3 / 39
3話 婚約解消を父にお願いしてみました
どうして巻き戻るなら婚約前に巻き戻らなかったのだろう。もう少し前に戻ってくれればよかったのに。
とにかくなんとかして、あの日までに婚約解消しないといけない。
7歳の私は前の人生の記憶を思い出しながら、これからやらなければならない事を書き出してみた。
まずは、婚約解消。これが一番。できない場合の為に色々考えよう。
国外追放された時に死ななくていいように、馬車に乗せられた私を助けてくれる人を頼まないといけない。できるなら、あの場から外国に逃げられるように手引きしてくれる人を見つけたい。お金を沢山渡して依頼すればなんとかなるだろうか? そして住む場所と仕事を確保しないといけない。お金は必要だな。
私は少しだが魔法が使える。我が国は魔法が使える者が少ない。私は母方の曽祖母が魔法大国の出身だったらしく、魔力が強かった。曽祖母からの遺伝で魔法が使えるようだ。
18歳になるまてに魔法を勉強し、磨いて、この国を出たあとは、魔導士として仕事ができるように頑張ろう。
そうだ。早めに逃げるのもありかもしれない。婚約解消が難しそうなら、馬車の事故で死んだと見せかけて逃げるとか、留学して、そのまま消息不明になるのもいい。
とにかく今は婚約解消を願いながら、色んな知識を頭に入れよう。私には前の人生で得た王太子妃教育の知識もある。
今の人生では、私はおばあちゃんになるまで絶対生き残るぞ! そして平凡な生活を送りたい。
「お父様、お願いがあります。テオドール殿下との婚約を解消したいのです」
ダメもとで父にお願いしてみた。父は驚いた顔をしている。まさか前世で酷い目に遭いましたとは言えないし、とりあえず神託ということにして告げてみようか。
「どうしてだ? 殿下とはうまくいっているように見えていたが、違ったのか? 殿下に不満でも?」
「いえ、不満などありません。実は高熱で意識をなくしている間に御神託を受けたのです」
私は前世であったことをさも神様から告げられたように父に話をした。
「神託か? ただの夢ではないのか?」
まぁ、はいそうですかとは信じられないだろう。
「そうですね。夢かもしれません。ただ、私は今回の事故以来、体調が思わしくなく、王太子妃になっても皆様のご期待には沿えないと思います。今ならまだ他のご令嬢も婚約している方は少ないし、きっと私より、殿下にふさわしい方がおられますわ。どうかお願いします」
「ルナベル、お前の気持ちはわかる。事故で不安定なっているので、そんな神託のような夢を見たのかもしれない。結婚はまだまだ先だ。それまでには身体も回復するだろう。婚約を解消するにしてもそんなに慌てなくても良いと思うぞ」
父は私の心も身体も、本当に弱っていると思っているのだろう。優しく諭してくれている。
「今の体調では王太子妃教育もまともに受けられません。御神託も気になります。お願いします。陛下にお話だけでもして下さいませんか」
私は食い下がったが、父は困った顔をしている。
「わかった。陛下に話してみる」
少し間を置いて父はそう言ってくれた。ダメもとだ。たとえ却下されても私は婚約を解消したいと思っている事をみんなに知ってもらいたい。そして神託を聞いたということも。
「姉様、僕のせいでごめんなさい。もし、殿下との婚約が解消になったら僕は死んでお詫びします。」
アローノは泣きながら私に抱きつく。
「アロのせいじゃないわ。私は元々殿下と婚約なんてしたくなんてなかったの。それにこれは御神託なの。神様が殿下と婚約していたら酷いことになると知らせてくれたのよ。もしも婚約解消になったらアロにお礼をするわね」
父母に聞こえないような小さな声でアローノに囁く。
「姉様、僕が姉様を一生お守りします。このラメルテオンの家名に誓います」
我が弟はとてもしっかりしてるし、真面目で可愛いわ。前の人生ではこんなにしっかりしてなかったと思う。ゾレアに懸想し、私を目の敵にしていたのにね。
今世では、自分のせいで姉が池に落ちて生死をさまよったという罪悪感がアローノをしっかりさせたのかもしれない。
「ありがとう。でも私のことは気にしなくていいのよ」
私はアローノに笑顔を向けた。
次の日、王宮から戻ってきた父に呼ばれた。
陛下に話をしてくれたのかしら。私はわくわくしながら、父の元に向かった。
「ルナベル、すまない。婚約解消の話はダメだった。王太子妃教育は身体の調子が良くなってからでも良いから今はゆっくり休めと言われたよ。さすがに神託の話はできなかった」
私は父の言葉にため息をつく。
「陛下も王妃様も殿下もお前を気に入っていてね。殿下の婚約者はお前しかいないと仰るのでそれ以上、何も言えなくなってしまったんだ」
まぁ、ダメもとだから仕方ないか。でもまだ諦めないわ。
「承知しました。しかし、殿下にふさわしい方が現れたら私は婚約を解消したいと存じます。御神託通りになったら辛いです。お父様よろしいですね」
7歳児だけど凄い威圧感を出してみた。
「ルナベルの気持ちはわかった。私も何とか婚約を解消できるように頑張ってみる。神託のことは置いておいて、まずは身体を治せ」
「ありがとう存じます」
私は父に頭を下げた拍子に軽い眩暈を起こしふらついた。
「姉様!」
アローノが駆け寄ってくる。
「お父様、やっぱり姉様は殿下との婚約は無理です。姉様が不幸になります。僕が一生かけて姉様を守ります。だから、婚約を解消してあげて下さい」
アローノありがとう。姉様は良い弟を持ったわ。前の人生でもゾレアが現れるまでは仲が良かったけど、今の人生では前の人生以上に仲良くなれそうだわ。
私は円満な婚約解消のためにアローノも味方に引き込むことにした。
とにかくなんとかして、あの日までに婚約解消しないといけない。
7歳の私は前の人生の記憶を思い出しながら、これからやらなければならない事を書き出してみた。
まずは、婚約解消。これが一番。できない場合の為に色々考えよう。
国外追放された時に死ななくていいように、馬車に乗せられた私を助けてくれる人を頼まないといけない。できるなら、あの場から外国に逃げられるように手引きしてくれる人を見つけたい。お金を沢山渡して依頼すればなんとかなるだろうか? そして住む場所と仕事を確保しないといけない。お金は必要だな。
私は少しだが魔法が使える。我が国は魔法が使える者が少ない。私は母方の曽祖母が魔法大国の出身だったらしく、魔力が強かった。曽祖母からの遺伝で魔法が使えるようだ。
18歳になるまてに魔法を勉強し、磨いて、この国を出たあとは、魔導士として仕事ができるように頑張ろう。
そうだ。早めに逃げるのもありかもしれない。婚約解消が難しそうなら、馬車の事故で死んだと見せかけて逃げるとか、留学して、そのまま消息不明になるのもいい。
とにかく今は婚約解消を願いながら、色んな知識を頭に入れよう。私には前の人生で得た王太子妃教育の知識もある。
今の人生では、私はおばあちゃんになるまで絶対生き残るぞ! そして平凡な生活を送りたい。
「お父様、お願いがあります。テオドール殿下との婚約を解消したいのです」
ダメもとで父にお願いしてみた。父は驚いた顔をしている。まさか前世で酷い目に遭いましたとは言えないし、とりあえず神託ということにして告げてみようか。
「どうしてだ? 殿下とはうまくいっているように見えていたが、違ったのか? 殿下に不満でも?」
「いえ、不満などありません。実は高熱で意識をなくしている間に御神託を受けたのです」
私は前世であったことをさも神様から告げられたように父に話をした。
「神託か? ただの夢ではないのか?」
まぁ、はいそうですかとは信じられないだろう。
「そうですね。夢かもしれません。ただ、私は今回の事故以来、体調が思わしくなく、王太子妃になっても皆様のご期待には沿えないと思います。今ならまだ他のご令嬢も婚約している方は少ないし、きっと私より、殿下にふさわしい方がおられますわ。どうかお願いします」
「ルナベル、お前の気持ちはわかる。事故で不安定なっているので、そんな神託のような夢を見たのかもしれない。結婚はまだまだ先だ。それまでには身体も回復するだろう。婚約を解消するにしてもそんなに慌てなくても良いと思うぞ」
父は私の心も身体も、本当に弱っていると思っているのだろう。優しく諭してくれている。
「今の体調では王太子妃教育もまともに受けられません。御神託も気になります。お願いします。陛下にお話だけでもして下さいませんか」
私は食い下がったが、父は困った顔をしている。
「わかった。陛下に話してみる」
少し間を置いて父はそう言ってくれた。ダメもとだ。たとえ却下されても私は婚約を解消したいと思っている事をみんなに知ってもらいたい。そして神託を聞いたということも。
「姉様、僕のせいでごめんなさい。もし、殿下との婚約が解消になったら僕は死んでお詫びします。」
アローノは泣きながら私に抱きつく。
「アロのせいじゃないわ。私は元々殿下と婚約なんてしたくなんてなかったの。それにこれは御神託なの。神様が殿下と婚約していたら酷いことになると知らせてくれたのよ。もしも婚約解消になったらアロにお礼をするわね」
父母に聞こえないような小さな声でアローノに囁く。
「姉様、僕が姉様を一生お守りします。このラメルテオンの家名に誓います」
我が弟はとてもしっかりしてるし、真面目で可愛いわ。前の人生ではこんなにしっかりしてなかったと思う。ゾレアに懸想し、私を目の敵にしていたのにね。
今世では、自分のせいで姉が池に落ちて生死をさまよったという罪悪感がアローノをしっかりさせたのかもしれない。
「ありがとう。でも私のことは気にしなくていいのよ」
私はアローノに笑顔を向けた。
次の日、王宮から戻ってきた父に呼ばれた。
陛下に話をしてくれたのかしら。私はわくわくしながら、父の元に向かった。
「ルナベル、すまない。婚約解消の話はダメだった。王太子妃教育は身体の調子が良くなってからでも良いから今はゆっくり休めと言われたよ。さすがに神託の話はできなかった」
私は父の言葉にため息をつく。
「陛下も王妃様も殿下もお前を気に入っていてね。殿下の婚約者はお前しかいないと仰るのでそれ以上、何も言えなくなってしまったんだ」
まぁ、ダメもとだから仕方ないか。でもまだ諦めないわ。
「承知しました。しかし、殿下にふさわしい方が現れたら私は婚約を解消したいと存じます。御神託通りになったら辛いです。お父様よろしいですね」
7歳児だけど凄い威圧感を出してみた。
「ルナベルの気持ちはわかった。私も何とか婚約を解消できるように頑張ってみる。神託のことは置いておいて、まずは身体を治せ」
「ありがとう存じます」
私は父に頭を下げた拍子に軽い眩暈を起こしふらついた。
「姉様!」
アローノが駆け寄ってくる。
「お父様、やっぱり姉様は殿下との婚約は無理です。姉様が不幸になります。僕が一生かけて姉様を守ります。だから、婚約を解消してあげて下さい」
アローノありがとう。姉様は良い弟を持ったわ。前の人生でもゾレアが現れるまでは仲が良かったけど、今の人生では前の人生以上に仲良くなれそうだわ。
私は円満な婚約解消のためにアローノも味方に引き込むことにした。
あなたにおすすめの小説
冤罪から逃れるために全てを捨てた。
四折 柊
恋愛
王太子の婚約者だったオリビアは冤罪をかけられ捕縛されそうになり全てを捨てて家族と逃げた。そして以前留学していた国の恩師を頼り、新しい名前と身分を手に入れ幸せに過ごす。1年が過ぎ今が幸せだからこそ思い出してしまう。捨ててきた国や自分を陥れた人達が今どうしているのかを。(視点が何度も変わります)
再会の約束の場所に彼は現れなかった
四折 柊
恋愛
ロジェはジゼルに言った。「ジゼル。三年後にここに来てほしい。僕は君に正式に婚約を申し込みたい」と。平民のロジェは男爵令嬢であるジゼルにプロポーズするために博士号を得たいと考えていた。彼は能力を見込まれ、隣国の研究室に招待されたのだ。
そして三年後、ジゼルは約束の場所でロジェを待った。ところが彼は現れない。代わりにそこに来たのは見知らぬ美しい女性だった。彼女はジゼルに残酷な言葉を放つ。「彼は私と結婚することになりました」とーーーー。(全5話)
【完結】白い結婚をした悪役令嬢は田舎暮らしと陰謀を満喫する
ツカノ
恋愛
「こんな形での君との婚姻は望んでなかった」と、私は初夜の夜に旦那様になる方に告げられた。
卒業パーティーで婚約者の最愛を虐げた悪役令嬢として予定通り断罪された挙げ句に、その罰としてなぜか元婚約者と目と髪の色以外はそっくりな男と『白い結婚』をさせられてしまった私は思う。
それにしても、旦那様。あなたはいったいどこの誰ですか?
陰謀と事件混みのご都合主義なふんわり設定です。
捨てられたなら 〜婚約破棄された私に出来ること〜
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
長年の婚約者だった王太子殿下から婚約破棄を言い渡されたクリスティン。
彼女は婚約破棄を受け入れ、周りも処理に動き出します。
さて、どうなりますでしょうか……
別作品のボツネタ救済です(ヒロインの名前と設定のみ)。
突然のポイント数増加に驚いています。HOTランキングですか?
自分には縁のないものだと思っていたのでびっくりしました。
私の拙い作品をたくさんの方に読んでいただけて嬉しいです。
それに伴い、たくさんの方から感想をいただくようになりました。
ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただけたらと思いますので、中にはいただいたコメントを非公開とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきますし、削除はいたしません。
7/16 最終部がわかりにくいとのご指摘をいただき、訂正しました。
※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。
願いの代償
らがまふぃん
恋愛
誰も彼もが軽視する。婚約者に家族までも。
公爵家に生まれ、王太子の婚約者となっても、誰からも認められることのないメルナーゼ・カーマイン。
唐突に思う。
どうして頑張っているのか。
どうして生きていたいのか。
もう、いいのではないだろうか。
メルナーゼが生を諦めたとき、世界の運命が決まった。
*ご都合主義です。わかりづらいなどありましたらすみません。笑って読んでくださいませ。本編15話で完結です。番外編を数話、気まぐれに投稿します。よろしくお願いいたします。
※ありがたいことにHOTランキング入りいたしました。たくさんの方の目に触れる機会に感謝です。本編は終了しましたが、番外編も投稿予定ですので、気長にお付き合いくださると嬉しいです。たくさんのお気に入り登録、しおり、エール、いいねをありがとうございます。R7.1/31
*らがまふぃん活動三周年周年記念として、R7.11/4に一話お届けいたします。楽しく活動させていただき、ありがとうございます。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
性格が嫌いだと言われ婚約破棄をしました
クロユキ
恋愛
エリック・フィゼリ子息子爵とキャロル・ラシリア令嬢子爵は親同士で決めた婚約で、エリックは不満があった。
十五歳になって突然婚約者を決められエリックは不満だった。婚約者のキャロルは大人しい性格で目立たない彼女がイヤだった。十六歳になったエリックには付き合っている彼女が出来た。
我慢の限界に来たエリックはキャロルと婚約破棄をする事に決めた。
誤字脱字があります不定期ですがよろしくお願いします。
どうしてあなたが後悔するのですか?~私はあなたを覚えていませんから~
クロユキ
恋愛
公爵家の家系に生まれたジェシカは一人娘でもあり我が儘に育ちなんでも思い通りに成らないと気がすまない性格だがそんな彼女をイヤだと言う者は居なかった。彼氏を作るにも慎重に選び一人の男性に目を向けた。
同じ公爵家の男性グレスには婚約を約束をした伯爵家の娘シャーロットがいた。
ジェシカはグレスに強制にシャーロットと婚約破棄を言うがしっこいと追い返されてしまう毎日、それでも諦めないジェシカは貴族で集まった披露宴でもグレスに迫りベランダに出ていたグレスとシャーロットを見つけ寄り添う二人を引き離そうとグレスの手を握った時グレスは手を払い退けジェシカは体ごと手摺をすり抜け落下した…
誤字脱字がありますが気にしないと言っていただけたら幸いです…更新は不定期ですがよろしくお願いします。