妹はブラコン娘?!

松野がなめ

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episode4 琴音との距離

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「あ~……ねみぃ」

 俺はいつもより早起きしていた。なんせ今日は日曜だ!
 学校が、ない土日はまじで最高の日だ。

 しっかし、最近は色んな事がありすぎた。琴音との事もまだ解決した訳ではない。あれから何故か琴音に避けられてる気がするんだよなぁ。

 琴音の友達がいるときは別に普通なんだが、二人のときは明らかに様子がおかしいしな……
 まぁ、兄貴の下着姿なんぞ妹からしたら見たくもない話しだわな。それは分からなくもない。

 だが、まだ妹の下着姿を見てしまうよりはましか……恐らくそんな事になれば正しく俺の命はない。


 ーーだが不覚にも俺は妹の下着姿を想像してしまった。


 だぁーーーー!! 何してんだ俺は…… ものすごく俺、乙 と言いたくなった。

 くそー、これも元はと言えば全ての元凶はあの隼人にあるッ!! あいつがカリカノなるアニメをよこさなければッ!! ぐぬぬ……

 はぁ……朝っぱらから何やってんだ俺は…… 

 俺は部屋を出てリビングに向かいドアを開けようとした時リビングからの声に背筋が凍った。


「……おにぃちゃぁん」



 ーーは?  


 待て待て落ち着け、落ち着くんだって……


 ーー落ち着けるかボケぇぇ!! 


 俺はこの場にもしちゃぶ台があったのならものすごい勢いでひっくり返していただろう。

 今のは正しく女性の声……ま、ま、まさかぁ!!
 俺は唾を飲み込みながらこの開かずの間のドアノブに手を掛けようとしたときだった。

 ガチャっという音と共に俺は後ろへ飛び退いた。中から出てきたのはやはり琴音だった。

「え? り、り、竜にぃ~~?!」

 ぐわ! またなんてタイミングで出てきやがんだこやつは!!

「そ、そ、そんなところで、な、何してるの……?!」
「い、いや、たまたま早く起きたから飯でも食べようとリビングに入ろうとしただけだぞ?」

  俺はもちろん変な声が聞こえた事は言えず、とりあえずそう言った。

「そ、そうなんだ……」

 琴音は頬を赤くして目線を下に向けてモジモジしてしまった。

 だーかーらー! 何なんだこの反応は! 頼むからやめてくれ…… 

 だがとりあえずはこの場はなんとかしないと今でも気まずいのに更に気まずくなってしまう。

 はぁ……こう言う時なんて声をかければいいのかわからないってのも俺の不器用なとこなんだよなぁ。

 本当にそれは痛いほど良くわかっていた。ほんと人間関係には琴音に関しても俺に関しても互いに不器用すぎた。

「琴音、朝飯作ってくれるか?」
「あ、ご、ごめんなさいっ! 今作るから出来たら呼ぶから」

 俺がそう言うと琴音はハッと我に返ったように噛み噛みながらも答えてくれた。
 俺は部屋へ戻ると一人考えていた。
 ある種この琴音の照れてるのかなんなのかわからない態度は兄妹であったとしても琴音も女の子だ、当然ちゃ当然なのかもしれないな。

 確かに琴音とはどっかに壁みたいのがある事は事実だと思う。
 それは俺も認める。
 隼人にももう少し琴音の事に興味を示してやれよとよく言われている。
 だけど、興味ってどこにだ? それが俺にはわからない。


 ーー俺達は兄、妹って立場だぞ?

 他の兄、妹がいる人達はみんなどういう考えなんだろうか。
 妹の趣味か何かに興味を持ってやればいいのだろうか。

 そんな事を考えているうちに琴音が部屋に呼びにきた。

「竜にぃー? ご飯できたよー?」
「あ、あぁ」

 俺はリビングに行くとテーブルの上に冷製パスタと水が置いてあった。
 いや~ほんとすげーわ! お前はほんとすげー!

 琴音はと言うとソファーに腰掛けながらファッション雑誌をパラパラとめくっている。
 こう見ると普通の女子高生なんだよなぁ。

「琴音ー?お前今日なんかこれから用事あるか?」
「……えっ?」

 琴音は横髪を片手でかきあげながら驚いたような表情をしてみせた。

「あ、いや用事あるなら別にいいんだけどさ、もし暇なら、そ、その二人で久々に出かけないか?」

 俺がそう言うと琴音は今まで見たこともないような生き生きした表情をしてみせた。

「竜にぃが…….そんな事言うなんて……珍しい……よ」

 ん? 泣いてる……?

「あー……嫌なら別にいいんだけどさ……」
「そんなわけ……ないじゃん……ばか……」

 そんなところで琴音は支度してくると言って部屋に戻っていった。
 正直なところ言っては見たもののどこに行くとかそんなのまだ何にも決めてないんだよなぁ……さて困った。

 そんな事を考えていると琴音がリビングに戻ってきた。

 俺はその姿を見たとき、ほんとに一瞬ではあったが妹を可愛いと思えた気がする。

 琴音はポニテをほどき普通のロングヘアー、ちゃんといっちょまえに化粧なんかもしていつもの幼い感じじゃ全然なかった。

 てか変わりすぎだろ?! これは相当予想外だった。

 やべー……なんか俺のほうがドキドキしてきたぞ……

 琴音と家を出ると久しぶりに二人並んで歩いた気がする。
 琴音と街中につくとぶらぶらしたり、琴音の服選びにいったり、まるで恋人のようななんとも言えない感じがあった。
 歩いているとき、ふと琴音を見ていると、琴音がチラッとこっちを向いて微笑んできた。

「なんかさ、変な感じだよなぁ、兄妹、二人で並んでさ」
「恋人みたいーって?」

 俺より先に琴音がそれを言ってきやがった……

「そ、そんなんじゃねーよ」

 俺があっちの方向を向くと琴音はいきなり腕にしがみついてきた。

「えいっ」

 ちょっと待て琴音ー!  それは一番駄目なやつだ!!


「うわぁ?! お前、やめろ! それは駄目だー!!」

 俺が振り払おうとすると、ぎゅーっと強く抱きついてきた。

「むぅー……私も恥ずかしいんだから……我慢してよぉ」
「いやいや、だから本気でまじでやめてくれええ!」
「だ~めっ」
 俺が走り出すと琴音も抱きつきながら満面の笑みを浮かべている。

 そんななんやで家に帰るまで琴音は離してはくれなかった。

 今日の事が少しだけど琴音との距離が縮まったように思えた一日だった。

 まぁ、なんだかんだ言って少しは楽しかったけどな!

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