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三章
14・エルフ好きの王様と毒姫
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その後のライオネル・ドラグーンの行動は速く、お茶会の翌日には王都ファグレに向けて出発した。
ドラグーン公爵邸と王城は緊急時用に時空間魔法の一種、転移魔法で繋がっていた。
王族しか使えないが、公爵邸にある魔方陣に乗り魔力を流せば、王城にある魔方陣に一瞬で着く。
「まったく、緊急事態だと言うから何事かと思ったら……新しく娘を迎え入れたいだと?」
「俺にとっては緊急事態だ……多分」
国王の執務室にてライオネルは兄…ライナル・メガリスと話していた。
二人は兄弟なだけあって、よく似た容姿をしていた。
金髪に碧眼、整った顔。まさにザ・王様な二人だった。
ちなみにライナルの子供達も金髪碧眼……王族の血恐るべし。
「分かった分かった。娘の件は俺が手回ししておく」
「助かる」
「ところで……一つ聞きたい事がある。新しく雇ったエルフのメイドが居るな?」
「あ、ああ……」
メイドの事を聞かれライオネルは焦った。
(兄上は竜とエルフの関係について分かっているはずだが……もしかして、どこかのバカ貴族が何か動いているのか?)
もし貴族がメイド(エルフ)を使って何かしようものなら、国際問題に為りかねない。
どんどん考えが悪い方へ向かっていくライオネルに対しライナルが口を開く。
「エルフメイドが一人でバルシェ王国軍を倒したとか色々報告が来ておるが、そんなことはどうでもいい!俺が気になるのは一つ!そのメイド……美人か?エルフなのだから美人なのだろう?」
「……美人だ。無表情だが」
「やったぜ!よし、今度ドラグーン領に遊び……視察に向かう」
「止めてくれ、王妃が泣くぞ……」
国王は大のエルフ好きだった。
数日後、ノワールはドラグーン公爵邸に向かう馬車に揺られていた。
今よりも美味しいものが食べられるとライオネルに説明され、公爵領行きに二つ返事で頷いた結果だ。
出発の日、見送りはブリュンヒルデ一人だったが状況が状況なので仕方ないだろう。
エルドリン伯爵に国王から非公式な手紙が届いたのだ。手紙を要約すると
『エルドリン伯爵家での虐待の件は不問とし、ノワール嬢はドラグーン公爵家の養子とする』
ノワールは伯爵令嬢から公爵令嬢にレベルした!
※【黒竜王】(主神と同格)→【伯爵令嬢】→【公爵令嬢】
レベル下がってね?
『ところでノワールちゃん、貴女に言っておきたい事があるのよ』
「ん?」
『ノワールちゃんはもっと味わって食べるべきよ!味覚が良くなって感動しているのは分かるわ。でも何を食べても【美味しい】か【面白い】って……変だから!』
ノワールにとって鶏肉も牛肉も『美味しい肉』、食用キノコも毒キノコも『美味しいキノコ』、キノコスープも野菜スープも『美味しいスープ』だった。料理人泣かせである。
「……そう?毒キノコ食べるとお腹の中がピリピリして面白いのだけれど」
『……っ!?何故貴女がここに……?ちょっ……ぎゃあああぁぁぁ!』
「ん?おーい、女神ー?」
返事はない。
「おーい、イセリアー?駄目女神雌豚ー?…… お腹でも壊した?」
その時、天界では
「ブリュンヒルデ……何故貴女がここに?」
「死ね、雌豚」
「あ……これガチだ。久々に妹ちゃんがガチで殺しに来たわ」
「死ね、雌豚」
「う~ん、駄目だこりゃ!……ぎゃあああぁぁぁ!」
「おえっ、ぁがっ……」
「死ね、雌豚」
「いや~、死ぬかと思ったわ~」
「今ので死なない女神様が怖いですよ……」
「現状の毒は効果無し。しかし一部の毒は頭皮への影響を確認。白竜様へ情報の送信開始……」
「ちょっ⁉私の髪大丈夫なの⁉」
ドラグーン公爵邸と王城は緊急時用に時空間魔法の一種、転移魔法で繋がっていた。
王族しか使えないが、公爵邸にある魔方陣に乗り魔力を流せば、王城にある魔方陣に一瞬で着く。
「まったく、緊急事態だと言うから何事かと思ったら……新しく娘を迎え入れたいだと?」
「俺にとっては緊急事態だ……多分」
国王の執務室にてライオネルは兄…ライナル・メガリスと話していた。
二人は兄弟なだけあって、よく似た容姿をしていた。
金髪に碧眼、整った顔。まさにザ・王様な二人だった。
ちなみにライナルの子供達も金髪碧眼……王族の血恐るべし。
「分かった分かった。娘の件は俺が手回ししておく」
「助かる」
「ところで……一つ聞きたい事がある。新しく雇ったエルフのメイドが居るな?」
「あ、ああ……」
メイドの事を聞かれライオネルは焦った。
(兄上は竜とエルフの関係について分かっているはずだが……もしかして、どこかのバカ貴族が何か動いているのか?)
もし貴族がメイド(エルフ)を使って何かしようものなら、国際問題に為りかねない。
どんどん考えが悪い方へ向かっていくライオネルに対しライナルが口を開く。
「エルフメイドが一人でバルシェ王国軍を倒したとか色々報告が来ておるが、そんなことはどうでもいい!俺が気になるのは一つ!そのメイド……美人か?エルフなのだから美人なのだろう?」
「……美人だ。無表情だが」
「やったぜ!よし、今度ドラグーン領に遊び……視察に向かう」
「止めてくれ、王妃が泣くぞ……」
国王は大のエルフ好きだった。
数日後、ノワールはドラグーン公爵邸に向かう馬車に揺られていた。
今よりも美味しいものが食べられるとライオネルに説明され、公爵領行きに二つ返事で頷いた結果だ。
出発の日、見送りはブリュンヒルデ一人だったが状況が状況なので仕方ないだろう。
エルドリン伯爵に国王から非公式な手紙が届いたのだ。手紙を要約すると
『エルドリン伯爵家での虐待の件は不問とし、ノワール嬢はドラグーン公爵家の養子とする』
ノワールは伯爵令嬢から公爵令嬢にレベルした!
※【黒竜王】(主神と同格)→【伯爵令嬢】→【公爵令嬢】
レベル下がってね?
『ところでノワールちゃん、貴女に言っておきたい事があるのよ』
「ん?」
『ノワールちゃんはもっと味わって食べるべきよ!味覚が良くなって感動しているのは分かるわ。でも何を食べても【美味しい】か【面白い】って……変だから!』
ノワールにとって鶏肉も牛肉も『美味しい肉』、食用キノコも毒キノコも『美味しいキノコ』、キノコスープも野菜スープも『美味しいスープ』だった。料理人泣かせである。
「……そう?毒キノコ食べるとお腹の中がピリピリして面白いのだけれど」
『……っ!?何故貴女がここに……?ちょっ……ぎゃあああぁぁぁ!』
「ん?おーい、女神ー?」
返事はない。
「おーい、イセリアー?駄目女神雌豚ー?…… お腹でも壊した?」
その時、天界では
「ブリュンヒルデ……何故貴女がここに?」
「死ね、雌豚」
「あ……これガチだ。久々に妹ちゃんがガチで殺しに来たわ」
「死ね、雌豚」
「う~ん、駄目だこりゃ!……ぎゃあああぁぁぁ!」
「おえっ、ぁがっ……」
「死ね、雌豚」
「いや~、死ぬかと思ったわ~」
「今ので死なない女神様が怖いですよ……」
「現状の毒は効果無し。しかし一部の毒は頭皮への影響を確認。白竜様へ情報の送信開始……」
「ちょっ⁉私の髪大丈夫なの⁉」
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