俺のバッドエンドが彼女のハッピーエンドなんてあってたまるか!

めいゆー

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ルール②スタンガンの改造禁止

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昨日は散々だった...
通学の途中、昨日のことを思い出していた。

ホームルームで2回殺されたかと思ったら、華憐はまるで好きな子にちょっかいをかけるかのように俺を殺しにかかってきた。華憐いわく、愛情表現らしいのだが、そのせいで全く授業が頭に入ってこない。それに、俺が死ぬ度に授業も止まるものだから木村さんも頭を悩ませていた。
「霧崎さん!今は授業中なんだから殺すのは休み時間だけににしなさい!」
「はーい...千咲ちゃん」
「ちょっ、木村さん!休み時間も殺しちゃダメだから!!」
「あと、湊君!今日から私は、あなた達の担任なんだから先生って呼んでください。ほーら、木村先生って呼んでみて。」
「木村先生...」
「あっ、すごくいい!すごくいいわ!私、昔から若い男の子に先生って呼ばれるのが夢だったの!たまらない、たまらないわ湊君!」
説明しよう!木村千咲は普段は清楚な大人の女性で通しているが実はショタコンだったのだ。
「はっ...。つい取り乱しちゃったわ。そういう訳だから湊君頼んだわよ!」
と言うと彼女はメガネを直し、いつも通りの木村さんに戻った。
「千咲ちゃん...私から湊くん取ったら殺すから。」
華憐が冷めた声でそう告げた。にこやかにほほ笑んでいるが目が笑っていない。
背中からどす黒いオーラが見えた気がした。
「大丈夫よ霧崎さん!あなた達ほどお似合いな二人はいないんだから、取ったりなんてしないわよ。私は、この先生と生徒という関係を利用し、妄想を膨らませて欲求を満たしていくつもりよ!」
「そんなー。お似合いだなんて」
華憐はモジモジしながらに照れくさそうにしている。
どす黒いオーラが一瞬でピンク色に変わったように見えた。
「よくねーよ!!」
(木村さんだけは、まともな人だと思ってたのに...この学校にまともな人はいないのかーーーーーーーー!!!)
そして、学園生活初日が過ぎていった。

「ふー、初日があんなんだったし、これからまともな学園生活送れるのだろうか」
校門に着くと、そこには何人かの先生らしき人達が立っていて登校する生徒たちに『おはよう』と声を掛けていた。
その中に一人、やけに張り切っている人物を見つけた。木村先生である。
特に男子生徒達から『先生おはよう』と返される度に、顔を赤くして(*´Д`)ハァハァしている。
張り切りすぎて目がイッてるように見えるのは俺だけだろうか...
「おはよ。木村先生。」
と若干冷めた目で挨拶をすると、
「うっ...おはよう、湊君」
と、一瞬固まり挨拶を返した。どうやら少しは正気を取り戻したらしい。

下駄箱で靴を履き替えていると、やたらと視線を感じるが気のせいだろうと思い、特殊科校舎へと続く廊下を歩いていた。
すると、後ろから肩を叩かれ
「おはよ!」
と、声を掛けられた。
声の主は昨日も声を掛けてきた女生徒だった。
「よく無事だったねー!Cクラスに行ったら生きて帰れないって話だったからみんなびっくりしてるよ!」
「だからやたらと視線を感じたのか...」
「そうだ!名前教えてよ!私の名前は、Aクラスの眠目たまばアリスだよ。君は?」
「ああ、俺は藤原湊だ。」
「藤原湊君ね。今度、Cクラスの話聞かせてね。んじゃまたねー」
そういうと彼女は俺の教室とは反対側のAクラスの教室へと向かった。

Cクラスの教室に着きドアを開けると、すでに華憐は着席しており俺がくるのを待ちわびた様子だった。
「おはよう、湊くん!もう来るの遅いよー!待ってたんだからね!」
「おはよう、華憐。昨日もこのぐらいの時間だっただろ。」
と、席に着き、華憐の方へと体を向ける。
「...匂い..する」
「え?なんて言ったんだ?声が小さくて聞こえなかった。」
「女の匂いがする。女の匂いがする。女の匂いがする。女の匂いがする。女の匂いがする。女の匂いがする。女の匂いがする。女の匂いがする。女の匂いがする。女の匂いがする。女の匂いがする。女の匂いがする。」
(ひぃぃぃぃぃぃ!やばい目がマジだ)
どうやら華憐の危ないスイッチがONになったようだ。
「まあ、お、落ち着けよ華憐!!!たまたま、廊下で声を掛けられただけでホントに何もないから!」
「そっかそっか、だから教室に来るのが遅かったんだね。私待ってたのになー。湊くんが早く来ないかなーって待ってたのになー。他の子と楽しくおしゃべりしてたんだー。楽しくおしゃべりしてたんだー?」
「してない、してない、してない!!!」
「ホントにー?じゃあちょっとお願いがあるんだけどいいかな?」
「お願い?聞く聞くなんでも聞きます!!」
「じゃあ、このペットボトルの水をちょっと頭から被ってもらっていいかな?」
と、机に置いてあったペットボトルを手渡した。
(シャワー室もあるし水をかぶるだけで機嫌が直るんだったらやすいもんか)
「これを被ればいいんだな?」
「うん、そうだよー。」
俺はペットボトルの蓋を開け、頭から水を被った。
「これでいいのか?」
「うん!じゃあそこに立っててね。んじゃ、よいしょっと」
そう言うと華憐は俺の正面に椅子を置き、その上にしゃがみこんだ。
「じゃあ消毒するねー。」
「消毒...?」
華憐はポケットからスタンガンを取り出し俺の首へと押し当てた。
「あ˝ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「消毒♪消毒♪」
俺はそのまま気を失っていた、というか死んでいた。

そのあとすぐに青木先生が入ってきて止めたらしいのだが、俺の身体は雷に打たれたかのように熱傷だらけで心臓が止まっていたそうだ。
青木さんが言っていた。
「普通のスタンガンだったら相手を気絶させるくらいのことしか出来ないと思うのだけど...」
案の定、その件に関して華憐が答えた。
「普通のスタンガンだと殺せないじゃないですかー?だから電流値とかいろいろいじっちゃいました。てへっ」

二日目にして、『スタンガンの改造禁止』というルールが加わったことは言うまでもない。
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