【完結】ゲームで死んで救いのないクソったれな世界で魔王になる

鏑木 うりこ

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35 本来ならさー

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 魔王ダンジョンはまずちっちゃい洞窟みたいなのが出来る。そこから少しづつ成長して、ダンジョンになって行くんだが、この世界は勇者がべらぼうに強かった。

「ちっちぇうちの方が手籠にしやすいだろ」
「きゃーケダモノー!」

 だから俺みたいにレベル5なのに、勇者に踏み込まれて、蹂躙されて手折られちゃう。そうして魔王は勇者の好きにされ……無人の洞窟が残される。
 魔王が生きているうちは洞窟は壊れなくて熊の寝床とかコウモリのお家にされているようだ。

 だから世界にある魔王洞窟は危険も大してない洞窟なんだ。
 ダンジョン内にきちんと魔王が在中して、魔物を配置したり、トラップを設置したり、宝箱を配置したりダンジョンはほとんどない。

「はあ?魔王洞窟を調査して中にいる魔王を引き摺り出せぇ?魔王ってマジで中にいるんすか?」

 そんな軽ーい感じでやって来る。勿論装備も割と適当で、食料も適当だ。そして疑問に思うだろう。俺のダンジョンは洞窟からレベルアップして石造り。首を傾げるはずだ。
 勘のいい冒険者なら引き返すし、こんな報酬じゃ割に合わないとキャンセルするだろう。

 入り口で引き返せなかった冒険者が中で力尽きる。そりゃそうだ!剣だけぶら下げてやって来たレベル20くらいの冒険者じゃすぐ死ぬわ!
 しかもちゃんと奥に奥に誘い込む罠も仕掛けてある。宝箱の中に宝石やお金を入れて置いても持ち出す前に力尽きるんだから問題ない。回収してリサイクルだ。

「そろそろ危険視されるかもな?」
「ヤダァ~こわぁい」
「あっは!笑うぅ」
「だって、冒険者に攻め込まれたら俺、戦えないよ?」
「アッシュちゃんって剣を握った事ないっけ?」
「ないよ!全部取り上げたのミカエルとラファエルでしょ。あーレベル5の俺を弄んで娼館に売りつけるなんて人でなしー」

 事実を言ったのに二人とも大笑いしてる。

「アッシュちゃん、魔王だもん!人類の敵はやっつけて良いんだよ!馬鹿だなぁ」
「うんこも出ないやつが人を語ってもねぇ」
「その魔王に毎日突っ込んでズコバコさしてんのは誰だよ!」
「勇者様ですけど?」
「うわー!ずるい!」
「今日もズコバコしますかぁ」
「もうっ!いーけどさ!」

 本来ならこうやって遊ぶゲームだったのに、一体誰がこんな風にしたんだろう?



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