【完結】悪い我、ちぃとを貰う!次は勇者で世界を救うぞ、みんなついて来い!

鏑木 うりこ

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我、学園へ行く

7 我ら学園に行く

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「クロード兄よ、我も学園とやらに行くのか?」

「そうだね、私達は今、学園に向かう馬車に乗っているからね」

「ふむ」

 よく分からぬが我は学園とやらに行くらしい。

「新たなる敵が見つかると良いが」


 
 学園で我は同級生に囲まれた。

「ガキがなんで学園に来てるんだ」

「褒められる為であろう?」

「ふざけんな!」

 ふざけてはおらんのだが?この程度我ならば容易く……避けられないのであった。我は今は鈍臭かった。振り上げられた手が落ちてくるのを待っておったが、目の前に誰かが立ちはだかった。

「自分より小さな子に暴力とは感心せんな」

「せ、生徒会長……!」

「同年齢ならいざ知らず、飛び級で来た者に手を振りあげるとは。恥を知れ」

 同級生は逃げて行った。やるではないか、セイトカイチョウ!なかなかの強者と見た!我のらいばるに相応しい!

「今日の所は礼を言うぞ、セイトカイチョウ!だが我はお前を倒して見せようぞ!」

「え?あ、うん。大丈夫そうだね?……君、名前は?」

「我が名はリズレット・ベルスタッドである。兄の名はクロシュタイン・ベルスタッドである!」

「可愛い名前だね」

 むっ!セイトカイチョウは我を褒めるのであるな!いい奴だ!いい奴は大好きだ。

「セイトカイチョウ!好きだ」

「は?!え、いや?!その、あ……え?わ、私も君の事が……好ましく思うよ……」

「ふむ!それは重畳!これからも宜しく頼むぞ」

 では、セイトカイチョウに負けぬように勉学に励むとするか!我は教室に向かって歩き出した。

「リズレット……男の子だよな……?」

 セイトカイチョウが何か呟いていたが、我の耳には届かなかった。


 我と兄はとなりの席で教授の話を聞いておる。我の方が歳が若いのだが、父が色々な手を使って我も学園に入れたようだ。
 ちなみにこの学園は15歳から通う学園である。
 しかし、クロードも14歳、我など12歳なので、早い言えば早いのであるが……。

「クロード、あの答えは間違っておらぬか?」

「一般的には合ってると思うけど、最近読んだ本の学説からははずれる気がする」

「我も何度もしらべたが、あの答えに辿りつかぬのよ。不思議じゃ」

 教科書を広げて教授の話を聞く我ら。周りは皆、年嵩の者ばかりなので、我と兄は浮いておる。しかし、座学も作法もついていく事が出来ていた。
 いや、教授達と

「やはり、新しい考えの方が、教科書は改変せねばなりませんな」

「ディルウッド教授、我もそう思う」

「流れからしてその方が自然かも知れませんね」

 議論出来るほどなので、他の生徒達より進んでおった。ただ

「きゅぅ……」

「リジー!」

 実習だけは……体力が足りなくて倒れておる。我の体力は相変わらず人並み以下であった。

「むう。これもちぃとを貰った弊害であろうか?」

 救護室で目を覚ました後、クロードに抱っこされて寮に戻る。全寮制の学園だが、我らが小さいので我とクロードは同じ部屋だ。

「理論は出来ているのに、剣を振り回す力がないのは辛いね」

 2つしか変わらないのに、クロードはきちんと出来る。悔しいから体を鍛えよう。ちっとも筋肉が増えないが。
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