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第三章 魂能力大戦
古楽流、集結 ―魂の根幹を守る者たち―
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魂鏡獣との激闘から数日が経った。
聖悟とリュウケン、そしてナツルは、ナツルの師が主宰する魂能力者の流派「古楽流(ふらくりゅう)」の本部――
琉球本島中部、亜熱帯の森にひっそりと建てられた古木造の道場へと足を運んでいた。
門には「静魂不動(せいこんふどう)」の札。
それは魂能力者にしか読み取れない霊的な防壁であり、ここが尋常な場所でないことを物語っていた。
ナツル「ここが私たちの“拠点”。正式に案内するのはこれが初めね、聖悟」
聖悟「へぇ……こんな森の中にこんな場所があるなんてな」
リュウケン「ワン!(しっぽフリフリ)」
三人が足を踏み入れると、道場の中からさまざまな気配が飛び交っていた。
精神を研ぎ澄ませた者、己の魂を鋭利に磨く者、技の形を鍛錬する者。
そこには「異能」を恐れず、日常として受け入れている人々がいた。
師範「……ナツル。戻ったか」
その場に立っていたのは、灰白の髪を結び、静かな威圧感を放つ初老の男。
古楽流の現師範、**古波藏 音鼓(こはぐら おんこ)**である。
ナツル「はい、師範。彼が、先日“魂刻印”を再び発現させた比嘉聖悟です」
音鼓は、聖悟の目をまっすぐ見つめた。
鋭い。だが、どこか温かさもあるその眼差しに、聖悟の背筋が自然と伸びた。
音鼓「おまえの魂、風のようだな。荒れているが、芯がある」
聖悟「……ありがとうございます。まだ未熟者ですが、ここで修行を積みたいと思っています」
音鼓「ならば認めよう。だが――戦いは近いぞ」
その言葉と同時に、道場の空気が緊張に包まれる。
◆
数時間後、道場の奥、古楽流幹部たちによる緊急会議が開かれていた。
ナツル、聖悟、音鼓を含めた5人の魂能力者が集まる。
ナツル「敵の名は“クロウ・ヘルミラ”。魂干渉の魔導に長けた魔界の術士です。彼女は今、聖悟をターゲットにしています」
音鼓「それだけではない。“魂根破壊儀”……あれは、魂能力者たちの“始源の絆”そのものを標的にする」
別の幹部が続ける。
幹部A「つまり、魂能力者が初めて力を得た瞬間――その原体験を逆流させ、魂の根幹ごと破壊するというわけだ」
聖悟「……それって、魂能力者じゃなくなるってことか?」
ナツル「最悪の場合、“人格の崩壊”にも繋がるわ。魂の支柱が壊されるんだから」
音鼓「古楽流の者たちは、それぞれ魂との絆をもっている。その“魂根”が破壊されれば、この流派は無力化される」
その場の空気が重く沈む。
聖悟は、拳を握りしめて言った。
聖悟「俺……戦うよ。オレが狙われてるんなら、それを囮にしても構わない。敵をおびき出して、正面から叩く!」
ナツル「聖悟……」
音鼓「その覚悟、しかと受け取った。だが、これからは一人で背負うな」
その言葉と共に、音鼓は静かに一枚の布を差し出した。
それは古楽流の魂衣――魂能力者として正式な仲間である証だった。
音鼓「これを着るがいい、古楽流・魂能力士、比嘉 聖悟」
聖悟「……はい!」
その瞬間、道場に吹いた風が、まるで彼の加入を歓迎しているかのように優しく揺れた。
◆
しかしその頃、魔界の祭壇。
クロウ「……計画は順調。聖悟を中心とした“魂能力者集団”をまとめて葬るわ」
彼女の掌には、不気味に光る“魂根封印珠”があった。
クロウ「さあ、私の最愛の獣よ……行きなさい。“魂根喰らい・ハシリグモ”」
巨大な異形の影が蠢き、現実世界へと這い出ていく。
聖悟とリュウケン、そしてナツルは、ナツルの師が主宰する魂能力者の流派「古楽流(ふらくりゅう)」の本部――
琉球本島中部、亜熱帯の森にひっそりと建てられた古木造の道場へと足を運んでいた。
門には「静魂不動(せいこんふどう)」の札。
それは魂能力者にしか読み取れない霊的な防壁であり、ここが尋常な場所でないことを物語っていた。
ナツル「ここが私たちの“拠点”。正式に案内するのはこれが初めね、聖悟」
聖悟「へぇ……こんな森の中にこんな場所があるなんてな」
リュウケン「ワン!(しっぽフリフリ)」
三人が足を踏み入れると、道場の中からさまざまな気配が飛び交っていた。
精神を研ぎ澄ませた者、己の魂を鋭利に磨く者、技の形を鍛錬する者。
そこには「異能」を恐れず、日常として受け入れている人々がいた。
師範「……ナツル。戻ったか」
その場に立っていたのは、灰白の髪を結び、静かな威圧感を放つ初老の男。
古楽流の現師範、**古波藏 音鼓(こはぐら おんこ)**である。
ナツル「はい、師範。彼が、先日“魂刻印”を再び発現させた比嘉聖悟です」
音鼓は、聖悟の目をまっすぐ見つめた。
鋭い。だが、どこか温かさもあるその眼差しに、聖悟の背筋が自然と伸びた。
音鼓「おまえの魂、風のようだな。荒れているが、芯がある」
聖悟「……ありがとうございます。まだ未熟者ですが、ここで修行を積みたいと思っています」
音鼓「ならば認めよう。だが――戦いは近いぞ」
その言葉と同時に、道場の空気が緊張に包まれる。
◆
数時間後、道場の奥、古楽流幹部たちによる緊急会議が開かれていた。
ナツル、聖悟、音鼓を含めた5人の魂能力者が集まる。
ナツル「敵の名は“クロウ・ヘルミラ”。魂干渉の魔導に長けた魔界の術士です。彼女は今、聖悟をターゲットにしています」
音鼓「それだけではない。“魂根破壊儀”……あれは、魂能力者たちの“始源の絆”そのものを標的にする」
別の幹部が続ける。
幹部A「つまり、魂能力者が初めて力を得た瞬間――その原体験を逆流させ、魂の根幹ごと破壊するというわけだ」
聖悟「……それって、魂能力者じゃなくなるってことか?」
ナツル「最悪の場合、“人格の崩壊”にも繋がるわ。魂の支柱が壊されるんだから」
音鼓「古楽流の者たちは、それぞれ魂との絆をもっている。その“魂根”が破壊されれば、この流派は無力化される」
その場の空気が重く沈む。
聖悟は、拳を握りしめて言った。
聖悟「俺……戦うよ。オレが狙われてるんなら、それを囮にしても構わない。敵をおびき出して、正面から叩く!」
ナツル「聖悟……」
音鼓「その覚悟、しかと受け取った。だが、これからは一人で背負うな」
その言葉と共に、音鼓は静かに一枚の布を差し出した。
それは古楽流の魂衣――魂能力者として正式な仲間である証だった。
音鼓「これを着るがいい、古楽流・魂能力士、比嘉 聖悟」
聖悟「……はい!」
その瞬間、道場に吹いた風が、まるで彼の加入を歓迎しているかのように優しく揺れた。
◆
しかしその頃、魔界の祭壇。
クロウ「……計画は順調。聖悟を中心とした“魂能力者集団”をまとめて葬るわ」
彼女の掌には、不気味に光る“魂根封印珠”があった。
クロウ「さあ、私の最愛の獣よ……行きなさい。“魂根喰らい・ハシリグモ”」
巨大な異形の影が蠢き、現実世界へと這い出ていく。
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