黒竜はご飯が食べたい

ゆみ

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三章

26・リンゴと蜂蜜は相性が良いよね

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とある日、ノワールはせっせと土いじりをしていた。
(主にメイドが)公爵と交渉し、公爵邸にある畑の一部を使わせてもらえる様になったのだ。

畑にリンゴマンの種を植えていると、散歩中のリオンドがやって来た。

「やあ、ノワール。何をしているんだい?」

「義兄様。リンゴマンの種を植えていますのよ、オホホホホ」

「リンゴマン……グシオンに聞いたよ。見た目はアレだが美味しいのだろう?」

「はい!食べますか?」

「ん?まだ種を植えたばかり……」

ノワールは植えたリンゴマンの種に魔力を注ぎ込む。
次の瞬間、一瞬にして巨大な樹が三人(メイドが居ます)の目の前に現れた。
食用にと女神達が創った魔物の為、(ノワールレベルの膨大な)魔力を注げば簡単に育つリンゴマンだった。

そしてリンゴ頭でパンツ一丁なガチムチ達が樹にたくさん実った。

実ってしまった。

「……これがリンゴマンか。しかし大丈夫なのか?グシオンはかなり危険な魔物だと言っていたが」

「ああ……。それは野生化したリンゴマンだからですよ。普通に育てれば大丈夫です」

そもそもリンゴマンは食用。食べてくれる者には優しかった。
まあ、ノワールはリンゴマンにとって絶対の捕食者なので従順なのだが。

見た目はアレだが食わず嫌いは善くないと、リンゴマンを食べるリオンド。

「美味しい……」

「でしょ?私も食べましょう。カモン、リンゴマン!」

「リンゴ!」

自らノワールに食べられに来るリンゴマン達。
そんなリンゴマン達の顔は嬉しそうだった……顔、リンゴだけど。
ノワール達がリンゴ(マンの頭)を食べていると、噂を聞きつけ騎士達が集まり、そのままリンゴパーリーが始まった。
そして気がつけばライオネルやその執事など、公爵邸の皆が集まり盛大なリンゴパーリーになった。

「「「リンゴ!」」」

天界よりも充実した日々を手に入れたリンゴマン達だった……。
めでたし、めでたし。









リンゴマンが公爵邸に馴染みつつあったある日、メイドの探知結界に魔物が掛かった。
その魔物はキラービー。群全体でAランクにもなる巨大な蜂達だ。
キラービーの幼虫は花の蜜しか食べない為、巣には大量の蜂蜜がある。
しかし、成虫や女王蜂は肉食で人間も襲う。
その為キラービーは発見したら直ぐに駆除しなければ為らない。








そう……蜂蜜だ。
この蜂蜜、美味しいのだ。
つまり……








「ヒャッハー!蜂蜜狩りじゃー!」

「まずい!お嬢が突撃した!キラービーは槍等の素材に有用だ!お嬢(とメイド)に破壊される前に回収するんだ!」

「「「おー!」」」

リンゴ蜂蜜に目が眩んだノワールは皆の制止も聞かず突撃した。
そして現場に到着した騎士団が見たのはキラービーの巣に頭を突っ込んだノワールだった……。

ノワールのお尻が嬉しそうに揺れながら、もごもごと音がする為、蜂蜜を絶賛試食中なのが分かる。
その横でメイドは静かに佇んでいた。辺り一面キラービーの死骸だらけだが。

「よし、キラービーは全滅しているようだ。使えそうな部位を回収するんだ」

「「「了解!」」」

「お嬢様は食事中なので静かにお願いします」

「「「了解であります」」」

「むふー!」

ノワールは満足げな雄たけびがこだました。蜂の巣の中で。





結局、蜂蜜を食べ尽くしてしまった為、リンゴ蜂蜜を諦めたノワールだった。


















    
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感想 3

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みんなの感想(3件)

尾裂狐
2020.08.30 尾裂狐

食べたのか……

解除
尾裂狐
2020.08.27 尾裂狐

メイドの自由が過ぎるw

解除
尾裂狐
2020.08.11 尾裂狐

ご飯が解せぬってww

女神様と黒竜のやりとりよw。

おもしろそうなお話です!がんばってください!

解除

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