契約通り婚約破棄いたしましょう。

satomi

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中編

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 王太子殿下とラールシアの仲は深まっているようですね。ラールシアが王太子殿下の御子でも身ごもったならば、即座に契約書を持って、陛下に奏上するところです。
 どちらかと言うと、わたくしは婚約破棄を望んでいるので、ラールシアが王太子殿下の御子を身ごもることはないかと期待をしてしまいます。
 
 ラールシアは身ごもる以前に、わたくしの事を平気な顔で侮辱しますし、母様の事を貶めるような発言をして私の心を傷つけます。その時点で契約書の通り、婚約破棄という事になるのですか…。

 ラールシアの言い分としては…。「事実だもの」らしい。事実ならば何を言っても許されるのでしょうか?そうではないでしょう?
 この頭の悪さ、本当にナーヴ家の血を引いているのでしょうか?
 お義母様は男爵令嬢だったハズです。ところが、ある日父様と恋仲になり母様が亡くなったのを機に公爵家へとやってきたのです。義妹付きで。
 お義母様は公爵夫人として振舞っていますが、それはどうでしょうね?父様が生きているまでです。父様が亡くなった後、自分が公爵家を乗っ取れるみたいに考えているようですが、貴族に関する法律を勉強したほうがいいですね。公爵夫人ですもの。当然。
 家督は直系長子に譲られる。と明記してあるはずですよ?つまり、公爵家はわたくしエレンシア=ナーヴのものとなります。女公爵ですね。性別とかはいいのです。
 お義母様の目論見は公爵家の財産で遊んで暮らすこと。ちっとも領民のことなど考えていません。そのような方に公爵家を譲るわけにはいかないのです。



 ここへ来て、国王陛下主催の晩餐会に招待されることとなりました。
 さて、王太子殿下の振る舞いですが…。
 あらあら大変。ラールシアにドレスを送ったりしているみたいですね。先ほどわたくしの部屋に自慢げに「王太子殿下がわたくしにとドレスを送って下さったのよ」とラールシアが来ました。
わたくしにはドレスなど送っては下さいませんね。これは明らかなる契約違反。分かりやすくていいですね。

 わたくしは自分でドレスなどを用意し、自分で侍女たちを手足のように使い、自分自身を磨き上げて、国王陛下主催の晩餐会に望みました。
 ちょうどいい機会です。陛下に契約書を拝見して頂きましょう。

「ナーヴ公爵家長子エレンシア様入場!」
 流石に会場がざわつきますね。そうでしょうね。わたくしは王太子殿下にエスコートされるべきですから。何故、殿下のエスコートじゃないのか?と結構な騒ぎです。国王陛下・王妃殿下に至っては、混乱しているようです。
「アレクシス=ダイナブ殿下、並びにナーヴ公爵家ラールシア様入場!」
 これはこれは、お二人でペアルックなんですか?この状況、『アレクシス王太子が恋愛相手をエレンシア=ナーヴよりも重用した場合』 に該当しますね。見るからに、お揃いの格好をしていて、一緒に入場。
 ラールシアは「ゴメンね~。王太子殿下の心まで奪って。私がこの国の王妃になるのよ!」という顔をしていますが、そううまく事は運ぶでしょうか?


 わたくしは陛下に挨拶をするのですが、その際に契約書を拝見して頂きました。
「このようなものがありながら……あのバカ息子はなんてことを!」
 わたくしの次に挨拶をする王太子殿下とラールシアは国王陛下よりお怒りを頂戴したようです。
「バカだと思っていたが、ここまで愚かだとは呆れてしまう。ふぅ、宣言しよう!アレクシスを王家より除籍する!今後は平民として生きていくがよい。この場に平民は不要。平民は立ち去れ!」
 あ~あ、アレクシス王太子はただのアレクシスとなったようですね。

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