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ルール①ナイフ禁止
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「千咲ちゃーん、湊くん死んじゃったみたいなんだけど...」
白い制服は血で真っ赤に染まり、教室の床も血の海になっていた。
「ふー、朝からこれはちょっと見ていてきついわね。教室もこんなに汚しちゃって...まあいいわ、とりあえず霧崎さん、そんなに血まみれだと授業にならないから、後ろにあるシャワー室でシャワーを浴びて着替えてらっしゃい。着替えも何着かそこに置いてあるわ。」
そういうと教室の後ろにある扉を指さした。
こうなることを見越していたのだろう、この教室の後ろにはシャワー室、トイレ等が完備されており他の生徒に接触させないような仕組みになっていた。ちなみに入り口のドアは中からは開ける事ができないようになっていて、窓にも鉄格子が設置されている。
「はーい」
若干、めんどくさそうに返事をして霧崎さんはシャワー室へと入っていく。
それと同じくして、俺は目を覚まし起き上がった。
「ひどい目にあった...」
血で染まり、刺し傷でボロボロになった上着を脱ぎ、身体を確かめる。
「ホントに傷は、すぐに治るんだな...うわー、周り血だらけじゃないか!」
「貧血には気を付けてね。」
木村さんが笑顔で言った。
「ちょっと!木村さーん!最初からこうなること知ってたんですね。」
「てへっ。」
っと木村さんが舌を出す。
「てへっ、じゃないっすよ!あっ、だからか!だから学園長は、俺と霧崎さんの相性がいいって言ってたのか!」
「そうよ。ごめんね湊君!こうなることは最初から分かってたことなの。でも、あなた以外に霧崎さんのクラスメイトなんて今まで考えられなかったし、学園長もあなたなら、霧崎さんのクラスメイトになっても大丈夫だと判断したんじゃないかしら。...だって、湊君、殺しても殺しても死なないじゃない?」
「人をゴキブリみたいに言うな!!!」
「冗談よ!でもね、あなたがこの学園に来てくれて本当によかったわ。霧崎さんは、ずっと一人だったの。ああいう考えの持ち主だったから、家族や友達、周りの人達みんな殺しちゃって。未成年だから死刑になることもなく、更生施設に送られても、またそこで同じことやっちゃって。で、結局お手上げ状態になってこの学園に送られてきたってわけ。学園としては殺人のスキルアップを目指すか、更生させるかの2択だったんだけど、中々更生させる方法が見つからなくて、このまま殺人のスキルアップの方向で考えてたのよね。そんなときに湊君がこの学園にきてくれたってわけ。やっぱり人殺しのスキルアップより更生できた方がいいじゃない?」
「そうだったんですね...でも更生なんてできるんですか?」
「きっと、できると思うわ!だって彼女言ってたじゃない。『私のこと好きだったら生き返ると思う。』『両想いになった人しか殺さない』って。」
木村さんはニヤリと笑ったが、俺はその笑みに一瞬で凍り付いた。
「まあ、とりあえず湊君もシャワーを浴びて着替えてらっしゃい。教室の清掃はこっちでやっておくから。」
そう言われ、俺はシャワー室へと向かった。
シャワー室のロッカーには制服の予備が5セットほどかけられているのを見て気が滅入る。
(さすがに用意しすぎだろ...俺いったい何回殺されるんだよ...)
女子用のシャワールームとは、2メートルほどの壁で仕切られているだけの簡単な作りの為、隣からは華憐の鼻歌が聞こえてくる。
(人を殺しておいてよく鼻歌なんか歌ってられるな...)
と思いながらシャワーを浴びていると不意に鼻歌が止んだ。
「また殺しちゃった...また一人ぼっちか...寂しいなー...なんでいつもこうなっちゃうんだろ。」
そして静かにシャワーの音だけが聞こえていた。
シャワーを終え、新しい制服に着替え直し、教室に戻るとすべてが元通り綺麗な状態になっていた。
華憐は、まだシャワー室から出ていないようだ。
俺が席に着くと、木村さんが言った。
「どうする?クラス変えよっか?」
「クラスは変えなくていいです。俺がこのクラスからいなくなったら華憐はまた一人になるんですよね?ずっと一人なんて寂しすぎる。俺は、ただ殺されることしか出来ないかもしれないけど、俺も華憐が更生できるように協力します。」
「君ならそう言ってくれると信じてたよ。」
木村さんが嬉しそうにほほ笑む。
そのときシャワー室のドアが開き、新しい制服に着替えた華憐が出てきた。
華憐は俺を見つけると、俺がなぜ生きているのか頭で処理できずに固まっていたが、次の瞬間、目に涙を浮かべて俺の元へと駆け寄り抱き着いた。
「湊くん!湊くん!湊くん!湊くん!」
「なんだよ大げさだな。(照)」
「湊くんが私の運命の人だったんだね!やっと...やっと会えた。これからは、ずっと二人だよ!私、もう一人じゃないんだね!ずっと一緒にいてね!ねぇ、ずっとだよ?」
上目遣いで俺を見る華憐がすごく可愛く、愛おしい。
「俺でよかったら、とことん付き合ってやるよ。」
それを聞いた華憐はとても嬉しそうな笑顔を俺に見せ、もう一度強く俺を抱きしめた。
ザクッ ザクッ ザクッ
「ん...? ねぇ、華憐...何してるの??」
「あっ、嬉しくって刺しちゃった。えへへ。」
「霧崎さん!!掃除するの大変なんだから教室でナイフ使うのもうやめなさい!!あと、また制服も汚れちゃうでしょ!!」
「大丈夫だよ千咲ちゃん。抱き着いてるから私は汚れないよー。」
そうして俺は二回目のシャワー室へと向かうことになる。
その日、Cクラスではルール①としてナイフの使用が禁止となった。
白い制服は血で真っ赤に染まり、教室の床も血の海になっていた。
「ふー、朝からこれはちょっと見ていてきついわね。教室もこんなに汚しちゃって...まあいいわ、とりあえず霧崎さん、そんなに血まみれだと授業にならないから、後ろにあるシャワー室でシャワーを浴びて着替えてらっしゃい。着替えも何着かそこに置いてあるわ。」
そういうと教室の後ろにある扉を指さした。
こうなることを見越していたのだろう、この教室の後ろにはシャワー室、トイレ等が完備されており他の生徒に接触させないような仕組みになっていた。ちなみに入り口のドアは中からは開ける事ができないようになっていて、窓にも鉄格子が設置されている。
「はーい」
若干、めんどくさそうに返事をして霧崎さんはシャワー室へと入っていく。
それと同じくして、俺は目を覚まし起き上がった。
「ひどい目にあった...」
血で染まり、刺し傷でボロボロになった上着を脱ぎ、身体を確かめる。
「ホントに傷は、すぐに治るんだな...うわー、周り血だらけじゃないか!」
「貧血には気を付けてね。」
木村さんが笑顔で言った。
「ちょっと!木村さーん!最初からこうなること知ってたんですね。」
「てへっ。」
っと木村さんが舌を出す。
「てへっ、じゃないっすよ!あっ、だからか!だから学園長は、俺と霧崎さんの相性がいいって言ってたのか!」
「そうよ。ごめんね湊君!こうなることは最初から分かってたことなの。でも、あなた以外に霧崎さんのクラスメイトなんて今まで考えられなかったし、学園長もあなたなら、霧崎さんのクラスメイトになっても大丈夫だと判断したんじゃないかしら。...だって、湊君、殺しても殺しても死なないじゃない?」
「人をゴキブリみたいに言うな!!!」
「冗談よ!でもね、あなたがこの学園に来てくれて本当によかったわ。霧崎さんは、ずっと一人だったの。ああいう考えの持ち主だったから、家族や友達、周りの人達みんな殺しちゃって。未成年だから死刑になることもなく、更生施設に送られても、またそこで同じことやっちゃって。で、結局お手上げ状態になってこの学園に送られてきたってわけ。学園としては殺人のスキルアップを目指すか、更生させるかの2択だったんだけど、中々更生させる方法が見つからなくて、このまま殺人のスキルアップの方向で考えてたのよね。そんなときに湊君がこの学園にきてくれたってわけ。やっぱり人殺しのスキルアップより更生できた方がいいじゃない?」
「そうだったんですね...でも更生なんてできるんですか?」
「きっと、できると思うわ!だって彼女言ってたじゃない。『私のこと好きだったら生き返ると思う。』『両想いになった人しか殺さない』って。」
木村さんはニヤリと笑ったが、俺はその笑みに一瞬で凍り付いた。
「まあ、とりあえず湊君もシャワーを浴びて着替えてらっしゃい。教室の清掃はこっちでやっておくから。」
そう言われ、俺はシャワー室へと向かった。
シャワー室のロッカーには制服の予備が5セットほどかけられているのを見て気が滅入る。
(さすがに用意しすぎだろ...俺いったい何回殺されるんだよ...)
女子用のシャワールームとは、2メートルほどの壁で仕切られているだけの簡単な作りの為、隣からは華憐の鼻歌が聞こえてくる。
(人を殺しておいてよく鼻歌なんか歌ってられるな...)
と思いながらシャワーを浴びていると不意に鼻歌が止んだ。
「また殺しちゃった...また一人ぼっちか...寂しいなー...なんでいつもこうなっちゃうんだろ。」
そして静かにシャワーの音だけが聞こえていた。
シャワーを終え、新しい制服に着替え直し、教室に戻るとすべてが元通り綺麗な状態になっていた。
華憐は、まだシャワー室から出ていないようだ。
俺が席に着くと、木村さんが言った。
「どうする?クラス変えよっか?」
「クラスは変えなくていいです。俺がこのクラスからいなくなったら華憐はまた一人になるんですよね?ずっと一人なんて寂しすぎる。俺は、ただ殺されることしか出来ないかもしれないけど、俺も華憐が更生できるように協力します。」
「君ならそう言ってくれると信じてたよ。」
木村さんが嬉しそうにほほ笑む。
そのときシャワー室のドアが開き、新しい制服に着替えた華憐が出てきた。
華憐は俺を見つけると、俺がなぜ生きているのか頭で処理できずに固まっていたが、次の瞬間、目に涙を浮かべて俺の元へと駆け寄り抱き着いた。
「湊くん!湊くん!湊くん!湊くん!」
「なんだよ大げさだな。(照)」
「湊くんが私の運命の人だったんだね!やっと...やっと会えた。これからは、ずっと二人だよ!私、もう一人じゃないんだね!ずっと一緒にいてね!ねぇ、ずっとだよ?」
上目遣いで俺を見る華憐がすごく可愛く、愛おしい。
「俺でよかったら、とことん付き合ってやるよ。」
それを聞いた華憐はとても嬉しそうな笑顔を俺に見せ、もう一度強く俺を抱きしめた。
ザクッ ザクッ ザクッ
「ん...? ねぇ、華憐...何してるの??」
「あっ、嬉しくって刺しちゃった。えへへ。」
「霧崎さん!!掃除するの大変なんだから教室でナイフ使うのもうやめなさい!!あと、また制服も汚れちゃうでしょ!!」
「大丈夫だよ千咲ちゃん。抱き着いてるから私は汚れないよー。」
そうして俺は二回目のシャワー室へと向かうことになる。
その日、Cクラスではルール①としてナイフの使用が禁止となった。
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