【完結】良い子な邪神に転生した俺は強すぎて封印不可?頑張って封印されます!

鏑木 うりこ

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38 俺達、友達!

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「わおーーーん!」

「わっ!?」

 夢で神様に呼び出されるとなんとなく分かる。すーっと眠りに入るんだけど、上の方に引っ張り上げられるんだよね。で、今日はついた途端、大きな犬に襟首を咥えられて連れ去られてしまった。な、な、何事!?

「お前がルーチェだろ!ふんふん!すげー邪神色!で、今日は何する!?ボール投げ!?枝投げ!??」

「え、しないけど」

「しろよ!!!しろってば!しないとやだーーーーーー!」

 俺よりでかい犬が駄々をこねて転がり回っている。い、いったいこれはどういう状況なんだ!?

「ええと、まずあなた誰ですか……俺、神様に呼ばれて多分ここに来たと思うんだけど」

「俺!フェンリル神!狼の神様!最近ロンのやつがめちゃくちゃ可愛い子とお付き合いしてるって自慢してくるの!イラっとしてムカっとしたからどんな奴かと思って!俺とも一緒に遊ぼうよ!」

「ロン……?あ、シェーロンさんね!」

「うん!直属の眷属まで送りつけたんだろ!どんだけだよ~俺も眷属送って良い??ね、良い?良い??」

「いやぁ……ダメだと思う……」

 巨大な狼……いやもうワンコだ、ワンコ。ワンコは見るからにガーーン!という顔をしてから尻尾がペタンと下がって耳がぺたりと寝た。

「なんで……?俺に鱗がないからダメなのか……?」

「いや、そういう事じゃなくて……」

「狼族はあんまり毛がフワフワじゃないからダメなのか……?確かにゴワゴワの奴らが多いけどお手入れすれば、この首の下の白いモフッとしたところなら結構いい線まで行けるんだけど、ダメか?」

「それは触ってみたい……じゃなくて!」

「やっぱり飛べないからダメなのか?地上はめちゃくちゃ早く走れるし、雪山でも元気に遊べるぞ!竜共は寒いと寝ちゃうけど俺達は元気だぞ!雪遊びは大好きだぞ!」

 このワンコなんだ、押しが強いけど

「俺、あなたの名前も知らないし、友達でもないですし!」

「俺!ヴァン!お前はルーチェ!俺知ってる!どう?これで友達だろ?」

 頭悪い……けど、千切れるほど尻尾を振って目がキラキラして楽しそう。そして首の下の白い毛がもふっとしてて……触ってみたい……。

「うーん……友達、かなぁ?」

「友達!友達!ボール投げしよう!枝でもいいぞ!」

 俺の目の前に投げやすそうなボールと枝がポンっと現れる。流石夢、こんな所もご都合主義だ。

「しょうがないなー……ほーい!」

 俺はボールを掴んでほいっと投げる。

「わふん!取ったぞ!!」

 ぴょんっと飛び上がって、ヴァンさんは上手にキャッチした。

「すごい!上手い!」

「もっとー!もっと投げて~~!」

 ぽんぽんとボールが手元に現れる。流石夢、拾いに行かなくていいなんて楽ちんだ。

「いくよ~~!」「わふーん!」


 その日はヴァンさんとたくさん遊んで夢で疲れて、朝起きたら

「ルーチェさまあああああ大変です!し、神殿の、神殿のまえにいいいいいいいい!」

 トムが飛び込んできたので、慌てて走って行くと

「ボール投げしましょう!」

 狼が5匹きれいに整列してボールを咥えて待っていた。

「我ら、フェンリル神よりルーチェ様のボール投げの相手として直々に遣わされ……」

「か、帰って……?」

 狼って泣くんだ、って初めて知ったよ……。

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