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アルプラゾラム王国編
もやもや
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しばらくは実習が忙しく、屋敷に戻るのは遅い時間になっていたので、リーンハルト様に会えてなかった。まぁ、私が顔を合わせるのが面倒なので、魔法で合わないようにしていた。リーンハルト様もお忙しいのだろう。移動魔法でアルプラゾラム王国とレミニール王国を行ったり来たりしているようだ。
別にリーンハルト様が嫌いなわけではない。学校に通っていたころにお話をいただいていたら婚約していたかもしれない。リーンハルト様は真面目で良い人だ。
あの頃の私は貴族なんだし、政略結婚で普通に好きでもない人と家のために結婚して家や夫に尽くすのが当たり前だと思っていた。でも、今の私にはそんな考えはない。
ミランダとの出会いやミディア様との出会いで、女でも好きなことをして生きていいと気がついた。
そもそも、出会てからリーンハルト様は、リーンハルト様はブラッドリー様の生まれ変わりで、ミランダの生まれ変わりの私をミランダとして見ていた。
今になって。いくらミランダは関係ないと言われてももやもやする。せめて記憶を思い出す以前に知り合っていたならまだ違ったかもしれないが、ミランダありきの後付けで好きだと言われてもなぁ~。
それに真面目なのはいいけど、なんだか思い込みが激しくて面倒くさい。結婚したら妻を家に縛るタイプの人に思える。私は結婚しても医師や薬師として働きたい。
やっぱりリーンハルト様は無理だわ。
リーンハルト様はもうすぐ、レミニール王国に戻らなくてはならないようだとクリス様が言っていた。戻る時には挨拶しなきゃならないわね。
◆◇◆
「ミオリア」
廊下で声をかけられた。リーンハルト様の声だ。
「やっと会えた。私はレミニールに戻ることになった」
「宰相閣下のお身体の調子が悪いとクリス様から伺いました」
「そうなんだ。私が戻らないと困ると言われた。ミオリア、一緒にレミニールに戻ってくれないか?」
何をいうかと思ったら……。
この前は私が望むなら、次期公爵も次期宰相もやめるとか言ってなかった? まぁ、望まないけど。それなのに一緒に戻ってくれないかって?
結局、私のことより自分のことなのね。今、リーンハルト様と一緒にレミニールに戻ったら、私はリーンハルト様と結婚して次期モーバー公爵夫人になるって事でしょう? ないわ~。それは私のやりたい事ではない。
「戻りません。私はまだアルプラゾラム王国での留学期間が残っております、それに来季からはノルスバン国で学ぶ予定になっております。レミニールに戻るのはまだまだ先ですわ」
「私を選んではくれないか?」
「申し訳ございません。私は私を選びます」
リーンハルト様は難しい顔をしている。
「必ず幸せにする。だから私を選んでほしい」
しつこいな。
「私は誰かに幸せにしていただこうとは思っておりません。私の幸せは私で掴みます」
リーンハルト様が私に近づいてきた。腕を掴まれた。
「仕方ない……」
何が仕方ないのよ?
そう思っていたら意識が途絶えた。
別にリーンハルト様が嫌いなわけではない。学校に通っていたころにお話をいただいていたら婚約していたかもしれない。リーンハルト様は真面目で良い人だ。
あの頃の私は貴族なんだし、政略結婚で普通に好きでもない人と家のために結婚して家や夫に尽くすのが当たり前だと思っていた。でも、今の私にはそんな考えはない。
ミランダとの出会いやミディア様との出会いで、女でも好きなことをして生きていいと気がついた。
そもそも、出会てからリーンハルト様は、リーンハルト様はブラッドリー様の生まれ変わりで、ミランダの生まれ変わりの私をミランダとして見ていた。
今になって。いくらミランダは関係ないと言われてももやもやする。せめて記憶を思い出す以前に知り合っていたならまだ違ったかもしれないが、ミランダありきの後付けで好きだと言われてもなぁ~。
それに真面目なのはいいけど、なんだか思い込みが激しくて面倒くさい。結婚したら妻を家に縛るタイプの人に思える。私は結婚しても医師や薬師として働きたい。
やっぱりリーンハルト様は無理だわ。
リーンハルト様はもうすぐ、レミニール王国に戻らなくてはならないようだとクリス様が言っていた。戻る時には挨拶しなきゃならないわね。
◆◇◆
「ミオリア」
廊下で声をかけられた。リーンハルト様の声だ。
「やっと会えた。私はレミニールに戻ることになった」
「宰相閣下のお身体の調子が悪いとクリス様から伺いました」
「そうなんだ。私が戻らないと困ると言われた。ミオリア、一緒にレミニールに戻ってくれないか?」
何をいうかと思ったら……。
この前は私が望むなら、次期公爵も次期宰相もやめるとか言ってなかった? まぁ、望まないけど。それなのに一緒に戻ってくれないかって?
結局、私のことより自分のことなのね。今、リーンハルト様と一緒にレミニールに戻ったら、私はリーンハルト様と結婚して次期モーバー公爵夫人になるって事でしょう? ないわ~。それは私のやりたい事ではない。
「戻りません。私はまだアルプラゾラム王国での留学期間が残っております、それに来季からはノルスバン国で学ぶ予定になっております。レミニールに戻るのはまだまだ先ですわ」
「私を選んではくれないか?」
「申し訳ございません。私は私を選びます」
リーンハルト様は難しい顔をしている。
「必ず幸せにする。だから私を選んでほしい」
しつこいな。
「私は誰かに幸せにしていただこうとは思っておりません。私の幸せは私で掴みます」
リーンハルト様が私に近づいてきた。腕を掴まれた。
「仕方ない……」
何が仕方ないのよ?
そう思っていたら意識が途絶えた。
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