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散策
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ヴァンガーリン国は王都の近くに海があり、海産物が美味しいらしい。
お父さまとお母さまはこちらの親戚に会う用事があるらしく、ルー様とライザが私とリカルドを海や街に案内してくれることになった。
馬車から降り、街を散策しているといろんな人に声をかけられる。
「ルーファス殿下! お妃様ですか?」
「殿下、今日は素敵な令嬢をお連れですね」
「お~、殿下もやっと春が来たか!」
ルー様が民に人気があるのはよくわかったが、勘違いされて困る。
「ルー様は民に慕われているのですね」
「そうなの。ルー兄さまは市井の人達が生きやすくなるように色々な改革をしてきたの。民に寄り添う王太子として人気があるの」
ライザは嬉しそうだ。
「姉上はすっかりルー兄上のお嫁さん候補だと思われているみたいだな」
いつのまにかルー兄上なんて呼んでいるリカルドは面白そうに笑う。
「お姉さまがルー兄さまのお嫁さんになってくれたらいいのに。民もきっと喜ぶわ」
またライザのお嫁さんになって~が始まった。
ルー様は何も言わず微笑んでいる。
ユリウス様と婚約していなければ、ルー様と結婚もあり得たかもしれないけど、あそこまで私を愛してくれている人を捨てるなんて考えられない。
それに、ルー様と結婚したら自動的に次の王妃でしょう? 無い無い。王妃なんて絶対嫌だ。
ユリウス様と結婚した方が社交界で頑張らなくていいはず。
私は貴族達の腹の探り合いみたいなのが苦手だもの。
「ヴィオ、どうしたの? 何か考え事か? こんなに民に慕われているなら私と結婚してもいいかなと思っていたとか?」
ルー様が私の顔を覗き込んだ。
「無いですわ」
嘘笑いをしながら私は歩き出した。
ランチは海の側のレストランで食べることになった。
新鮮な魚介類はとても美味しい。
ユリウス様やお義母さま、お義父さまにも食べさせてあげたいなぁと思う。
どんなに忙しくても毎日会いに来てくれていたので、会えないと淋しいかも。
あれ、私、ユリウス様のこと、思っているより好きなのかもしれない。
お父さまとお母さまはこちらの親戚に会う用事があるらしく、ルー様とライザが私とリカルドを海や街に案内してくれることになった。
馬車から降り、街を散策しているといろんな人に声をかけられる。
「ルーファス殿下! お妃様ですか?」
「殿下、今日は素敵な令嬢をお連れですね」
「お~、殿下もやっと春が来たか!」
ルー様が民に人気があるのはよくわかったが、勘違いされて困る。
「ルー様は民に慕われているのですね」
「そうなの。ルー兄さまは市井の人達が生きやすくなるように色々な改革をしてきたの。民に寄り添う王太子として人気があるの」
ライザは嬉しそうだ。
「姉上はすっかりルー兄上のお嫁さん候補だと思われているみたいだな」
いつのまにかルー兄上なんて呼んでいるリカルドは面白そうに笑う。
「お姉さまがルー兄さまのお嫁さんになってくれたらいいのに。民もきっと喜ぶわ」
またライザのお嫁さんになって~が始まった。
ルー様は何も言わず微笑んでいる。
ユリウス様と婚約していなければ、ルー様と結婚もあり得たかもしれないけど、あそこまで私を愛してくれている人を捨てるなんて考えられない。
それに、ルー様と結婚したら自動的に次の王妃でしょう? 無い無い。王妃なんて絶対嫌だ。
ユリウス様と結婚した方が社交界で頑張らなくていいはず。
私は貴族達の腹の探り合いみたいなのが苦手だもの。
「ヴィオ、どうしたの? 何か考え事か? こんなに民に慕われているなら私と結婚してもいいかなと思っていたとか?」
ルー様が私の顔を覗き込んだ。
「無いですわ」
嘘笑いをしながら私は歩き出した。
ランチは海の側のレストランで食べることになった。
新鮮な魚介類はとても美味しい。
ユリウス様やお義母さま、お義父さまにも食べさせてあげたいなぁと思う。
どんなに忙しくても毎日会いに来てくれていたので、会えないと淋しいかも。
あれ、私、ユリウス様のこと、思っているより好きなのかもしれない。
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