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この町で気づいた事

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ここに来て大分経つと思う。確かに時の流れから切り離されている事を実感する。花は枯れる事なくそこにあり続け、日は暮れることもないし、お腹も空かない。これは…生きているって言えるのか?

初めイグニスさんは片時も私の側を離れなかったが、どうにか最近仕事に門番?に出かける様になった。

そして今、2つ気づいた事がある。

1つ目は、この町は確かに大人の男の人しかいない。そして、その人達は大きく分けて2つに分けられる。

イグニスさんや長老さん達の様なタイプ。おそらくこの状況を受け止めている人達。

そして…死人の様なタイプ。ただただ歩き回り何かを探している様にも見えるが…いくら時が止まっていても常に歩き回っている人は、ぼろぼろになっている様に見える。身も、そして…多分心も…




そして、2つ目は、イグニスさんの外出中、周りに誰も居なくなった時に森へと続く道が現れる事。



自分の外出中に外に出ない様に懇願され、狭い家の中で常に一緒にいる状態に嫌気がさしていたので、それぐらいならと了承した。

が、そんなに何を心配しているのか分からないが、出かけてすぐに本当にすぐに帰ってきた。時間経過がない世界だから待ち時間もあっという間なのか?と納得…出来るか!

「イグニスさん、随分早いですが、ちゃんとお仕事してきたんですか?」

「…ちゃんと見てきた。」

ん?
見てきた?
町に迷い込んでしまう人はいつ来るか分からないのでは?
見てきたでは仕事として成り立っていない。

「私のせいでイグニスさんの仕事に支障がでている様でしたら、別の方に保護「だっ!大丈夫だ‼︎支障はない!明日、明日からちゃんとする予定だったんだ。だから問題ない!」…」

いつもの寡黙なイグニスさんからは考えられない大きな声で、私の話に被せてきたよ。明日って…

「…この世界の明日って、どこですか?」

「⁈…。…行ってきます。」

とぼとぼと効果音がついていそうな背中を見送り、ふと窓を見ると

あれ?

今まで無かった森の中へと続く道が現れていた。

そして、それはしばらくすると消えた。
…間違っていない。
消えた。
消えた⁈

窓の外を人が通り過ぎていく…

そして、それはまた現れた。
…間違っていない。
現れた。

なにこれ?
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