41 / 41
41 そういう事にしておきましょう。
しおりを挟む
「傀儡王政って知ってる?」
「お母様、もっと包み隠してくださいませ」
ギース伯父様、キルギース皇帝陛下の行動は早くて、あの夜会のすぐ後にすーーっとやってきて、さーーっと議会を掌握してしまったようです。
「ジュリアン殿下の婚約者は私の四女で良いでしょう」
「よろしくお願いしますね、ジュリアン様」
「はははははひ……」
私も従妹に会った事はあるのですが、四女のリゼロッティは小型版お母様と言った感じでとてもお元気な女の子です。
「大丈夫ですわ、上手く操って差し上げますから安心してくださいな」
なんてはっきり言ってしまったとかなんとか。まあ少々頼りなかった王太子殿下ですから、リゼロッティが付いていてくれた方が安心できると言うものです。
私は暫くアイザックさんと学園へ通っていましたが
「うーん、マリーの学力なら飛び級してもいいんじゃない?」
なんて言われてポンポン上がってしまい、更には
「うーん、この国の学園より帝国か、私の国の学園の方がより高度な学問を学べると思う……レベルアップだね」
なんて言われてしまい、つい調子に乗って
「鉱石学なら絶対私の国だよ!」
に釣られてついアイザックさんの国へ留学してしまいました。
「アイザックって結構策士ね」
「え?なんですか?お母様」
「ううん何でもないわ。こんな私の大好きな赤いルビーのでっかいのを贈られちゃちょっとは大目にみるしかないじゃない」
なんだかんだで鉱山と鉱脈に関する学問と鉱石の組み合わせを納得するところまで勉強し終わる頃にはすっかりアイザックさんの婚約者として収まってしまっていました。あれ?
「なあマリーさんよ。こんな所でツルハシ振ってる時間じゃねえぞ。もうそろそろしたらあのキラキラしたあんたの婚約者が迎えに来る時間だぞ」
「え?そんな時間でしたっけ?急いで戻りますー」
私はこっちでも現地で掘ったりしている。やっぱりその場じゃないと分からない事って多いものね。
「マリー!急いで。今日は私の夜会に付き合ってくれるはずでしょう。用意して欲しいってお願いしたよね」
「あ、そうだった。アイザックさん、ごめんなさい」
坑道から戻ってくると現場に似つかわしくない馬車が待っていて、私はすぐに飛び乗った。
「こないだの合金のレポートは凄く良かったって聞いたけど、今日は着飾って欲しいな」
「約束ですからね、勿論ですよ。急いで支度しなくてはいけませんね」
「家でメイド達が首を長くして待ってるよ!」
そう言いながらも帰りの馬車の中で、今日の鉱物や山の様子なんかを楽し気に聞いてくれる。
「マリーの堀った鉄でハサミを打ったんだ。上手に出来たからもらってくれる?」
「嬉しいです」
私のやる事を否定しないし、自身も手に汗して働くことを厭わない。比べちゃいけないのだけれど、ジュリアン王太子殿下よりやっぱりアイザックさんの方が好感が持てる。
「社交技術のレベルアップと言った所ですかね?」
「そういう事にしておいていいんじゃないかな?」
そういう事にしておいて私はアイザックさんと歩き出すのでした。
「お母様、もっと包み隠してくださいませ」
ギース伯父様、キルギース皇帝陛下の行動は早くて、あの夜会のすぐ後にすーーっとやってきて、さーーっと議会を掌握してしまったようです。
「ジュリアン殿下の婚約者は私の四女で良いでしょう」
「よろしくお願いしますね、ジュリアン様」
「はははははひ……」
私も従妹に会った事はあるのですが、四女のリゼロッティは小型版お母様と言った感じでとてもお元気な女の子です。
「大丈夫ですわ、上手く操って差し上げますから安心してくださいな」
なんてはっきり言ってしまったとかなんとか。まあ少々頼りなかった王太子殿下ですから、リゼロッティが付いていてくれた方が安心できると言うものです。
私は暫くアイザックさんと学園へ通っていましたが
「うーん、マリーの学力なら飛び級してもいいんじゃない?」
なんて言われてポンポン上がってしまい、更には
「うーん、この国の学園より帝国か、私の国の学園の方がより高度な学問を学べると思う……レベルアップだね」
なんて言われてしまい、つい調子に乗って
「鉱石学なら絶対私の国だよ!」
に釣られてついアイザックさんの国へ留学してしまいました。
「アイザックって結構策士ね」
「え?なんですか?お母様」
「ううん何でもないわ。こんな私の大好きな赤いルビーのでっかいのを贈られちゃちょっとは大目にみるしかないじゃない」
なんだかんだで鉱山と鉱脈に関する学問と鉱石の組み合わせを納得するところまで勉強し終わる頃にはすっかりアイザックさんの婚約者として収まってしまっていました。あれ?
「なあマリーさんよ。こんな所でツルハシ振ってる時間じゃねえぞ。もうそろそろしたらあのキラキラしたあんたの婚約者が迎えに来る時間だぞ」
「え?そんな時間でしたっけ?急いで戻りますー」
私はこっちでも現地で掘ったりしている。やっぱりその場じゃないと分からない事って多いものね。
「マリー!急いで。今日は私の夜会に付き合ってくれるはずでしょう。用意して欲しいってお願いしたよね」
「あ、そうだった。アイザックさん、ごめんなさい」
坑道から戻ってくると現場に似つかわしくない馬車が待っていて、私はすぐに飛び乗った。
「こないだの合金のレポートは凄く良かったって聞いたけど、今日は着飾って欲しいな」
「約束ですからね、勿論ですよ。急いで支度しなくてはいけませんね」
「家でメイド達が首を長くして待ってるよ!」
そう言いながらも帰りの馬車の中で、今日の鉱物や山の様子なんかを楽し気に聞いてくれる。
「マリーの堀った鉄でハサミを打ったんだ。上手に出来たからもらってくれる?」
「嬉しいです」
私のやる事を否定しないし、自身も手に汗して働くことを厭わない。比べちゃいけないのだけれど、ジュリアン王太子殿下よりやっぱりアイザックさんの方が好感が持てる。
「社交技術のレベルアップと言った所ですかね?」
「そういう事にしておいていいんじゃないかな?」
そういう事にしておいて私はアイザックさんと歩き出すのでした。
応援ありがとうございます!
12
お気に入りに追加
488
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(6件)
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
すっごく楽しく読ませて貰いましたo(^o^)oありがとうございましたq(^-^q)
思いっきり切ってしまいました!あいつには勿体ない……!
(*‘ω‘ *)バレた!思わず突っ込んでしまいました!