冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi

文字の大きさ
2 / 5

2.

しおりを挟む

 辺境伯の娘さんは辺境伯に似ずに、可愛らしい少女だった。
 成長すれば、美しい女性になるんだろうなぁ。などと他人事のような感想を持ってしまったが、自分の婚約者になると思うとなんとも緊張してしまう。
 
「初めまして。ルミス辺境伯家が長女フローラ=ルミスと申します」
 ご丁寧に、ありがとうございます。
「俺は、アンドリュート=ラルラ。長い付き合いになりそうだからよろしくな」
 そう手を差し出したところで、
「でんくぁあああああぁああああぁあぁ‼」
 と、鬼の形相をしたルミス辺境伯のラリアットをくらった。一瞬あの世を見た。
「お父様、どうしたのですか?」
「可愛いお前に触れようとする輩がいるのを察知してな」
 どういう能力ですか?



 そんなことがありつつも俺は17才になり、フローラも16才かな?になった。
 フローラは予想通り、美しい女性へと成長している。
 そんな彼女が俺の婚約者だというのだから感無量というものだ。

 俺はキチンと毎朝腹筋・背筋・腕立て伏せ・剣の素振りを続けたので、今では1000回できるのではないかな?腹筋だってちゃんと割れているし。
 不満があるといえば、成長期に筋肉を付けたせいだろうか?あまり身長が伸びなかったことだ。俺としてはもっと背が高くなるのが理想的だった。とはいえ、まだ17才だしまだ成長するかな?など淡い期待をしているのです。

 俺が辺境に来てからというもの、何故か平和。何故?辺境伯の私兵は屈強な男達という事はわかっているけど、活躍の場が全くないのが悩みの種というか……。平和なのはいいことなんだけど。

 俺は俺なりに知力を用いて辺境伯の領地経営を改革することにした。
 なんだか錆びついた農機を使うのだったら、今まさに平和で暇を持て余している辺境伯の私兵の皆様に耕してもらうというのはどうだろう?
 鍬を振り回す動作は素振りに似ている。しかも負荷がかかるので、体力勝負なところのある。彼らにとってはやりがいがある仕事となるのではないか?

 その後も農地改革や作物を変えるなどしたところ、辺境伯の収入は大幅増となった。
「いやぁ、殿下はできる男だと思ってたんだよ!」
 等と辺境伯に言われるが、まぁ嘘だろう。
 そんな中でも俺はキチンと毎朝の鍛錬は続けていた。


 そんな生活が数年も続くと辺境伯の収入と言うか資産が国の収入(資産)を上回るようになった。王城には辺境伯の収入増の立役者が俺だという事もついでに伝わったようで、王家は俺を呼び戻そうと動き出した。

 数日後に王家からの使者が王からの書状を持って辺境にやって来た。書状の中身は『王都に戻ってきてその知力を大いに国のために役立ててほしい』というものだ。
「国王に「私は辺境に幽閉されているので王都に行くことはできません」と、伝えて下さい」というように伝言を頼んだ。
 また数日後、「幽閉という処罰はなかった事にしてほしい。だから、王都に来てほしい」という書状がやって来た。
 そんな事言っても、10年近く辺境で過ごさせておいて、利益があるからと手元に置きたがるのは、都合のいい話だ。俺はそんなのお断りだ。第一、フローラと結婚したい!

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

痩せすぎ貧乳令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます

ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。 そして前世の私は… ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。 とあるお屋敷へ呼ばれて行くと、そこには細い細い風に飛ばされそうなお嬢様がいた。 お嬢様の悩みは…。。。 さぁ、お嬢様。 私のゴッドハンドで世界を変えますよ? ********************** 転生侍女シリーズ第三弾。 『おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』 『醜いと蔑まれている令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』 の続編です。 続編ですが、これだけでも楽しんでいただけます。 前作も読んでいただけるともっと嬉しいです!

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!

カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。 前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。 全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

老け顔ですが?何かあります?

宵森みなと
恋愛
可愛くなりたくて、似合わないフリフリの服も着てみた。 でも、鏡に映った自分を見て、そっと諦めた。 ――私はきっと、“普通”じゃいられない。 5歳で10歳に見られ、結婚話は破談続き。 周囲からの心ない言葉に傷つきながらも、少女サラサは“自分の見た目に合う年齢で学園に入学する”という前代未聞の決意をする。 努力と覚悟の末、飛び級で入学したサラサが出会ったのは、年上の優しいクラスメートたちと、ちょっと不器用で真っ直ぐな“初めての気持ち”。 年齢差も、噂も、偏見も――ぜんぶ乗り越えて、この恋はきっと、本物になる。 これは、“老け顔”と笑われた少女が、ほんとうの恋と自分自身を見つけるまでの物語。

あっ、追放されちゃった…。

satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。 母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。 ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。 そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。 精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。

「不吉な黒」と捨てられた令嬢、漆黒の竜を「痛いの飛んでいけー!」で完治させてしまう

ムラサメ
恋愛
​漆黒の髪と瞳。ただそれだけの理由で「不吉なゴミ」と虐げられてきた公爵令嬢ミア。 死の森に捨てられた彼女が出会ったのは、呪いに侵され、最期を待つ最強の黒竜と、その相棒である隣国の竜騎士ゼノだった。 しかし、ミアが無邪気に放った「おまじない」は、伝説の浄化魔法となって世界を塗り替える。 向こう見ずな天才騎士に拾われたミアは、隣国で「女神」として崇められ、徹底的に甘やかされることに。 一方、浄化の源を失った王国は、みるみるうちに泥沼へと沈んでいき……?

料理スキルしか取り柄がない令嬢ですが、冷徹騎士団長の胃袋を掴んだら国一番の寵姫になってしまいました

さら
恋愛
婚約破棄された伯爵令嬢クラリッサ。 裁縫も舞踏も楽器も壊滅的、唯一の取り柄は――料理だけ。 「貴族の娘が台所仕事など恥だ」と笑われ、家からも見放され、辺境の冷徹騎士団長のもとへ“料理番”として嫁入りすることに。 恐れられる団長レオンハルトは無表情で冷徹。けれど、彼の皿はいつも空っぽで……? 温かいシチューで兵の心を癒し、香草の香りで団長の孤独を溶かす。気づけば彼の灰色の瞳は、わたしだけを見つめていた。 ――料理しかできないはずの私が、いつの間にか「国一番の寵姫」と呼ばれている!? 胃袋から始まるシンデレラストーリー、ここに開幕!

図書館でうたた寝してたらいつの間にか王子と結婚することになりました

鳥花風星
恋愛
限られた人間しか入ることのできない王立図書館中枢部で司書として働く公爵令嬢ベル・シュパルツがお気に入りの場所で昼寝をしていると、目の前に見知らぬ男性がいた。 素性のわからないその男性は、たびたびベルの元を訪れてベルとたわいもない話をしていく。本を貸したりお茶を飲んだり、ありきたりな日々を何度か共に過ごしていたとある日、その男性から期間限定の婚約者になってほしいと懇願される。 とりあえず婚約を受けてはみたものの、その相手は実はこの国の第二王子、アーロンだった。 「俺は欲しいと思ったら何としてでも絶対に手に入れる人間なんだ」

転生先が意地悪な王妃でした。うちの子が可愛いので今日から優しいママになります! ~陛下、もしかして一緒に遊びたいのですか?

朱音ゆうひ@『桜の嫁入り』発売中です
恋愛
転生したら、我が子に冷たくする酷い王妃になってしまった!  「お母様、謝るわ。お母様、今日から変わる。あなたを一生懸命愛して、優しくして、幸せにするからね……っ」 王子を抱きしめて誓った私は、その日から愛情をたっぷりと注ぐ。 不仲だった夫(国王)は、そんな私と息子にそわそわと近づいてくる。 もしかして一緒に遊びたいのですか、あなた? 他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5296ig/)

処理中です...