【完結】良い子な邪神に転生した俺は強すぎて封印不可？頑張って封印されます！

117 歴史は繰り返す

「あ……？」

「え……？？」

「きゅん！」

　渦巻く不死者や悪魔たちをパンチで屠りながら、中心地らしきところへやってきたアドニスとレオニスを迎えたのはマンドラ達だった。つぶらな目で二人の変態……いや、神官を見上げるマンドラは良く分からないが

僕達はここにお留守番で残ったんだ。いつでもルーチェが戻って来れるようにね！

　と、誇らしげな顔をしているように見えたような見えなかったような気がした。

「あ、アドニス！ここは何か空間が……歪んでいます！そしてルーチェ様の気配がここでぷっつり途切れています！」

「何か大きな……家？でしょうか。それごとどこかの歪みに飛び込んだような……ああ、あのクソ小憎らしい気配も一緒に！？」

「「またかよーーーーーー！！！！」」

　双子はまた寸前で愛しくて可愛い物を手に入れる前に逃がしてしまったのだった。


　しょんぼりがっかりしながら戻ってきたアドニスとレオニスは

「ここから先はルーチェ教の聖地とする」とか

「これから私達は次元をゆがませ、別の空間に行くための術を編み出すために新しい魔法を開発します！」

　諦めるという言葉はないようだった。

「ルーチェ様の気配が残っているこの町に移住しようそうしよう」

「そうだそうだ、聖地の傍で暮らそう」

　アドニスとレオニスはさっさと二人でエリンの町に住み着いてしまった。

「4000年かけたってあの恋は忘れられない！ルーチェ様、今度こそ私の手を取って～」

「もうセラフィスと逃げたぞ」

「ぬがーーー！」

　どこかの高名な聖王の生まれ変わりと言われている男がその職務を全て捨てて、小さな町に移り住んだとか

「もう大きな声で愛を叫んでいいんだ！ルーチェは可愛い～～～～！」

　どこかの聖騎士が小さな町で大声で叫んでいるだとか

「見てください！これが進化したもふもふ虹色大羊のお布団です！」

　どこかの聖女が何故かお布団を持って小さな町にやって来たとか色々あったが

「またセラフィスと逃げたぞ」

「フンガーーーー！またあいつかーーーーー！」

　歴史は微妙に繰り返されていた。