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125 そろそろでなくてもいいって。
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「アロウ様」
「アウリー」
名を呼べば、微笑んで返事をしてくれる人が傍にいてくれること。
「お城はどうでした?」
「まあ、恙なくだね。王太子殿下が地盤固めに入っているようで、そろそろ王位継承があるかもしれないよ。アウリーはどうだった?」
「キミヒトは旅に出たいとゴネていました。お腹が大きくなり始めているのに、もっと暴れたいってずっと騒いでいて……ウィルモッドの家の庭に何か体を動かせる物を設置するようにアドバイスしてきました」
「キミヒトだからなぁ……何か美味しい肉でも持って行ってやれば大人しくなるのでは?」
「庭でバーベキューをできるようにグリル台を置いたらいいかもしれませんね」
「違いない。今度大きな肉塊でも持って行ってあげるといい」
「そうします」
アロウ様とつがいになり、少しするとお互いにちょっと落ち着いてきた。結婚したばかりの頃は少し離れるものなんだか嫌でずっとくっ付いていたけれど、少しづつ物理的な距離を置いてもそわそわしなくなった。それは心が離れたとかそういうのじゃなくて、この人は私の物だと全世界に訴えても了承されるものだと実感できてきたからだった。絶対にそんなことはないし、そんなことはないよと言われていても結婚する前まではもしかしたら私の大切な人を奪ってしまう何か邪悪な存在がいるのでは? と実体のない不安感に捕らわれることがあった。
もちろん、アロウ様のことは信じている……多分信じられないのは自分自身だったんだろう。つがうという行為により、自分のこの身は自分だけのものじゃなくなったんだ、そう感じられるようになって不思議な安堵感が芽生えてきた。
「一緒にお肉を買いに行ってくれますよね?」
「それより一緒に狩りに行こう。その方が大きいのが獲れそうだ」
「はい!」
そして小さなおねだりを全部叶えてくれる所とか……アロウ様も私に色々ねだって欲しいというおねだりをしてくるとか……そういうのがとても嬉しい日々だ。なのでたまに二人一緒に行動せずにバラバラで用事を済ませたりしている。
「それにしてもウィルモッドも中々手が早い」
「真面目ですから」
ウィルモッドのことだ。結婚したら次は跡継ぎを設けなくてはと思ったのか、周りから冗談交じりで言われたことでも真に受けたのか。まあ一番はキミヒトのことを愛しているからだとは思うけれど、あっという間にキミヒトは妊娠していた。
「なんか最近太ってさー。腹が減るからって食べすぎたかなぁ~?」
なんて我が家に遊びに来ていたキミヒトに言われて、ハッとしたのが最初だったのは流石というかなんというか。
「その割に手足には肉がついてないっぽいな。食べ過ぎじゃないの?」
「もしかして、赤ちゃんできてたりしてぇ~? アハハ~」
「……ヨキシャ、レンスン……笑い事じゃない気がするよ。キミヒト、一度お医者様に見ていただきなさい」
「んな馬鹿な! 俺、男だよ~? 妊娠なんかする訳ないじゃん」
「キミヒト、オメガだろ? 妊娠するぞ」
「そーだよ~。むしろヒート中なら妊娠しやすいよねえ?」
「え?」
……そんなやり取りがあって、うちの主治医に診て貰ったら案の定だった。やけにお腹が空くのはまあそういう事だったらしい……キミヒトらしいのは、初期つわりもなく、体調は万全だったことだ。ウィルモッドに急いで連絡をすると、飛んできて大事に抱っこして持ち帰ったので大切にされ過ぎて暇をしている。しょっちゅう招かれて暇つぶしに付き合わされているのだけれど、そこは遊びに行ってやろうと思っている。
そして私は自分のぺたんこのお腹を撫でたりしている……。
「私は……まだかな……」
「もう少し二人っきりでいたいんだ。駄目かな?」
アロウ様はそういって抱き寄せてくれる。私もそう思うけれどやっぱり羨ましいと思う気持ちはある。
「子供ができたらアウリーを独り占め出来なくなっちゃうからね。もう少しこの喜びを堪能したいんだけど?」
「わ、私だってアロウ様を独り占めしていたいです」
「一年くらいは二人がいいんだけどなぁ」
「ふふふっ少し長くないですか?」
「そうかな? これでも控え目に言ったつもりだったんだけどなぁ」
そういわれるとまだまだ焦らなくていいのかなと思うのと、私が気を病まないように言ってくれるのかなと思うのと……本当に二人で仲良くしているのも嬉しいな、なんて思ってしまうのだった。
「アウリー」
名を呼べば、微笑んで返事をしてくれる人が傍にいてくれること。
「お城はどうでした?」
「まあ、恙なくだね。王太子殿下が地盤固めに入っているようで、そろそろ王位継承があるかもしれないよ。アウリーはどうだった?」
「キミヒトは旅に出たいとゴネていました。お腹が大きくなり始めているのに、もっと暴れたいってずっと騒いでいて……ウィルモッドの家の庭に何か体を動かせる物を設置するようにアドバイスしてきました」
「キミヒトだからなぁ……何か美味しい肉でも持って行ってやれば大人しくなるのでは?」
「庭でバーベキューをできるようにグリル台を置いたらいいかもしれませんね」
「違いない。今度大きな肉塊でも持って行ってあげるといい」
「そうします」
アロウ様とつがいになり、少しするとお互いにちょっと落ち着いてきた。結婚したばかりの頃は少し離れるものなんだか嫌でずっとくっ付いていたけれど、少しづつ物理的な距離を置いてもそわそわしなくなった。それは心が離れたとかそういうのじゃなくて、この人は私の物だと全世界に訴えても了承されるものだと実感できてきたからだった。絶対にそんなことはないし、そんなことはないよと言われていても結婚する前まではもしかしたら私の大切な人を奪ってしまう何か邪悪な存在がいるのでは? と実体のない不安感に捕らわれることがあった。
もちろん、アロウ様のことは信じている……多分信じられないのは自分自身だったんだろう。つがうという行為により、自分のこの身は自分だけのものじゃなくなったんだ、そう感じられるようになって不思議な安堵感が芽生えてきた。
「一緒にお肉を買いに行ってくれますよね?」
「それより一緒に狩りに行こう。その方が大きいのが獲れそうだ」
「はい!」
そして小さなおねだりを全部叶えてくれる所とか……アロウ様も私に色々ねだって欲しいというおねだりをしてくるとか……そういうのがとても嬉しい日々だ。なのでたまに二人一緒に行動せずにバラバラで用事を済ませたりしている。
「それにしてもウィルモッドも中々手が早い」
「真面目ですから」
ウィルモッドのことだ。結婚したら次は跡継ぎを設けなくてはと思ったのか、周りから冗談交じりで言われたことでも真に受けたのか。まあ一番はキミヒトのことを愛しているからだとは思うけれど、あっという間にキミヒトは妊娠していた。
「なんか最近太ってさー。腹が減るからって食べすぎたかなぁ~?」
なんて我が家に遊びに来ていたキミヒトに言われて、ハッとしたのが最初だったのは流石というかなんというか。
「その割に手足には肉がついてないっぽいな。食べ過ぎじゃないの?」
「もしかして、赤ちゃんできてたりしてぇ~? アハハ~」
「……ヨキシャ、レンスン……笑い事じゃない気がするよ。キミヒト、一度お医者様に見ていただきなさい」
「んな馬鹿な! 俺、男だよ~? 妊娠なんかする訳ないじゃん」
「キミヒト、オメガだろ? 妊娠するぞ」
「そーだよ~。むしろヒート中なら妊娠しやすいよねえ?」
「え?」
……そんなやり取りがあって、うちの主治医に診て貰ったら案の定だった。やけにお腹が空くのはまあそういう事だったらしい……キミヒトらしいのは、初期つわりもなく、体調は万全だったことだ。ウィルモッドに急いで連絡をすると、飛んできて大事に抱っこして持ち帰ったので大切にされ過ぎて暇をしている。しょっちゅう招かれて暇つぶしに付き合わされているのだけれど、そこは遊びに行ってやろうと思っている。
そして私は自分のぺたんこのお腹を撫でたりしている……。
「私は……まだかな……」
「もう少し二人っきりでいたいんだ。駄目かな?」
アロウ様はそういって抱き寄せてくれる。私もそう思うけれどやっぱり羨ましいと思う気持ちはある。
「子供ができたらアウリーを独り占め出来なくなっちゃうからね。もう少しこの喜びを堪能したいんだけど?」
「わ、私だってアロウ様を独り占めしていたいです」
「一年くらいは二人がいいんだけどなぁ」
「ふふふっ少し長くないですか?」
「そうかな? これでも控え目に言ったつもりだったんだけどなぁ」
そういわれるとまだまだ焦らなくていいのかなと思うのと、私が気を病まないように言ってくれるのかなと思うのと……本当に二人で仲良くしているのも嬉しいな、なんて思ってしまうのだった。
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