6 / 6
6.領地→国土
しおりを挟む数年後、領地の農地は以前のように豊かな実りを見せるようになりました。
お父様も本格的に領地経営をしているので、最新の農機具などを導入し、領民の負担を軽減するのに一役買っている様子。
以前よりもオーグ公爵家は財政的に豊かになったと言えるでしょう。
それに比べて、比べるのは本来ならば口にするのも烏滸がましいのですが、王家は右肩下がりの財政です。
お父様が優秀な人材も優秀な騎士も引き抜いた事で、クロム王国の国力はダウン。周辺諸国が狙っているという噂です。
そんな時、クロム王国の使者が書簡をもってオーグの領地へとやって来たのです。
王家がオーグ公爵家へと助力を求めた書簡。
本来ならば、王家に一貴族がNOと言えるはずがありませんが、最初に王子が婚約破棄を言い出したことが原因でこのような事態になっているのです。
オーグ公爵家の領地の問題は別としてですが。
そういう理由で、オーグ公爵家として王家にNOと言う返事をしました。
こうなってはもう止まりません。止まる事は許されません。
オーグ公爵家が中心となり新たに国を興すことにしました。オーグ王国です。
私が女王となりました。領民の一致するところです。
領民ではありません。もう国民です!
私、ミシェルを女王とするとお父様が言いました。私はてっきりお父様が国王となるものだと思っていたので、驚きました。
お父様曰く「私は縁の下の力持ちとして宰相みたいな仕事の方が向いている」そうです。引退するわけではないようです。
私、ミシェル女王の王配ですが、平民から叩き上げで王宮の騎士にまでなったという猛者ラックスがなる事となりました。心強いです。
お母様は「私は皇后なの~?」と、なんか嬉しそうでした。
オーグ王国の土地は元・オーグ公爵家の領地とクロム王国に嫌気がさしてオーグ王国と手を結んだ貴族家とその領地のみです。
その気になればクロム王国全土を占領することが可能ですが、戦によって国民を危険に晒すことは本意ではありません。
地図上でオーグ王国は小さいですが、世の中には少数精鋭という言葉があります。この国にしかない技術・特産物があり、貿易でも他国にひけを取らずに交渉できています。
交渉事はお父様が得意です。まだまだ引退しないようです。
私は婚約破棄を言い渡されましたが、その後幸せになり、ラックスとの間に双子を二組男の子の双子と女の子の双子を儲けました。家族6人で幸せ一杯です。
注:お父様もお母様も健在です!家族8人?
182
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
答えられません、国家機密ですから
ととせ
恋愛
フェルディ男爵は「国家機密」を継承する特別な家だ。その後継であるジェシカは、伯爵邸のガゼボで令息セイルと向き合っていた。彼はジェシカを愛してると言うが、本当に欲しているのは「国家機密」であるのは明白。全てに疲れ果てていたジェシカは、一つの決断を彼に迫る。
【完結】婚約破棄されたら、呪いが解けました
あきゅう
恋愛
人質として他国へ送られた王女ルルベルは、その国の人たちに虐げられ、婚約者の王子からも酷い扱いを受けていた。
この物語は、そんな王女が幸せを掴むまでのお話。
「婚約破棄だ」と叫ぶ殿下、国の実務は私ですが大丈夫ですか?〜私は冷徹宰相補佐と幸せになります〜
万里戸千波
恋愛
公爵令嬢リリエンは卒業パーティーの最中、突然婚約者のジェラルド王子から婚約破棄を申し渡された
お前を愛することはないと言われたので、姑をハニトラに引っ掛けて婚家を内側から崩壊させます
碧井 汐桜香
ファンタジー
「お前を愛することはない」
そんな夫と
「そうよ! あなたなんか息子にふさわしくない!」
そんな義母のいる伯爵家に嫁いだケリナ。
嫁を大切にしない?ならば、内部から崩壊させて見せましょう
婚約破棄された令嬢、冷酷騎士の最愛となり元婚約者にざまぁします
腐ったバナナ
恋愛
婚約者である王太子から「平民の娘を愛した」と婚約破棄を言い渡された公爵令嬢リリアナ。
周囲の貴族たちに嘲笑され、絶望の淵に立たされる。
だがその場に現れた冷酷無比と噂される黒騎士団長・アレクシスが、彼女を抱き寄せて宣言する。
「リリアナ嬢は、私が妻に迎える。二度と誰にも侮辱はさせない」
それは突然の求婚であり、同時にざまぁの始まりだった。
婚約破棄されたので、あなたの国に関税50%かけます~最終的には9割越えの悪魔~
常野夏子
恋愛
隣国カリオストの第一王子であり婚約者であったアルヴェルトに、突如国益を理由に婚約破棄されるリュシエンナ。
彼女は怒り狂い、国をも揺るがす復讐の一手を打った。
『本日より、カリオスト王国の全ての輸入品に対し、関税を現行の5倍とする』
愛しの第一王子殿下
みつまめ つぼみ
恋愛
公爵令嬢アリシアは15歳。三年前に魔王討伐に出かけたゴルテンファル王国の第一王子クラウス一行の帰りを待ちわびていた。
そして帰ってきたクラウス王子は、仲間の訃報を口にし、それと同時に同行していた聖女との婚姻を告げる。
クラウスとの婚約を破棄されたアリシアは、言い寄ってくる第二王子マティアスの手から逃れようと、国外脱出を図るのだった。
そんなアリシアを手助けするフードを目深に被った旅の戦士エドガー。彼とアリシアの逃避行が、今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる