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番外編
7 体を鍛えよう2
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何か音が聞こえる……。剣で何かを切り裂く音だ。そしてモンスターの断末魔……。かび臭く生臭い匂いが鼻をつく。くっさい、なんだこれは??
「ひっ!?」
「あ、起きた」
「大旦那様おはようございますー!愛と欲望の為に頑張るリドリーですよ」
「黙れ!リドリー!基本給もカットしてやる!」
またやらかしおって!地面に倒れ伏しても駄目なもんは駄目だ!
「リドリー!頑張れ!減った分は私が補填する!」
「このリドリー!殿下の為に精いっぱい狩らせていただきます!」
立ち上がった!起き上がりこぼしみたいなリドリーを見ている場合ではなかったが、ワシは状況が全くつかめん。ワシ、今殿下に抱っこされておるな……はて?何でじゃろ。ついさっきまで王宮の執務室で書類をやっつけておったはずなのじゃが……?確か提出が5日先の書類を終わらせて、後はのんびり茶でも飲もうと思っておった所だったのじゃが……??
「殿下……おろしてくだされ。ここは一体……」
殿下はするりと降ろしてくださったが、とんでもないことをこともなげにおっしゃった。
「魔王ダンジョンの5階ですよ。お気を付けください、この辺り雑魚でもダグラス様くらいのレベルでは一瞬でやられちゃいますからね?」
「ぴゃっ!?」
わしは恐ろしくてぴょんと殿下に抱きついてしもうた!なななななんてところにワシいるんじゃ!?状況が、状況が全く分からん!!
「大旦那様がエッチのたびにへばるから、レベルアップの為にダンジョンへ周回しにきましたよ~っと。あ、5階のボスです、倒しちゃいますね!」
「ヒイイイイっ!」
なんか巨大な目玉がこっちを見てる!?こ、こわすぎる!!!助けて殿下ああああああ!
「あんなのすぐ終わりますよ」
「えい」
プス、とリドリーが剣を突き立てると「グオオオオオオオ!」とか巨大な叫び声を目玉は落ちた……倒した、みたい?
「嘘だろ……うっ!」
そして体に何か力がみなぎるような、それでいてグルグルとして気持ち悪いような……。な、なんだ……ものすごい勢いでレベルが上がっておる!?ヒイイイイ!きもちわるいいいいいい!胃の中身がひっくり返りそうじゃ!
そうじゃ、そうじゃった……このゲーム、なんとレベル差があってもパーティを組むことが出来て、さらに倒したモンスターの経験値は人数で割るもんだから低レベルの仲間を即レベルアップできるシステムじゃったんだ!
「リドリーが倒す、私がダグラス様を運ぶ。ダグラス様が私にくっ付いている。そういう感じで1階から踏破して来ました!どうです200レベルくらいにはなりましたか??」
「……221レベルになりました……」
気絶して、殿下に抱きついているだけの簡単なお仕事で元のレベルの倍になってしもうておる……い、いかんじゃろ!?こんなのいかんじゃろ!!チートとかそういうレベルでもないぞ、ズルじゃ、ズル!!
「良いじゃないですか!私も手当もらえて、大旦那様も体が強くなって殿下もエッチできる。WIN-WINってやつですよね?」
リドリーがワシの事なんぞ気にも留めずに、落ちたであろう戦利品をガサガサ漁っている。何簡単に言ってくれてるんじゃ!
「いや、ワシWINしてないわ、それ」
しかし……ここから一人で帰る事など……それ以前に下に降ろしてもらう事すら恐ろしいのじゃが……。汚い床の上に何かウゾウゾ動く物もいるし……怖い、怖すぎる。
「あはは!大人しく抱っこされててくださいよ!私の春の臨時手当の為に!ってなんだろう?赤い薬が出ましたよ?何が起こるんでしょうね、コレ」
「知らんわ!」
こうしてわしはぐるぐると連れ回されるしかなかったのであった……。
「ひっ!?」
「あ、起きた」
「大旦那様おはようございますー!愛と欲望の為に頑張るリドリーですよ」
「黙れ!リドリー!基本給もカットしてやる!」
またやらかしおって!地面に倒れ伏しても駄目なもんは駄目だ!
「リドリー!頑張れ!減った分は私が補填する!」
「このリドリー!殿下の為に精いっぱい狩らせていただきます!」
立ち上がった!起き上がりこぼしみたいなリドリーを見ている場合ではなかったが、ワシは状況が全くつかめん。ワシ、今殿下に抱っこされておるな……はて?何でじゃろ。ついさっきまで王宮の執務室で書類をやっつけておったはずなのじゃが……?確か提出が5日先の書類を終わらせて、後はのんびり茶でも飲もうと思っておった所だったのじゃが……??
「殿下……おろしてくだされ。ここは一体……」
殿下はするりと降ろしてくださったが、とんでもないことをこともなげにおっしゃった。
「魔王ダンジョンの5階ですよ。お気を付けください、この辺り雑魚でもダグラス様くらいのレベルでは一瞬でやられちゃいますからね?」
「ぴゃっ!?」
わしは恐ろしくてぴょんと殿下に抱きついてしもうた!なななななんてところにワシいるんじゃ!?状況が、状況が全く分からん!!
「大旦那様がエッチのたびにへばるから、レベルアップの為にダンジョンへ周回しにきましたよ~っと。あ、5階のボスです、倒しちゃいますね!」
「ヒイイイイっ!」
なんか巨大な目玉がこっちを見てる!?こ、こわすぎる!!!助けて殿下ああああああ!
「あんなのすぐ終わりますよ」
「えい」
プス、とリドリーが剣を突き立てると「グオオオオオオオ!」とか巨大な叫び声を目玉は落ちた……倒した、みたい?
「嘘だろ……うっ!」
そして体に何か力がみなぎるような、それでいてグルグルとして気持ち悪いような……。な、なんだ……ものすごい勢いでレベルが上がっておる!?ヒイイイイ!きもちわるいいいいいい!胃の中身がひっくり返りそうじゃ!
そうじゃ、そうじゃった……このゲーム、なんとレベル差があってもパーティを組むことが出来て、さらに倒したモンスターの経験値は人数で割るもんだから低レベルの仲間を即レベルアップできるシステムじゃったんだ!
「リドリーが倒す、私がダグラス様を運ぶ。ダグラス様が私にくっ付いている。そういう感じで1階から踏破して来ました!どうです200レベルくらいにはなりましたか??」
「……221レベルになりました……」
気絶して、殿下に抱きついているだけの簡単なお仕事で元のレベルの倍になってしもうておる……い、いかんじゃろ!?こんなのいかんじゃろ!!チートとかそういうレベルでもないぞ、ズルじゃ、ズル!!
「良いじゃないですか!私も手当もらえて、大旦那様も体が強くなって殿下もエッチできる。WIN-WINってやつですよね?」
リドリーがワシの事なんぞ気にも留めずに、落ちたであろう戦利品をガサガサ漁っている。何簡単に言ってくれてるんじゃ!
「いや、ワシWINしてないわ、それ」
しかし……ここから一人で帰る事など……それ以前に下に降ろしてもらう事すら恐ろしいのじゃが……。汚い床の上に何かウゾウゾ動く物もいるし……怖い、怖すぎる。
「あはは!大人しく抱っこされててくださいよ!私の春の臨時手当の為に!ってなんだろう?赤い薬が出ましたよ?何が起こるんでしょうね、コレ」
「知らんわ!」
こうしてわしはぐるぐると連れ回されるしかなかったのであった……。
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