」
「構わん!」
「後細かいのも全部回収っと……どうする?もう良いか?」
「早く出せ!」
ったく……。俺は虫かごの蓋を開ける。
「まーがんばれー」
爺さんの魂は凄い勢いで飛んで行った。
「しかし、なんのスキルもなしに呪うなんて出来る訳ねーのに」
あの爺さんの魂は、爺さんを殺した男に取り憑いて、一緒にいるだけだろう。憑かれた男は全く気付く事なく普段通りに暮らし、爺さんの思いは一欠片も届かない。
そして現世に留まる爺さんは善行ポイントを徐々にすり減らし……あの感じだと自分が何者であったかも忘れて、スキルもなくただふらふらと天に登り、流転の流れに乗って虫あたりに生まれ変わるだろうな。来月あたりには形も失っているだろう。
「ま、それも運命かなー」
もう一人の爺さんは復讐は要らないって言うからさっきの爺さんから貰った農夫を足して紐を持たせてやった。
「なー爺さん。全く使ってなかったけど、宝石採掘師がある。これくれよ。雨乞い師つけてやるから」
「おお!わしはまた農夫になりたいから願ったりじゃ!頼むぞ」
爺さんは実った小麦みたいな色の風船に乗ってふわふわと登って行った。あの爺さんは良い農夫になるだろうな。
「こんなしわくちゃな体でも欲しがる奴はいるかなぁ?」
保管庫に放り投げておく。この作業部屋は実は巨大なアイテムボックスの様になっていて、時が止まっている。だから突っ込んだ死体はいつまでも新鮮なんだよね。便利だろう?
「へーい。出してくださいな」
ごろん、ごろん。二人の死体。どこからどうやって手に入れたかなんて聞かない。
「一つ500ゴールドです」
「安すぎる!」
「どっちも年寄りじゃないですかー。売る所ないんですよー」
「ちっ!」
そう、ここは地獄だ。たったそれだけの金欲しさに人が殺される場所。そんな死体を買い取る俺も最低だ。
大きな王国5つに囲まれた昔、悪魔が湧いたと言う大穴。そこは絶好のゴミ捨て場になり口では言えぬ物が全て処理された。
その大穴の中にいつのまにかならず者の街が出来、人が住み始める。その町の中の更にゴミを集めた最低最悪の貧民街に俺は住んでいる。
なんでここなのかは俺にも分からん。神様が落とした場所がここだった、それだけだ。
「ちっ!」
「まいどー」
舌打ちをしながらも、男はじーさんの死体を二つおいて1000ゴールドを持って出て行った。
「それでも金はもらって行くんだよね」
俺は見知らぬじーさんの死体を工房に引きづり込む。
「さてと、魂抜いてもスキルが取れるかなぁ」
ずるんと引き抜くと
「かーーーー!!」
「うるせ!」
虫取り網で魂を捕まえて虫かごにぶち込む。
「なんじゃなんじゃ!わかもんが、年上に逆らうのかぁ!ふざけんな、ワシを殺しよって!復讐してやる!殺してやる!」
「うるせーなー。復讐したいのか、出来るの?」
「ここから出せ!あの男に取り憑いて何年かかっても呪い殺してやる!あいつの子々孫々に至るまで全てだ!」
「はぁ、マジか。じゃあ自由にするには……冒険者レベル3と、農夫レベル2と……剣士と……貰うぞ?」
「構わん!」
「後細かいのも全部回収っと……どうする?もう良いか?」
「早く出せ!」
ったく……。俺は虫かごの蓋を開ける。
「まーがんばれー」
爺さんの魂は凄い勢いで飛んで行った。
「しかし、なんのスキルもなしに呪うなんて出来る訳ねーのに」
あの爺さんの魂は、爺さんを殺した男に取り憑いて、一緒にいるだけだろう。憑かれた男は全く気付く事なく普段通りに暮らし、爺さんの思いは一欠片も届かない。
そして現世に留まる爺さんは善行ポイントを徐々にすり減らし……あの感じだと自分が何者であったかも忘れて、スキルもなくただふらふらと天に登り、流転の流れに乗って虫あたりに生まれ変わるだろうな。来月あたりには形も失っているだろう。
「ま、それも運命かなー」
もう一人の爺さんは復讐は要らないって言うからさっきの爺さんから貰った農夫を足して紐を持たせてやった。
「なー爺さん。全く使ってなかったけど、宝石採掘師がある。これくれよ。雨乞い師つけてやるから」
「おお!わしはまた農夫になりたいから願ったりじゃ!頼むぞ」
爺さんは実った小麦みたいな色の風船に乗ってふわふわと登って行った。あの爺さんは良い農夫になるだろうな。
「こんなしわくちゃな体でも欲しがる奴はいるかなぁ?」
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