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婚約解消からの……
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お父様に呼ばれ、執務室にきている。
お父様は貴族らしく喜怒哀楽が読めない顔で私の前にいた。
私は勧められたままソファーに座った。
「ユーファ、フランシス殿下との婚約が解消された」
お父様に言われた。
「仕方ありませんわね。リネット嬢と結婚なさるのかしら?」
「さぁ、どうなるのだろうな。まぁ、ふたりが本当に愛し合っているのなら結婚するだろう」
お父様の言っていることがよくわからない。
お父様は難しい顔をしている私を見てふっと笑った。
「廃嫡になったよ」
「廃嫡ですか? なぜ?」
「リネット嬢は元大公の娘だと謀った。そして、お前や私に対する嘘を調べもせず、リネット嬢の言葉だけで鵜呑みにして、お前を冤罪で侮辱し婚約を解消すると言った。陛下はこんな浅はかな愚か者を次期国王にするわけにはいかない。廃嫡し、臣籍降下させたよ」
そうか。リネットにとって王太子でなくなったフランシス殿下は愛する対象になるのだろうか?
「私も傷モノ令嬢ですわね。修道院にでもいきましょうか?」
お父様はまたふっと笑う。
「お前はそのまま次の王太子の婚約者になる。王妃様はお前を手放したく無いらしい。余程気に入られているんだな」
次期王太子? 誰だ?
「次期王太子とは?」
「ヒューバート殿下だ」
ヒューバート殿下か。
ヒューバート殿下の方が国王に向いているかもしれない。
だがしかし、もう王太子の婚約者は嫌だ。ヒューバート殿下はフランシス殿下と違って昔から優しい、義姉上と私のことも気遣ってくれていた。
でも、また誰かに謀られて私に婚約解消を突きつけるかもしれない。王太子の婚約者じゃなかったらもっと気楽で平和な毎日だったかもしれない。
断われるものなら断ろう。ヒューバート殿下だってスライド式の婚約者なんて嫌だろう。
「お父様、お断りはできますか?」
「断るのか?」
「無理ですか?」
「いや、こんな状況だから話をすればわかってくれると思うが、ヒューバート殿下は嫌か? それともフランシス殿下に未練があるのか?」
「どちらでもありませんわ。ヒューバート殿下は素晴らしい方だと思っていますし、フランシス殿下に未練など全くありません」
「ならなぜ?」
「もう疲れましたわ。ヒューバート殿下の婚約者になっても、またリネット嬢のような人が出てくるかもしれません。もう嫌なのです」
私がため息をつくと、お父様も同じようにため息をついた。
「いちど話をしてみるといい。王妃様と、ヒューバート殿下に面会を申し出ておくよ」
「はい。よろしくお願いします」
私は頭を下げてお父様の執務室を出た。
お父様は貴族らしく喜怒哀楽が読めない顔で私の前にいた。
私は勧められたままソファーに座った。
「ユーファ、フランシス殿下との婚約が解消された」
お父様に言われた。
「仕方ありませんわね。リネット嬢と結婚なさるのかしら?」
「さぁ、どうなるのだろうな。まぁ、ふたりが本当に愛し合っているのなら結婚するだろう」
お父様の言っていることがよくわからない。
お父様は難しい顔をしている私を見てふっと笑った。
「廃嫡になったよ」
「廃嫡ですか? なぜ?」
「リネット嬢は元大公の娘だと謀った。そして、お前や私に対する嘘を調べもせず、リネット嬢の言葉だけで鵜呑みにして、お前を冤罪で侮辱し婚約を解消すると言った。陛下はこんな浅はかな愚か者を次期国王にするわけにはいかない。廃嫡し、臣籍降下させたよ」
そうか。リネットにとって王太子でなくなったフランシス殿下は愛する対象になるのだろうか?
「私も傷モノ令嬢ですわね。修道院にでもいきましょうか?」
お父様はまたふっと笑う。
「お前はそのまま次の王太子の婚約者になる。王妃様はお前を手放したく無いらしい。余程気に入られているんだな」
次期王太子? 誰だ?
「次期王太子とは?」
「ヒューバート殿下だ」
ヒューバート殿下か。
ヒューバート殿下の方が国王に向いているかもしれない。
だがしかし、もう王太子の婚約者は嫌だ。ヒューバート殿下はフランシス殿下と違って昔から優しい、義姉上と私のことも気遣ってくれていた。
でも、また誰かに謀られて私に婚約解消を突きつけるかもしれない。王太子の婚約者じゃなかったらもっと気楽で平和な毎日だったかもしれない。
断われるものなら断ろう。ヒューバート殿下だってスライド式の婚約者なんて嫌だろう。
「お父様、お断りはできますか?」
「断るのか?」
「無理ですか?」
「いや、こんな状況だから話をすればわかってくれると思うが、ヒューバート殿下は嫌か? それともフランシス殿下に未練があるのか?」
「どちらでもありませんわ。ヒューバート殿下は素晴らしい方だと思っていますし、フランシス殿下に未練など全くありません」
「ならなぜ?」
「もう疲れましたわ。ヒューバート殿下の婚約者になっても、またリネット嬢のような人が出てくるかもしれません。もう嫌なのです」
私がため息をつくと、お父様も同じようにため息をついた。
「いちど話をしてみるといい。王妃様と、ヒューバート殿下に面会を申し出ておくよ」
「はい。よろしくお願いします」
私は頭を下げてお父様の執務室を出た。
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