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15 ワシ、騎士団長子息にボコられる
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「く、しんどい!」
「年寄りの冷や水?」
「リドリー、減点だ」
「お待ち下さい!このリドリー、なんと回復魔法を覚えて参りました!腰でしたね!」
うつ伏せになるとリドリーが両手を腰に当て
「ヒール!」
ふわっと暖かくなり、腰の痛みが引いてゆく。おおおーー!
「り、リドリー!君はなんて素晴らしい護衛なんだ!」
軽い!体が軽いぞ!ひゃはー!羽が生えたようだ!言い過ぎた。
「はいっ!バンドール家の護衛たるもの色々出来ませんと!」
「来月の給料は任せておけ!」
「ひゃーー!ありがたき幸せー!」
なんとか2時限目からは復活できて教室へ向かう事が出来た。
「あ!カレリオ様!体調は如何ですか?!」
クラスメイトが心配して尋ねてくる。
「ありがとう、情けない所を見せてしまって」
やはり殿下の友人のゼフ公爵令息に何か言われたんだ……ざわざわと噂話が広がっている……。サディーアには確かに言われたけど、大した事じゃないんだよなー。
「3.4時限の剣術はお休みになられた方がよろしいのでは」
そう言われたが、体の痛みも減っているし、出る事が出来る授業は受けておきたい。剣術……多分カレリオも苦手で成績は良くないだろうから!
「くっ……」
練習用の剣が重い!こんなに重いのか!まるでワシは子鹿じゃないか、腕がプルプルする……!
「カレリオ様!頑張って!本物の剣はもっと重いですよ!」
嘘だろーーー!!じ、爺は剣術に参加した事をもう後悔しているぞ!しかも手合わせの相手が騎士団長の息子のトレヴァー・ファルマンだ。信じられん!上手い者と下手な者を組み合わせた……?違う!ぼっちのカレリオに剣術馬鹿を当てられただけだ。
しかも、なんか怒りを漲らせてカレリオを睨んでる!
「カズハに対する嫌がらせの数々……許しません」
そんな事してないのに、トレヴァーは誰に何を吹き込まれてそう信じているのか。まあ、神子カズハだろうな。
打ち合いの合図がなって、トレヴァーの剣が力一杯、打ち下ろされる。あ、駄目な奴だ。まさかひ弱なカレリオにそんな暴挙に出るとはリドリーも思わなかったのだろう。学園卒業後は騎士団入りが確定しているほど、トレヴァーの剣は鋭い。70代の動体視力では身体強化で底上げしていても剣で受け止めるのが精いっぱいじゃ!
しかもそれは悪手であるが、それしかできなかった。
「カレリオ様っ!!」
間に合わなかった。リドリーは懸命に近づいてくれたが間に合わなかった。
ガツンと大きな模擬剣同士が打ち合う音。
「うわぁっ!」
いてぇ!いてぇなんてもんじゃない!!力一杯振り下ろされる剣をいなしたが、それでもいなしきれない力をもろに、もろにワシの骨は吸収しきれ、るわけがない!
老骨舐めんな!骨粗鬆症くらいすすんでおるわ!馬鹿者が!
「うう……っ!」
一撃で剣を落としてしまう。と言うかこいつの剣は重過ぎて、剣術を嗜んでいない学生なら、打ち合うことは出来ない。だから、嫌厭されてぼっちのカレリオと組むことになったのだが……。
「っ?!」
何と二撃目を振りかぶって、もう振り下ろしていたのだ。
「え」
丸腰で剣も取り落としているカレリオの顔目掛けて振り下ろされる。練習用の剣とは言え、あんなもんであの力で殴られたらカレリオは死ぬ!ていうかわしがお陀仏だ!
「くっ!」
しかもスピードに乗った剣戟はトレヴァー自身も止められないらしい。まさかカレリオが最初の一撃で剣を落とすとは夢にも思わなかった、そんな顔だ。終わった、爺ィ死んだわ、文字通り。
「カレリオ様っ!ぐ……っ!」
どむん!人間の肉体を思いっきり殴りつける嫌な音が響く。
「り、リドリー!!」
俺を抱き込むようにリドリーは右肩に思いっきり振り下ろされた剣を受けた。ボキッと変な音も聞こえたので、リドリーの肩の骨は砕けたと思う。
「ご無事で……カレリオさま……」
真っ青な顔で脂汗をかいたリドリーはそれでも俺を庇った。護衛の鏡のお陰で爺は短い命を拾った。
「リドリー!誰かリドリーを救護室に!!」
剣術の講師も慌てて飛んで来て、ワシとリドリーは救護室に真っ直ぐ向かう。
「カレリオ様の護衛もさることながら……両手と足の骨が砕けております!」
「……ど、通りで痛むと思ったら……」
ワシより重症なリドリーに驚いて痛みを忘れておったが、わしの怪我も酷いもんじゃった。
「そ、そんな、わたしはそんなつもりでは……」
トレヴァーは真っ青な顔で呟いていたようだが、不本意であっても授業を受けていた生徒たちはざわざわと噂をする。
「カレリオ様がここ何度も倒れていらっしゃる事はご存知のはず」
「元々体の強くないあの方に、思いっきり剣を振り下ろしたらしいですわ」
「まあ!なんて恐ろしい……!まさかカレリオ様を害そうと……?」
「殿下の事もある……なんとお可哀想なカレリオ様!大怪我をなさったようだ……!」
トレヴァー・ファルマンの立つ瀬などどこにもなくなっていたが、仕方がなかろう?
「年寄りの冷や水?」
「リドリー、減点だ」
「お待ち下さい!このリドリー、なんと回復魔法を覚えて参りました!腰でしたね!」
うつ伏せになるとリドリーが両手を腰に当て
「ヒール!」
ふわっと暖かくなり、腰の痛みが引いてゆく。おおおーー!
「り、リドリー!君はなんて素晴らしい護衛なんだ!」
軽い!体が軽いぞ!ひゃはー!羽が生えたようだ!言い過ぎた。
「はいっ!バンドール家の護衛たるもの色々出来ませんと!」
「来月の給料は任せておけ!」
「ひゃーー!ありがたき幸せー!」
なんとか2時限目からは復活できて教室へ向かう事が出来た。
「あ!カレリオ様!体調は如何ですか?!」
クラスメイトが心配して尋ねてくる。
「ありがとう、情けない所を見せてしまって」
やはり殿下の友人のゼフ公爵令息に何か言われたんだ……ざわざわと噂話が広がっている……。サディーアには確かに言われたけど、大した事じゃないんだよなー。
「3.4時限の剣術はお休みになられた方がよろしいのでは」
そう言われたが、体の痛みも減っているし、出る事が出来る授業は受けておきたい。剣術……多分カレリオも苦手で成績は良くないだろうから!
「くっ……」
練習用の剣が重い!こんなに重いのか!まるでワシは子鹿じゃないか、腕がプルプルする……!
「カレリオ様!頑張って!本物の剣はもっと重いですよ!」
嘘だろーーー!!じ、爺は剣術に参加した事をもう後悔しているぞ!しかも手合わせの相手が騎士団長の息子のトレヴァー・ファルマンだ。信じられん!上手い者と下手な者を組み合わせた……?違う!ぼっちのカレリオに剣術馬鹿を当てられただけだ。
しかも、なんか怒りを漲らせてカレリオを睨んでる!
「カズハに対する嫌がらせの数々……許しません」
そんな事してないのに、トレヴァーは誰に何を吹き込まれてそう信じているのか。まあ、神子カズハだろうな。
打ち合いの合図がなって、トレヴァーの剣が力一杯、打ち下ろされる。あ、駄目な奴だ。まさかひ弱なカレリオにそんな暴挙に出るとはリドリーも思わなかったのだろう。学園卒業後は騎士団入りが確定しているほど、トレヴァーの剣は鋭い。70代の動体視力では身体強化で底上げしていても剣で受け止めるのが精いっぱいじゃ!
しかもそれは悪手であるが、それしかできなかった。
「カレリオ様っ!!」
間に合わなかった。リドリーは懸命に近づいてくれたが間に合わなかった。
ガツンと大きな模擬剣同士が打ち合う音。
「うわぁっ!」
いてぇ!いてぇなんてもんじゃない!!力一杯振り下ろされる剣をいなしたが、それでもいなしきれない力をもろに、もろにワシの骨は吸収しきれ、るわけがない!
老骨舐めんな!骨粗鬆症くらいすすんでおるわ!馬鹿者が!
「うう……っ!」
一撃で剣を落としてしまう。と言うかこいつの剣は重過ぎて、剣術を嗜んでいない学生なら、打ち合うことは出来ない。だから、嫌厭されてぼっちのカレリオと組むことになったのだが……。
「っ?!」
何と二撃目を振りかぶって、もう振り下ろしていたのだ。
「え」
丸腰で剣も取り落としているカレリオの顔目掛けて振り下ろされる。練習用の剣とは言え、あんなもんであの力で殴られたらカレリオは死ぬ!ていうかわしがお陀仏だ!
「くっ!」
しかもスピードに乗った剣戟はトレヴァー自身も止められないらしい。まさかカレリオが最初の一撃で剣を落とすとは夢にも思わなかった、そんな顔だ。終わった、爺ィ死んだわ、文字通り。
「カレリオ様っ!ぐ……っ!」
どむん!人間の肉体を思いっきり殴りつける嫌な音が響く。
「り、リドリー!!」
俺を抱き込むようにリドリーは右肩に思いっきり振り下ろされた剣を受けた。ボキッと変な音も聞こえたので、リドリーの肩の骨は砕けたと思う。
「ご無事で……カレリオさま……」
真っ青な顔で脂汗をかいたリドリーはそれでも俺を庇った。護衛の鏡のお陰で爺は短い命を拾った。
「リドリー!誰かリドリーを救護室に!!」
剣術の講師も慌てて飛んで来て、ワシとリドリーは救護室に真っ直ぐ向かう。
「カレリオ様の護衛もさることながら……両手と足の骨が砕けております!」
「……ど、通りで痛むと思ったら……」
ワシより重症なリドリーに驚いて痛みを忘れておったが、わしの怪我も酷いもんじゃった。
「そ、そんな、わたしはそんなつもりでは……」
トレヴァーは真っ青な顔で呟いていたようだが、不本意であっても授業を受けていた生徒たちはざわざわと噂をする。
「カレリオ様がここ何度も倒れていらっしゃる事はご存知のはず」
「元々体の強くないあの方に、思いっきり剣を振り下ろしたらしいですわ」
「まあ!なんて恐ろしい……!まさかカレリオ様を害そうと……?」
「殿下の事もある……なんとお可哀想なカレリオ様!大怪我をなさったようだ……!」
トレヴァー・ファルマンの立つ瀬などどこにもなくなっていたが、仕方がなかろう?
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