ワザとダサくしてたら婚約破棄されたので隣国に行きます!

satomi

文字の大きさ
14 / 22

14.コリーナ、努力する。

しおりを挟む

「私はダガーズと言葉を交わしてないんだがな……」
「ダガーズの照れ隠しじゃないんですか~?」
「あいつは変なところ素直なんだよ、本当に思ったことを口に出してると思う。会話をしたのは、コリーナ嬢とその専属侍女だよなぁ?名前を付けるなら、『コリーナ嬢とその仲間たち』だと思うんだが?」
「フェロー様がこの中で一番偉い方だったからではないですか?」
「それも考え得る。あいつの考えている事はよくわからんなぁ」
 それなら……初恋の私にわかるわけないじゃないですか!

 私は今後どうすればいいんだろう?
「私はこの後どうすればいいのでしょうか?」
「ダガーズが相手だもんなぁ。とにかく、コリーナ嬢の気持ちをわかってもらう!」
「そのためにはどうすればってなるのよ~!もうっ恋する乙女心がわかってないわねぇ」
「イベントごとにアピールを欠かさずに行うとか?」
「他の令嬢と同じでしょう?」
「「「コリーナ(嬢/ちゃん/様)しかできないこと……」」」
「「「美味しい手作りお菓子!」」」
 確かに私だけでしょうけど、王弟ですから、毒見が入るのでは?
「刺繡をしたハンカチなどは?」
「騎士様はハンカチを使うでしょうか?」
「では、刺繡をしたタオル」
 難しいですね。
「参考までに、フェロー様はどのようにシーラ様からアピールされたのですか?」
「ダメよ~。ほら、私達は今でこそこんなだけど、これでも政略結婚だもの。参考にならないわ~」
 そもそもタオルに刺繍を刺しても、模様は見えないのでは?
「タオルなら、名前とかになるんじゃないでしょうか?イニシャル?タオルの効果に邪魔になりそうな気がしますけど?」

 とにかく!私の気持ちをわかってもらうことが重要よね?
 よーし、頑張るぞ~!!と、私は拳を高く振り上げた。
「お嬢様いけません!はしたのうございます‼」
 もう、四の五の言ってられないのよ。やるっきゃないのよ!
 
 騎士様よね?体力も腕力もあるでしょうから、私もそれなりに体力をつけましょうか。
 とりあえず、毎朝王宮内を迷子にならない程度にランニングよ!
 変な筋肉がつかないように、ルナには注視してもらおう。

「ランニングをするようになってかしら?朝食が一段と美味しいわ」
「コリーナ嬢…ランニングなんかしているの?」
「恐れながら、陛下。お嬢様はダガーズ様は体力も腕力もあるだろうから、自分もとランニングをはじめました。お嬢様の熱意が変な方向に向かっていかないように注意深く見守っております」
「ルナと言ったか?お前も大変なんだな……」
「畏れ多く、もったいなきお言葉」
 ルナがフェロー様と会話をしていて、なんだか神妙ですけど―――何かあったのかしら?
「コリーナちゃん、ランニングしてるの?」
「はい!王宮内で迷子にならない程度なので距離はないのですが、始めた時よりは体力がついたように思っています」
「フフフっ、楽しそうで何よりよ。あら?歓談をしていたらもうこんな時間、コリーナちゃん大変よ!遅刻しちゃう‼」
 ルナと二人大急ぎで登校の支度をしての登校となった。急いでいたから今日は弁当を持っていなかった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

公爵令嬢ですが、実は神の加護を持つ最強チート持ちです。婚約破棄? ご勝手に

ゆっこ
恋愛
 王都アルヴェリアの中心にある王城。その豪奢な大広間で、今宵は王太子主催の舞踏会が開かれていた。貴族の子弟たちが華やかなドレスと礼装に身を包み、音楽と笑い声が響く中、私——リシェル・フォン・アーデンフェルトは、端の席で静かに紅茶を飲んでいた。  私は公爵家の長女であり、かつては王太子殿下の婚約者だった。……そう、「かつては」と言わねばならないのだろう。今、まさにこの瞬間をもって。 「リシェル・フォン・アーデンフェルト。君との婚約を、ここに正式に破棄する!」  唐突な宣言。静まり返る大広間。注がれる無数の視線。それらすべてを、私はただ一口紅茶を啜りながら見返した。  婚約破棄の相手、王太子レオンハルト・ヴァルツァーは、金髪碧眼のいかにも“主役”然とした青年である。彼の隣には、勝ち誇ったような笑みを浮かべる少女が寄り添っていた。 「そして私は、新たにこのセシリア・ルミエール嬢を伴侶に選ぶ。彼女こそが、真に民を導くにふさわしい『聖女』だ!」  ああ、なるほど。これが今日の筋書きだったのね。

「醜い」と婚約破棄された令嬢、実は変身の魔法で美貌を隠していただけでした。今さら後悔しても遅いですわ!

ゆっこ
恋愛
王都の大広間には、華やかな音楽と人々のざわめきが溢れていた。 社交界の中心ともいえる舞踏会。煌びやかなシャンデリアの下、若き令息や令嬢たちが談笑し、舞い踊り、誰もが夢のようなひとときを楽しんでいる。 けれど――その場の視線は、一人の令嬢へと集まっていた。 「リリアーナ・フォン・エルバート。お前との婚約を破棄する!」 鋭く響いたのは、婚約者である第一王子アルベルト殿下の声だった。 人々はざわめき、音楽が止まる。 「え……」

貧乏人とでも結婚すれば?と言われたので、隣国の英雄と結婚しました

ゆっこ
恋愛
 ――あの日、私は確かに笑われた。 「貧乏人とでも結婚すれば? 君にはそれくらいがお似合いだ」  王太子であるエドワード殿下の冷たい言葉が、まるで氷の刃のように胸に突き刺さった。  その場には取り巻きの貴族令嬢たちがいて、皆そろって私を見下ろし、くすくすと笑っていた。  ――婚約破棄。

婚約破棄された令嬢、気づけば王族総出で奪い合われています

ゆっこ
恋愛
 「――よって、リリアーナ・セレスト嬢との婚約は破棄する!」  王城の大広間に王太子アレクシスの声が響いた瞬間、私は静かにスカートをつまみ上げて一礼した。  「かしこまりました、殿下。どうか末永くお幸せに」  本心ではない。けれど、こう言うしかなかった。  王太子は私を見下ろし、勝ち誇ったように笑った。  「お前のような地味で役に立たない女より、フローラの方が相応しい。彼女は聖女として覚醒したのだ!」

「誰もお前なんか愛さない」と笑われたけど、隣国の王が即プロポーズしてきました

ゆっこ
恋愛
「アンナ・リヴィエール、貴様との婚約は、今日をもって破棄する!」  王城の大広間に響いた声を、私は冷静に見つめていた。  誰よりも愛していた婚約者、レオンハルト王太子が、冷たい笑みを浮かべて私を断罪する。 「お前は地味で、つまらなくて、礼儀ばかりの女だ。華もない。……誰もお前なんか愛さないさ」  笑い声が響く。  取り巻きの令嬢たちが、まるで待っていたかのように口元を隠して嘲笑した。  胸が痛んだ。  けれど涙は出なかった。もう、心が乾いていたからだ。

「価値がない」と言われた私、隣国では国宝扱いです

ゆっこ
恋愛
「――リディア・フェンリル。お前との婚約は、今日をもって破棄する」  高らかに響いた声は、私の心を一瞬で凍らせた。  王城の大広間。煌びやかなシャンデリアの下で、私は静かに頭を垂れていた。  婚約者である王太子エドモンド殿下が、冷たい眼差しで私を見下ろしている。 「……理由を、お聞かせいただけますか」 「理由など、簡単なことだ。お前には“何の価値もない”からだ」

「平民とでも結婚すれば?」と捨てられた令嬢、隣国の王太子に溺愛されてますが?

ゆっこ
恋愛
「……君との婚約は、ここで破棄させてもらう」  その言葉を、私は静かに受け止めた。  今から一時間前。私、セレナ・エヴァレットは、婚約者である王国第一王子リカルド・アルヴェイン殿下に、唐突に婚約破棄を言い渡された。 「急すぎますわね。何か私が問題を起こしましたか?」 「いや、そういうわけではない。ただ、君のような冷たい女性ではなく、もっと人の心を思いやれる優しい女性と生涯を共にしたいと考えただけだ」  そう言って、彼は隣に立つ金髪碧眼の令嬢に視線をやった。

見るに堪えない顔の存在しない王女として、家族に疎まれ続けていたのに私の幸せを願ってくれる人のおかげで、私は安心して笑顔になれます

珠宮さくら
恋愛
ローザンネ国の島国で生まれたアンネリース・ランメルス。彼女には、双子の片割れがいた。何もかも与えてもらえている片割れと何も与えられることのないアンネリース。 そんなアンネリースを育ててくれた乳母とその娘のおかげでローザンネ国で生きることができた。そうでなければ、彼女はとっくに死んでいた。 そんな時に別の国の王太子の婚約者として留学することになったのだが、その条件は仮面を付けた者だった。 ローザンネ国で仮面を付けた者は、見るに堪えない顔をしている証だが、他所の国では真逆に捉えられていた。

処理中です...