ワザとダサくしてたら婚約破棄されたので隣国に行きます!

satomi

文字の大きさ
4 / 22

4.皇城での生活

しおりを挟む

「コリーナちゃんがこれから暮らす部屋はここよ!うふふっ、可愛いでしょ?うーん昔のコリーナちゃんのイメージで部屋の壁紙とか選んだからちょっと子供っぽいかなぁ?今のコリーナちゃんはすっかり美人さんだもんね!」
 ―――少女趣味な部屋…。全体的にベビーピンクな感じに見えるけど、気のせいでしょうか?
「今のお嬢様は非常にしっかり者の美人です!」
「あらそうなの?ごめんなさい、しばらくはこれで許してね」
 シーラ様はパンパンと手を叩くと大人っぽい部屋を作るようにと侍女達に指示を出していました。
「シーラ様?私は留学目的の滞在ですし、部屋にこだわりはないのですよ?無駄に税金が使われることの方が痛ましいです。ですので、先ほど侍女にした『大人っぽい部屋を作る』という指示を取り下げていただけませんか?」
「んもうっ、そんなこと美人のコリーナちゃんに言われちゃったら断れないじゃない!」
 シーラ様は再び手を叩いて侍女達に先ほどの指示は取り下げてくれました。ほっと一息です。
「コリーナちゃん、お部屋に荷物を片付けたら謁見の間に来てね~」


「すごい、なんか嵐のような方ですね」
「まぁ、父方の叔母様だから父に似ているんでしょう?」
「旦那様はそんなに嵐のようではないですけど?」
「お客様相手だと変わるわよ?そういうもんよ。私はお父様で慣れてるからかしら?『似てるなぁ~』と見ていられたのは私だけでしたのね」
「お嬢様は達観していられたのですね。さ、荷物を片付けましょう!」
 シーラ様は本当にどこもかしこも少女趣味な部屋を作ってくださっていたようで、机さえもなんだか可愛らしい。  ―――毎日この机で学園の予習・復習などをするのね。
「リーク帝国の学園は私服らしいわね?制服はないということかしら?どの程度の服を着て行けばいいのかしら?そのこともフェロー様にお聞きしましょう」

 ***

 荷物の片付けも終わり、私とルナは謁見の間に行くことにしました。
「お嬢様。この部屋から、謁見の間までの道のりはご存じですか?」
「全く知らないわ。フッラクション王国の王城の中ならなんとかなるんですけど、ここは他国ですし。困りましたね」
 ちょうど通りすがった騎士様に謁見の間まで案内していただくことにしました。
「へぇ、フッラクション王国から留学のためにねぇ。皇妃様の姪様でいらっしゃるのですか?これは失礼しました。私は第3騎士団所属のダガーズと申します。はい、家名の無い平民です。姪様、コリーナ様にお会いするなど畏れ多い」
「そうでしょう、そうでしょう?お嬢様はまさに才色兼備なのですから!」
 ルナ、彼はそんなことは言っていませんよ?

「ダガーズ、ありがとう。おかげで皇城内で迷子にならずに済んだわ」
「それはよかった。以後お気を付けくださいね。では、失礼します」
 そう言って、ダガーズはどこかへ行ってしまいました。どこかで用があったのでしょうか?

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

「醜い」と婚約破棄された令嬢、実は変身の魔法で美貌を隠していただけでした。今さら後悔しても遅いですわ!

ゆっこ
恋愛
王都の大広間には、華やかな音楽と人々のざわめきが溢れていた。 社交界の中心ともいえる舞踏会。煌びやかなシャンデリアの下、若き令息や令嬢たちが談笑し、舞い踊り、誰もが夢のようなひとときを楽しんでいる。 けれど――その場の視線は、一人の令嬢へと集まっていた。 「リリアーナ・フォン・エルバート。お前との婚約を破棄する!」 鋭く響いたのは、婚約者である第一王子アルベルト殿下の声だった。 人々はざわめき、音楽が止まる。 「え……」

貧乏人とでも結婚すれば?と言われたので、隣国の英雄と結婚しました

ゆっこ
恋愛
 ――あの日、私は確かに笑われた。 「貧乏人とでも結婚すれば? 君にはそれくらいがお似合いだ」  王太子であるエドワード殿下の冷たい言葉が、まるで氷の刃のように胸に突き刺さった。  その場には取り巻きの貴族令嬢たちがいて、皆そろって私を見下ろし、くすくすと笑っていた。  ――婚約破棄。

冷徹王子に捨てられた令嬢、今ではその兄王に溺愛されています

ゆっこ
恋愛
 ――「お前のような女に、俺の隣は似合わない」  その言葉を最後に、婚約者であった第二王子レオンハルト殿下は私を冷たく突き放した。  私、クラリス・エルデンは侯爵家の令嬢として、幼い頃から王子の婚約者として育てられた。  しかし、ある日突然彼は平民出の侍女に恋をしたと言い出し、私を「冷酷で打算的な女」だと罵ったのだ。  涙も出なかった。  あまりに理不尽で、あまりに一方的で、怒りも悲しみも通り越して、ただ虚しさだけが残った。

公爵令嬢ですが、実は神の加護を持つ最強チート持ちです。婚約破棄? ご勝手に

ゆっこ
恋愛
 王都アルヴェリアの中心にある王城。その豪奢な大広間で、今宵は王太子主催の舞踏会が開かれていた。貴族の子弟たちが華やかなドレスと礼装に身を包み、音楽と笑い声が響く中、私——リシェル・フォン・アーデンフェルトは、端の席で静かに紅茶を飲んでいた。  私は公爵家の長女であり、かつては王太子殿下の婚約者だった。……そう、「かつては」と言わねばならないのだろう。今、まさにこの瞬間をもって。 「リシェル・フォン・アーデンフェルト。君との婚約を、ここに正式に破棄する!」  唐突な宣言。静まり返る大広間。注がれる無数の視線。それらすべてを、私はただ一口紅茶を啜りながら見返した。  婚約破棄の相手、王太子レオンハルト・ヴァルツァーは、金髪碧眼のいかにも“主役”然とした青年である。彼の隣には、勝ち誇ったような笑みを浮かべる少女が寄り添っていた。 「そして私は、新たにこのセシリア・ルミエール嬢を伴侶に選ぶ。彼女こそが、真に民を導くにふさわしい『聖女』だ!」  ああ、なるほど。これが今日の筋書きだったのね。

婚約破棄された令嬢、隣国の暴君王に“即”溺愛されていますが?

ゆっこ
恋愛
 王都の中心から少し離れた城の塔は、風がよく通る。  その夜わたし――エリスは、豪奢すぎるほどの寝室のバルコニーに出て、夜風を胸いっぱいに吸い込んだ。  「……本当に、ここはわたしの部屋でいいのかしら」  つい昨日まで、わたしは婚約者であったアルノルト殿下からの侮蔑に耐え、社交界で嘲笑され、家族にさえ冷たくされていたのに。  まさか隣国ファルゼンの“暴君王”と呼ばれるレオンハルト陛下に見初められ、護衛兼客人として迎えられるとは、夢にも思っていなかった。  ……いや、正確には“客人”などという生易しい扱いではない。

冷徹王子が、婚約破棄した私を今さら溺愛してきます

ゆっこ
恋愛
 「――リリアーナ・エルフォード。お前との婚約を破棄する」 その言葉が放たれた瞬間、会場の空気が凍りついた。  煌びやかな舞踏会場の中央で、冷徹と称される王太子――レオンハルト殿下が、感情の一片も見せずに告げる。  私は微笑んで一礼した。  ずっとこの瞬間が来ることは、予感していたから。 「……承知いたしました。殿下のご意志に逆らうことはいたしませんわ」

「平民とでも結婚すれば?」と捨てられた令嬢、隣国の王太子に溺愛されてますが?

ゆっこ
恋愛
「……君との婚約は、ここで破棄させてもらう」  その言葉を、私は静かに受け止めた。  今から一時間前。私、セレナ・エヴァレットは、婚約者である王国第一王子リカルド・アルヴェイン殿下に、唐突に婚約破棄を言い渡された。 「急すぎますわね。何か私が問題を起こしましたか?」 「いや、そういうわけではない。ただ、君のような冷たい女性ではなく、もっと人の心を思いやれる優しい女性と生涯を共にしたいと考えただけだ」  そう言って、彼は隣に立つ金髪碧眼の令嬢に視線をやった。

「役立たず」と婚約破棄されたけれど、私の価値に気づいたのは国中であなた一人だけでしたね?

ゆっこ
恋愛
「――リリアーヌ、お前との婚約は今日限りで破棄する」  王城の謁見の間。高い天井に声が響いた。  そう告げたのは、私の婚約者である第二王子アレクシス殿下だった。  周囲の貴族たちがくすくすと笑うのが聞こえる。彼らは、殿下の隣に寄り添う美しい茶髪の令嬢――伯爵令嬢ミリアが勝ち誇ったように微笑んでいるのを見て、もうすべてを察していた。 「理由は……何でしょうか?」  私は静かに問う。

処理中です...