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驚愕
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「さて、落ち着いているならこのまま町を案内して、みんなに紹介するかの。」
長老が椅子から立ち上がりゆっくりと歩き出す。強面おっさんとついて外へと出ると、家の周りに20人位の男達が待ち構えていた。
みんなおっさんみたいに強面って事はないな。隣の強面おっさんをチラッと見て、こんな強面沢山いたら嫌だ。
これからお世話になるのに大変失礼な事を思ってしまった…申し訳ない。
こっそり頭を下げておくか。
「今日新たな迷いびとがこの町に来てしまった。この者はイグニスの保護下に入ったのでよろしく頼む。」
長老の中々の声量にビックリしていると、
「それは防具か?君は随分頼りない感じだけど、騎士か戦士なの 」
「この乗り物は魔道具か?全然魔力を感じないが、どこに魔力を通すんだ?これはお前が作ったのか?今はこんなのが当たり前なのか?」
最初に声を上げた人に被せる様に怒涛の質問。強面おっさん、イグニスさんを見上げると、おっさんの後頭部が見えたのでおっさん越しに怒涛の質問者を見る。
長老の家の前に置いたバイクを、イグニスさん並みのおっさんがそれはもう嬉しそうに眺め回していた。
「まどうぐ?まりょく?がなんだかわからないけど、それはバイクで液体燃料で動いてる。これは2輪で、4輪車の自動車の方が … 」
突然細身のイケメンがバイクの前にしゃがむおっさんに、かっ踵落としを決めた⁈
「僕の質問に被してんじゃねえよ。」
何この細身イケメン怖いんだけど。
バイクおっさん白目むいてないか?
細身イケメンの視線がこっちに!
やっ殺られる。
「そ・れ・は、防具か?君は随分頼りない感じだけど、騎士か戦士なの?」
「?…違います。」
「…」
会話が続かない。
何故かおっさんも長老もこちらを見てる。
もう一度
「違います。…学生です。」
「…」
注目されてるんだが…答えが違うのか?
私のどこが戦士に見えるんだ?騎士?もっと違うだろ。
職業聞かれてるんじゃないの?何を聞かれてるんだ私は!
突然言葉が通じなくなったのか?どうすればいいんだ?
突然頭をコンコンと叩かれ隣のおっさんイグニスさんを見上げると
「こいつを外して顔を見せろって事だ。」
今のは嫌味だったのか⁈
回りくどいわ!めんどくせぇな。
…ヘルメット付けてる事忘れてただけだよ。
これから面倒を見てもらう身、この鬱憤は心の中だけに留めといてやるよ。
「すみません…」
ヘルメットを外して頭を下げる。
「よろしくお願いします」
ここは礼儀正しくしとかないとね。
頭を上げると、目の前の町民が揃ってアホヅラ晒してるし、隣のおっさんも眉間の皺が伸びるくらい驚いてる。
まずい。
急いで俯く、今すぐ鏡が見たい。アホヅラ晒してたのは私か?わたしなのか?
そっと強面おっさんイグニスさんを下からこっそり伺うと、顔がとんでもなく恐ろしくなっていた。
「ごっごめんなさい。」
あまりの恐怖に涙目になるのが抑えられないのはしょうがないと思う。顔が更に怖く進化するなんて、謝ってしまうのももはや条件反射だ。
人を射殺す事が出来る程に鋭い眼光が向けられている気がする。多分、怖くて確認出来ないが。確認はしたくない。絶対!
この人ちゃんと保護してくれるんだよね。安全なんだよね。長老~
私、安全なんだよね。
右手の甲の赤い鳥守ってくれるんだよね!
涙がこぼれそうだよ。
貞操の危機より命の危機だ…
姉様ごめんなさい、私の救助を期待しないでください。私を助けて~。
長老が椅子から立ち上がりゆっくりと歩き出す。強面おっさんとついて外へと出ると、家の周りに20人位の男達が待ち構えていた。
みんなおっさんみたいに強面って事はないな。隣の強面おっさんをチラッと見て、こんな強面沢山いたら嫌だ。
これからお世話になるのに大変失礼な事を思ってしまった…申し訳ない。
こっそり頭を下げておくか。
「今日新たな迷いびとがこの町に来てしまった。この者はイグニスの保護下に入ったのでよろしく頼む。」
長老の中々の声量にビックリしていると、
「それは防具か?君は随分頼りない感じだけど、騎士か戦士なの 」
「この乗り物は魔道具か?全然魔力を感じないが、どこに魔力を通すんだ?これはお前が作ったのか?今はこんなのが当たり前なのか?」
最初に声を上げた人に被せる様に怒涛の質問。強面おっさん、イグニスさんを見上げると、おっさんの後頭部が見えたのでおっさん越しに怒涛の質問者を見る。
長老の家の前に置いたバイクを、イグニスさん並みのおっさんがそれはもう嬉しそうに眺め回していた。
「まどうぐ?まりょく?がなんだかわからないけど、それはバイクで液体燃料で動いてる。これは2輪で、4輪車の自動車の方が … 」
突然細身のイケメンがバイクの前にしゃがむおっさんに、かっ踵落としを決めた⁈
「僕の質問に被してんじゃねえよ。」
何この細身イケメン怖いんだけど。
バイクおっさん白目むいてないか?
細身イケメンの視線がこっちに!
やっ殺られる。
「そ・れ・は、防具か?君は随分頼りない感じだけど、騎士か戦士なの?」
「?…違います。」
「…」
会話が続かない。
何故かおっさんも長老もこちらを見てる。
もう一度
「違います。…学生です。」
「…」
注目されてるんだが…答えが違うのか?
私のどこが戦士に見えるんだ?騎士?もっと違うだろ。
職業聞かれてるんじゃないの?何を聞かれてるんだ私は!
突然言葉が通じなくなったのか?どうすればいいんだ?
突然頭をコンコンと叩かれ隣のおっさんイグニスさんを見上げると
「こいつを外して顔を見せろって事だ。」
今のは嫌味だったのか⁈
回りくどいわ!めんどくせぇな。
…ヘルメット付けてる事忘れてただけだよ。
これから面倒を見てもらう身、この鬱憤は心の中だけに留めといてやるよ。
「すみません…」
ヘルメットを外して頭を下げる。
「よろしくお願いします」
ここは礼儀正しくしとかないとね。
頭を上げると、目の前の町民が揃ってアホヅラ晒してるし、隣のおっさんも眉間の皺が伸びるくらい驚いてる。
まずい。
急いで俯く、今すぐ鏡が見たい。アホヅラ晒してたのは私か?わたしなのか?
そっと強面おっさんイグニスさんを下からこっそり伺うと、顔がとんでもなく恐ろしくなっていた。
「ごっごめんなさい。」
あまりの恐怖に涙目になるのが抑えられないのはしょうがないと思う。顔が更に怖く進化するなんて、謝ってしまうのももはや条件反射だ。
人を射殺す事が出来る程に鋭い眼光が向けられている気がする。多分、怖くて確認出来ないが。確認はしたくない。絶対!
この人ちゃんと保護してくれるんだよね。安全なんだよね。長老~
私、安全なんだよね。
右手の甲の赤い鳥守ってくれるんだよね!
涙がこぼれそうだよ。
貞操の危機より命の危機だ…
姉様ごめんなさい、私の救助を期待しないでください。私を助けて~。
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